バックアップソフトを使わず、あらゆるデータをNASにバックアップする方法(1/3 ページ)

» 2017年02月28日 21時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

 バックアップ機能が充実しているのは、SynologyのNASの特徴の1つだが、さらにバックアップ機能の使い勝手を向上させる新しい機能がリリースされる。現在β版で提供されている「Active Backup」がそれで、簡単に言うと、ほかのサーバの中にあるデータを、自らの本体内にバックアップしてしまう機能だ。

Synology(シノロジー)の「DS216+II」。2台のHDDを内蔵できるNASキットだ。今回はほかのサーバからバックアップデータを受け取る側として使用する

 一般的に、バックアップ機能といえば、データを保存している側のサーバにバックアップソフトをインストールし、それを設定する中で保存先、今回で言えばNASを指定する。今回の「Active Backup」はこれとは逆に、バックアップデータの保存先であるNASから、サーバに対してデータを取りに行くことが特徴だ。

 この方法の利点は、データを保存しているサーバの側に、個別にバックアップソフトをインストールしなくて済むこと。ライセンス利用も不要だし、どのサーバにどのバックアップソフトが入っているか毎回確認する必要もない。サーバが主体的にバックアッププログラムを走らせるのではなく、外部からアクセスしてきたユーザーに対してデータのコピーを許可する形になるため、サーバ側の消費リソースも最小限に抑えられる。

 また、rsyncにさえ対応していれば、サーバのOSの種類を問わず利用できるため、設定を一元化できるのも利点だ。「Windowsからバックアップする際はこのバックアップソフト」「Linuxだとこのバックアップソフト」といった具合に使い分けなくとも、すべてNAS側で、この「Active Backup」上で設定できてしまう。このほか、他社のLinuxベースのNASから本製品にデータをバックアップする用途でも使用できる。

 さらに、マシンごとにばらばらにバックアップ設定を行うと、うっかり重なった時間に複数のバックアップを行う設定にしてしまい、ネットワークの帯域がいっぱいになってしまうこともあるが、1つのNASで設定を一元化できる「Active Backup」であれば、こうした心配も少ない。設定画面上で各バックアップタスクを見比べれば、どのタスクが何時にスケジュール設定されているか、一目瞭然(りょうぜん)だからだ。

 今回は、この「Active Backup」の設定方法について、同社のNASキット「DS216+II」を例に詳しく紹介しよう。

「Active Backup」。他のサーバやNASのデータをまとめてバックアップできる

「Active Backup」のインストールはパッケージセンターから行う

「Active Backup」は本稿執筆時点ではβ版として提供されているので、パッケージセンターの設定画面で、β版のインストールが可能なように設定を変更しておく必要がある

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