3万4800円のお手軽モバイルPC 「m-Book C」実力検証(1/3 ページ)

» 2017年04月28日 06時00分 公開
ココが「○」
・気軽に持ち運べる約1.2kgの小型ボディ
・SSDによる軽快な操作感
・税別3万4800円のお手ごろ価格
ココが「×」
・画像処理やゲームなどには不向き
・ストレージ容量が少なく工夫が必要

どこにでも持ち運べるコンパクトモバイル

 マウスコンピューターのm-Book Cシリーズは、11.6型液晶ディスプレイを搭載したクラムシェルタイプの小型軽量モバイルPCだ。重量1.2kgで気軽に持ち運べるコンパクトなボディと、SSD搭載で3万4800円(税別、送料別)から買えるというお手ごろ価格が特徴だ。


 同社のWebページには、メモリやストレージ容量の違いで6モデルのラインアップが用意されており、予算に合わせて選べるようになっている。今回はもっとも安価な3万4800円(税別、送料別)で買える「MB-C250E1」を評価機として入手したので、性能や使い勝手をチェックしていこう。

 MB-C250E1の主なスペックは以下の表にまとめた。Webブラウズや動画鑑賞、SNSへの投稿などといった基本的な作業、および学生のレポート、企画書や報告書の作成などテキスト入力を中心とした作業を想定した製品だ。

お手ごろサイズの小型軽量ボディー

 ボディーの具体的なサイズは、292.4(幅)×210.5(奥行き)×22.7(厚さ)mmだ。11.6型液晶ディスプレイ搭載のモバイルPCとしては標準的といえるサイズ感だろう。重量は約1.2kgだ。実測重量は1127gと、公称値より軽かった。最新のモバイルPCは1kgを切る製品も多くあるため、特別軽いというわけではないのだが、手頃なサイズと合わせて、持ち運びに対する抵抗感は少ない。

m-Book Cシリーズは、小型軽量ボディーと3万4800円(税別、送料別)の格安価格を特徴とする11.6型液晶ディスプレイ搭載モバイルノートPCだ

 背面に着脱可能なカートリッジ式のバッテリーを搭載しており、容量は31WAh、公称駆動時間は約7時間だ。ACアダプターも小型軽量であり、合わせて持ち運ぶ必要がある場合も躊躇することはないだろう。

 ボディーのデザインはシンプルだ。天面とキーボードベゼル/パームレストにはメタリックグレーの塗装がされており、チープな印象は受けない。さらっとした手触りで、指紋が付きにくい点も好印象だ。

天面はメタリックグレーの塗装にライトグレーのマウスロゴを配置しており、上品な印象。表面はサラッとした手触りで、指紋が付きにくい点も好印象だ

底面もシンプルだ。樹脂の表面を梨地で仕上げている。背面に搭載するバッテリーは、カートリッジ式で容易に着脱が可能。容量は31WAhで、公称駆動時間は約7時間だ。ACアダプターは小型軽量で実測サイズは、約36(幅)×90(奥行き)×27(高さ)mm。実測重量は211gだった

CPU(SoC)にはAtom系最新の「Apollo Lake」を採用

 CPUにはCeleron N3450を採用する。開発コード名「Apollo Lake」と呼ばれる最新の低価格PC向けのCPUで、4つのCPUコアのほか、GPUコア、さらにSerial ATAコントローラなどチップセット機能も統合したSoC(System On Chip)だ。

 系統としては、低価格タブレットに搭載されているAtom x7などと同じ、いわゆる「Atom系」のCPUだが、低価格タブレット向けのAtomは開発コード名「Cherry Trail」。それと同世代の低価格PC向け「Braswell」よりもさらに新しいのがこの「Apollo Lake」だ。

 CPUコアは最新の「Goldmont」となっており、内部構造レベルから改良され、GPUコアもSkylake(第6世代Coreプロセッサ)と同じレベルに新しくなっている。GPUコアは、JPEG、MJPEG、MPGEG2、VC1、H.264、H.265(8bit/10bit)、VP8、VP9などのハードウェアデコードに対応。こうしたコーデックを利用した静止画/動画をCPUに負担をかけずスムーズに再生できる。

CPU(SoC)にはAtom系最新の「Apollo Lake」ベースのCeleron N3450を採用する。CPUコア、GPUコアとも前世代(Braswell/Cherry Trail世代)より改良されている

ストレージはSerial ATA接続の32GB SSD

 メモリはPC3-12800 SO-DIMMを採用し、容量は4GBだ。ストレージは32GBのSSD(Serial ATA 6Gb/s接続)を搭載する。評価機ではADATAのSP600というモデルを搭載していた。

 32GBというストレージ容量は、Windows 10を利用する上では、クラウドストレージを活用する前提であっても、ギリギリだ。USB 3.0ポートやカードリーダーを活用した運用の工夫は必須といえる。

 本体装備のカードリーダーの奥行きは2mm弱しかないため、通常サイズのSDXCメモリーカードをストレージ用途には使いにくい。奥行きの短いmicroSDアダプターなどが便利だ。また、USB 3.0ポートに直接さして使えるドングルタイプの超小型USBメモリなどもあるので、そうしたものを活用するのも良いだろう。

 ちなみに、SSD120GBモデル(MB-C250B1-S1)との差額は税別ベースで1万円だ。120GBあればだいぶ余裕ができ、通常の使い方ならライブラリフォルダ(ピクチャなど)の変更やアプリケーションのインストール先を変更するなどの手間は不要になる。十分費用対効果に見合う差額だろう。

ストレージは32GバイトのSSD(Serial ATA 6Gb/s接続)を搭載する。評価機ではADATAのSP600を搭載していた

カードリーダーは、奥行きが2mm弱しかないため、通常のSDXCカードを差すと張りだしてしまう。ストレージの拡張には、奥行きの短いmicroSDアダプターや、ドングルタイプのUSBメモリなどを活用するのがよいだろう

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