Amazon Echoに便利な新機能 音声コマンド1つで複数の操作が実行できる「定型アクション」を試す山口真弘のスマートスピーカー暮らし(1/2 ページ)

» 2018年02月08日 06時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

 スマートスピーカーの機能の1つに、音声による家電製品のコントロールが挙げられる。あらかじめスマート機能を搭載したPhilipsの電球「Hue」などはもちろん、一般的にスマートリモコンなどと呼ばれる製品を用意すれば、赤外線リモコンを備えたテレビやエアコンなどの操作も可能だ。

 こうした特徴が紹介されるときによく目にするのが「わざわざ音声で操作しなくても、普通のリモコンでいいじゃないか」という指摘だが、これはやや的外れであると感じる。なぜなら、スマートスピーカーによる家電製品の操作が真価を発揮するのは、単体の機器を操作することよりも、複数機器の同時コントロールにあるからだ。

 例えば、外出先から帰宅した際、玄関の明かりをはじめ、リビングや自室など、グループに指定しておいた部屋の照明をまとめてオンにし、さらにエアコンのスイッチを入れた後、テレビもオンにするという操作が、たった1つの音声コマンドで行えてしまう。これは単体のリモコンではまず不可能だ。

 さらにこれを応用して、時間の確認やニュースの読み上げ、天気の確認など、家電製品以外のさまざまな操作も合わせて行える。シーンごとにプリセットを作っておけば、リモコンを取っ替え引っ替えする必要がなくなるのはもちろん、外出時に電源を消し忘れるミスを防げるようになる。

 こうした使い方を強力にサポートする新機能が、2017年末に「Amazon Echo」に実装された。今回はこの「定型アクション」なる新機能の使い方を紹介しよう。

Amazon Echo Dot 2017年末に「Amazon Echo」に実装された新機能「定型アクション」を試す(写真は「Amazon Echo Dot」)
AlexaAlexa 新機能「定型アクション」。Alexaアプリのメニューから利用できる(画像=左)。初期状態ではサンプルとして、起床時に天気予報を流した後、フラッシュニュースを再生するというアクションが登録されている(画像=右)

スマート家電の操作やニュース・天気の読み上げをまとめて実行

 定型アクションは、「スマートホーム」「ニュース」「天気」という3つのカテゴリーを組み合わせ、1つの音声コマンドで一括実行できる機能だ。定型アクションという名称が示すように、起床時や就寝時、帰宅時、外出時など、ある決まったタイミングで毎回繰り返すアクションを、まとめておけるグループと考えるとよい。

 具体的にどのようなことができるかは、筆者の設定例を見てもらうのが分かりやすいだろう。筆者は現在のところ、起床時、そして就寝時に実行するアクションを登録し、毎日利用している。

 1つ目は就寝時。登録されているのは以下の3つのアクションで、床についた段階でAlexaに「寝る準備」と呼び掛けると、これらが順に実行される。

  1. 部屋のメインの照明をオフにする
  2. 枕元の照明(Hue)を、明るさ50%でオンにする
  3. 室内にある撮影用LEDライトの元電源をオフにする

 部屋のメインの照明は、以前紹介したLinkJapanのスマートリモコン「eRemote」と連携しており、まずはこれをオフにした後、枕元に設置しているスマート電球のHueを、明るさ50%でオンにする。部屋を暗くする一方で枕元の豆電球をつけるイメージだ。

 もう1つ、これらと同時に、部屋の隅に設置している撮影用LEDライトの主電源をオフにするアクションも追加している。万が一、LEDライトの電源をつけたまま就寝しようとしても、このアクションを実行することで主電源から確実にオフにできるというわけだ。このLEDライトは以前紹介したオーム電機のスマートプラグ「OCR-05W」をeRemoteで制御している。

eRemote LinkJapanのスマートリモコン「eRemote」
Hue Philipsのスマート電球「Hue」(左は無線接続時にハブの役割を果たすブリッジ)
OCR-05W オーム電機のスマートプラグ「OCR-05W」
AlexaAlexa 筆者が現在登録している定型アクション。起床時に使う「アレクサ、起きる準備」と、就寝時に使う「アレクサ、寝る準備」の2つ(画像=左)。「アレクサ、寝る準備」では、部屋のメイン照明(天井照明)をオフにした後、枕元のHue(スポット)を明るさ50%でオンにしている(画像=右)。また並行して撮影用LEDライト(LED)の主電源もオフにしている
Alexa Hueの場合、オン・オフの他に明るさも指定できる

オリジナルの開始フレーズを設定可能

 2つ目の定型アクションは起床時に使用するためのもので、こちらは就寝時より1つ多い、4つのアクションを登録している。いざ起床するタイミングでAlexaに「起きる準備」と呼び掛けると、これらが順に実行される仕組みだ。

  1. 部屋のメインの照明をオンにする
  2. 枕元の照明(Hue)をオフにする
  3. 簡易撮影スタジオで使っているLEDライトの元電源をオンにする
  4. 天気予報を流す

 1〜3は就寝時とは反対の挙動で、部屋のメイン照明および撮影用LEDライトをオンにしつつ、枕元のHueをオフにするというものだ。本格的に起き出す前に、布団に入ったままHueをつけてスマートフォンなどを見ていることが多いため、本格的に起きるタイミングでこれをオフにしている。

 さらに起床時にはもう1つ、天気予報の読み上げを設定している。照明をつけるのと連動して今日の天気や気温、予想最高気温と最低気温を教えてくれるので手間も掛からず、日中の外出予定を立てるのに重宝する。ちなみにニュースの読み上げも可能だが、1分以上続くのがザラなので、現在は利用していない。

AlexaAlexa 「アレクサ、起きる準備」では、部屋のメイン照明(天井照明)および撮影用LEDライト(LED)をオンにしつつ、枕元のHue(スポット)をオフにしている(画像=左)。加えて、天気予報の読み上げも行う設定にしている(画像=右)。1分以上かかるニュースと異なり、天気予報は15秒もあれば終わるので実用的だ

 ちなみに、これら定型アクションにはオリジナルの開始フレーズが利用できるので、自分で分かりやすいフレーズを設定しておける。ごく短いフレーズでもいいし、以前紹介した「この部屋に漆黒の闇をもたらして……」のような中二病フレーズでも構わないと言えば構わない。

 ただし、例に挙げられている「おはよう」や「おやすみなさい」は、Alexaにあいさつと認識されて普通に返事されることも多いため、あまりおすすめしない。筆者の「起きる準備」「寝る準備」のように、通常の呼び掛けでは使わないユニークなフレーズを設定すると、認識率が向上するようだ。

AlexaAlexa 「アレクサ、○○」の○○に相当するフレーズは自由に設定できる(画像=左)。あまりに誤認識が多いようであれば、通常の呼び掛けでは使わないユニークなフレーズを設定するとよい。筆者は使用していないが、繰り返し設定のオプションも用意されている(画像=右)
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