NASに保存したファイルを過去のバージョンに自在に復元する方法(2/3 ページ)

» 2017年03月28日 20時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

複製(Replication)はどうやるの?

 続いて複製(Replication)の設定を行おう。今回は、同一LAN上に設置した別のSynology NASにレプリケーションデータを保存する。なお、コピー先となるSynology NASにも、元のNASと同様に「Snapshot Replication」のパッケージをインストールしておく必要がある。

 設定手順はさきほどのスナップショットとよく似ているが、複製データのコピー先として「同一サブネット」か「ルーター経由」のいずれかを選択するのが大きな相違点だ。また「複製」では、最初の1回は全データをコピーし、次からは差分データをコピーする形になるわけだが、それゆえ最初の1回は時間がかかる。容量が大きい場合、ネットワークを介して作成すると時間がかかるので、その場合はストレージ経由でのコピーも検討するとよいだろう。

まずは左メニューから「複製」を選択し、「作成」ボタンをクリック

複製タスク作成のウィザードが起動する。「次へ」をクリック

複製する共有フォルダを選択する。なおファイルシステムがBtrfsでないボリュームの共有フォルダはここには表示されない

コピー先のNASの場所について「同一サブネット」か「ルーター経由」のいずれかを選択する。今回はLAN内なので前者を選択

複製先のNASを指定する。LAN内であれば、「サーバー名またはIPアドレス」をクリックすることで自動検出されるので、ログインするためのユーザ名とパスワードを入力する。DSMポートは自動入力されるので、任意の値に変更している場合のみ書き換える

複製先のボリュームを選択する。Btrfsフォーマットのボリュームのみ選択が可能。なおフォルダは複製先のボリュームに自動的に作成される

初期コピーをどのように作成するかを選択する。ネットワーク経由で行った場合の時間の目安が表示されるので、それを参考に決定するとよい

複製のスケジュールを設定する。最短で5分から設定できる

複製データの保持ポリシーを設定する。このあたりはスナップショットの保持ルールと同様だ

必要に応じて暗号化などを設定する

設定内容を確認し、問題なければ「適用」をクリックする

複製タスクの作成が完了した。最大で3箇所のNASにデータを複製できる

複製を実行中。設定画面にもあるように、初回は全データをコピーするので時間がかかる

複製のステータスを表示したところ。同期元および同期先がグラフィカルに表示されるので分かりやすい

複製の実行結果を分析するための画面も用意されている。転送にかかる所要時間があまりにも長く、複製中に次の複製の時間が来てしまっている場合は、実行間隔を空けるなどの対策が行える

複製先が2つ以上ある場合はリンク状況がここに表示される

 この複製の実行間隔は最短5分から指定できるが、スナップショットの取得よりも短い間隔で複製を実行しても意味がないので、一般的にはそれより長めの時間を設定することになる。仮にスナップショットの取得を5〜30分間隔で行っているとして、複製を実行するのは同一LAN上であれば1時間に1回程度、ルーターを超えてWAN経由で保存する場合やデータ量が多い場合は、業務終了後の深夜時間帯に1日1回だけといった指定を行うとよいだろう。

 ところで「複製」は通常のバックアップとは異なり、複製先にそれ専用の共有フォルダを予め作成しておく必要はない。同名のフォルダが自動的に作られるので、ブラウザ上で両方のNASの設定画面を開いてややこしい操作を行わなくとも済む。

 そうなると気になるのは、複製先のNASで同名のフォルダができてしまった場合、そちらを誤ってオリジナルとみなして加工や削除を行ってしまわないかということだ。しかしこれについては、読み書きの権限がないと見なされて、それらの操作を行おうとするとメッセージが表示されるようになっている。この点については心配しなくて良さそうだ。

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