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» 2017年03月28日 20時00分 UPDATE

NASに保存したファイルを過去のバージョンに自在に復元する方法 (1/3)

家庭内のデータをまとめて保存し、複数のデバイスから利用できるストレージとして注目を集めているのがNASだ。NASに保存したファイルを、過去のバージョンに自在に復元できるSynology NASの新機能、「Snapshot Replication」を紹介しよう。

[山口真弘,ITmedia]

 SynologyのNASの新しいOSである「DSM 6.1」には、前回紹介した「バックアップソフトをインストールせずにバックアップできる機能」こと「Active Backup」のほかにも、新しい機能がいくつか追加されている。

 今回はその中から、もう1つの目玉である「Snapshot Replication」機能を紹介しよう。なお本稿執筆時点ではβ版で提供されているので、リリース時には変更される可能性があることをご承知置きいただきたい。

Synology(シノロジー)の「DS916+」。4台のHDDを内蔵できるNASキットだ

過去の任意のタイミングを指定し、共有ドライブおよびファイルを復元可能

 今回紹介する新機能「Snapshot Replication」は、その名前の通り「スナップショット」を「レプリケーション」する機能ということになる。そもそもスナップショットとはどのような機能なのか、ざっとおさらいしておこう。

 スナップショットとは要するに、ドライブのその時点の状態を保存する、いわばリアルタイムのデータ保護機能だ。NASに保存されているデータはもちろん、NAS上で稼働している仮想マシンに至るまで、あらゆるデータをその時の状態のまま保存しておける。

 通常は1時間に1回や1日に1回といった頻度でスナップショットを撮り、それを履歴として保存するので、過去の任意のタイミングを指定し、ドライブの状態を復元できる。もちろん個別のファイルのみを書き戻すことも可能だ。

 一般的なバックアップは、USB HDDやNASを用意し、それらに対してデータを複製する。これはデータ保護の意味もあるが、ドライブ自体がクラッシュした際にそれを復旧するという目的が大きい。これに対してスナップショットはファイルをうっかり上書きしたり削除してしまった際に少し前のデータに復元するための機能であり、システム管理者よりもデータを利用するユーザー自身がお世話になりがちな機能といえる。

 それゆえスナップショットは、外付けのドライブではなく、基本的に同一ボリューム内に保存される(そのため設定項目の中にバックアップ先を指定する項目がない)。つまりドライブごとクラッシュした場合の対策にはなりえないわけだが、このスナップショットのデータを別ボリュームにコピーすることで耐障害性をも持たせたのが、今回の「Snapshot Replication」機能ということになる。ルーターを越えての保存にも対応しているので、業務で使う場合であれば本社から支社、支社から本社へのデータの送信も可能になるというわけだ。

スナップショットの設定はどうやるの?

 ではざっと使い方を見ていこう。「Snapshot Replication」の利用にあたっては、まず同名のパッケージをインストールする。本稿執筆時点ではβ版での提供となるため、パッケージを配布している「パッケージセンター」を探しても、そのままでは表示されない。事前にβ版が見られるよう、設定を変更しておこう。

まずはパッケージセンターの「設定」で、ベータ版のパッケージが表示されるように設定しておく

「Snapshot Replication」は「バックアップ」カテゴリの中にある

 インストールが終わったら起動し、設定を行う。スナップショットと複製(Replication)は、別々の機能として用意されているので、まずはスナップショットの設定を行う。

 スナップショットは特定のフォルダだけを指定することはできず、必ず共有フォルダ全体を指定する必要があるため、必要な共有フォルダを選択状態にしたのち「設定」をクリックし、スケジュール、保持条件などを設定する。24時間以内は1時間1個、それを超えると一週間以内は1日1個、さらにそれを超えると一カ月以内は週1個といった具合に、きめ細かな保存ルールを設定できる。よく分からなければデフォルトのポリシーのままにしておき、しばらく実際に運用してみてから編集するとよいだろう。

 なお、スナップショット機能はファイルシステムがBtrfsのボリュームのみサポートしており、NTFSのボリュームはサポートしない。スナップショットを適用できないフォルダについては、この共有フォルダの一覧画面で「未対応」と表示される。すでに運用中のSynology NASで本機能を使う場合、ファイルシステムの変更が必要になる可能性があるので要注意だ。

「Snapshot Replication」のホーム画面。この時点ではスナップショットも複製(Replication)も未設定なので、「保護なし」と表示されている

左のメニューから「スナップショット」をクリック。共有フォルダの一覧が表示される。「予約保護なし」とオレンジの文字で表示されているのが、スナップショットを設定可能な共有フォルダだ。ちなみにスナップショット機能を設定済みのフォルダは「予約済み」と青字で表示される

スケジュール設定。最短で5分間隔で設定できる。日にちの設定では、特定の曜日だけ実行する設定も可能

保持ルール。スナップショットの保持数を設定する。ひとまずデフォルトのポリシーのままでよいだろう

詳細設定。スナップショットの検出などのオプションを設定できる。基本的にはデフォルトのままでよいだろう

完了すると、指定したスケジュールに従ってスナップショットが保存される。「ログ」を開くと、実行開始および実行終了の時刻が一覧できる

「Snapshot Replication」のホーム画面では、最近撮影したスナップショットをタイムラインで表示できる。どの程度の間隔で実行されているか見た目にも分かりやすい

スナップショットは手動でも撮ることが可能だ

 設定が完了すると、指定の条件に基づいてスナップショットが保存される。アプリの「ログ」をクリックすると、きちんとスナップショットが取得されているかが確認できる。設定後しばらくしてからここをチェックし、意図したタイミングどおりに実行されているかを確認したほうがいいだろう。しばらく経ってから実際にファイルを書き戻してみて、どのような挙動なのかもぜひチェックしておきたいところだ。

 なお、スナップショットは手動でも撮ることができる。フォルダに大規模な変更を加えようとしている場合、事前にスナップショットを撮っておけば、いつでもそれ以前の状態に戻せるので安心だ。スナップショットの取得間隔を長めに設定している場合などは、任意のタイミングでスナップショットを取得できるこの機能は重宝するシーンもあるだろう。

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