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» 2017年12月11日 06時00分 公開

鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:Windows 7から10への移行は進んでいるのか 2020年問題を起こさないために (1/3)

2020年1月14日のWindows 7延長サポートまであと2年ちょっと。Windows 10への移行はどこまで進んでいるのか、これからどれだけ進むのか。現状と今後の見通しをまとめた。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 Windows 7の延長サポートが2020年1月14日に終了する。延長サポートの終了とともにセキュリティ更新プログラムが配布されなくなるため、同日以降にWindows 7を使うことはマルウェア感染や不正アクセスといったリスクの増大を意味する。つまり、あと2年ちょっとの間には、Windows 10への移行を完了しなければならない。

 過去のOSサポート終了で最も騒がれたのがWindows XPだ。2014年4月のWindows XP延長サポート終了は「2014年問題」と呼ばれ、多くの組織で混乱を招き、終了まで最後の1年は駆け込みラッシュでの移行が相次いだ。にもかかわらず、サポート終了後もWindows XPマシンはかなりの数が残存したことが知られている。

 現状で最もユーザー数が多いWindows OSであるWindows 7の延長サポート終了時も同様の混乱が予想されるが、日本マイクロソフトも手をこまねいているわけではない。Windows XPの教訓を生かし、サポート終了の2年以上前から入念な準備を進め、少しでも混乱を低減させようとしている。

 同社会計年度で2018年度末(2018年6月末)までに、法人顧客におけるWindows 7サポート終了の認知度を100%まで引き上げる計画だ。

Windows 7 EOS Windows 7の延長サポート終了は2020年1月14日。日本マイクロソフトは法人顧客におけるサポート終了の認知度を2018年6月末までに100%まで引き上げることを目指している

Windows XPサポート終了の教訓は生かされるか

 Windows 7からWindows 10への移行でネックの1つとみられているのが、中小企業や地方自治体だ。楽天リサーチが2017年6月に実施したアンケート調査によれば、中小企業の半数以上がWindows 7のサポート終了自体を認識しておらず、7割近い企業が検証や移行はこれからと回答している。

Windows 7 EOS 中小企業のWindows 7延長サポート終了に対する意識調査(出典:楽天リサーチ)

 一方で自治体の場合、都道府県と都市単位での調査ともに7〜8割程度がWindows 7のサポート終了を認識し、移行中あるいは移行計画があるとの調査結果が時事通信社から出ている。若干地域による偏りがあるというが、Windows XPの教訓から日本マイクロソフトは地方自治体への認知向上に努めており、その成果が現れたとみられる。

Windows 7 EOS 地方自治体のWindows 7延長サポート終了に対する意識調査(時事通信社の地方行財政調査会の資料を基に日本マイクロソフトが作成)

 最大の課題は、こうした情報が伝わりにくい地方の中小企業だ。2019年内のWindows 10移行完了を目指すには、サポート終了の1年前から動き出したのでは遅い。2018年のうちに、あらかじめPCの購入やOSアップグレードのコストを見積もって予算を成立させる必要がある。

 そうした事情もあって、日本マイクロソフトは自治体と協力して地方の中小企業への告知を強化してく方針だ。

Windows 10はWindows 7よりセキュアなOSというアピール

 早期の移行を促すためには、「サポート終了後のWindows 7はセキュリティリスクが高い」という点の認知に加えて、「Windows 10の方がセキュリティ面で安全で、管理上もメリットがある」という点をアピールしていくことが重要になる。

 実際、2017年に猛威を振るったランサムウェア「WannaCry」の場合、ターゲットとなっていたのはWindows 7などの旧OSで、Windows 10では被害がなかった。こうした事例はWindows 10の早期移行の追い風になるだろう。

 Windows 10では2017年春の大型アップデート「Creators Update(1703)」以降もセキュリティに関する新機能が盛り込まれており、企業向けの管理機能を駆使することで、マルウェアの被害をより強固に押さえ込むことが可能だ。

 もっとも、OSなどソフトウェアの安全性に絶対はなく、最新技術を盛り込んだ改良を加え続け、新たに登場する脅威に備える必要がある。

 しかし、従来はOSの更新サイクルを考えても4〜5年以上、PCのリースアップのタイミングをみても、同程度の期間はOSの大規模な更新は行われず、テクノロジーの進化速度に置いて行かれてしまう面もあった。2009年のリリース当時は最新鋭だったWindows 7のセキュリティも、現在では比較的容易に破られる対象とみられている。

 一方、Windows 10は定期的な機能アップデートを経ることで、セキュリティ面でも最新状態を維持しやすい構造になった。Windows 10では毎年2回の大型アップデートが約束されており、従来より細かい更新周期でOSの機能強化が可能だ。これにより新しい手法の攻撃を先回りする形で防御できる。地味ながら重要なポイントの1つだろう。

Windows 7 EOS Windows 10では年2回の大型アップデートを繰り返すことで、新しい脅威に対しても比較的安全な状態を維持できる
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