グラフィックスカードの全般的な価格高騰により、2月初頭にピークアウトしたとみられるマイニング需要だが、その一方で終息に向かう気配も今のところない。TSUKUMO eX.は「海外から買いに来られる方は明らかに減りましたが、それでも国内需要は堅調という印象です」と話す。
他店でもよく聞かれたのは「趣味の範囲で」という言葉だ。国内外のグラフィックスカードの値差が薄れたことは海外からわざわざ来日する外国人の足を遠ざけ、多くのショップが実施している購入枚数制限はマイニングファームを構築ような一定以上の規模の組織の買い方を抑制している。そうして残ったのが、個人が1〜2台のマシンでマイニングを楽しむという楽しみ方のようだ。
実際、先週登場したSapphireのRadeon RX Vega 56搭載グラフィックスカード「NITRO+ RADEON RX VEGA 56 DUAL HDMI」は税込み10万8000円前後しながらも複数店で即売り切れ状態となっていたし、同じく先週登場したMSIのマイニング向きバルクカード「Radeon RX 470 MINER 8G」(税込み4万8000円前後)も好調な売れ行きをキープしている。
また、2017年末に売り出されたマイニング専用OS「ethOS」をインストールしたアユートのUSBメモリ「ethOS USB」も2月初旬から新装版(税込み5400円前後)が出回っているが、入荷したオリオスペックは「購入制限はかけていませんが、1人で1〜2台買っていかれるパターンが多いです。何十台も、というのはありませんね」という。
それでも売れ行きは好調で、一時期は100台単位で入荷しても数日で売り切れるほどの勢いがあったそうだ。「今後は趣味としてのマイニングが育っていくのかもしれませんね。自分の好きな仮想通貨を見つけてコツコツ掘っていくような方向にいけば面白そうです」(同店)
なお、グラフィックスカードの価格は今のところ下がる気配はない。あるショップは「仕入れ値は一度上がるとなかなか下がらないんですよね。マイニング需要に加えて、メモリやコンデンサの供給が不足しているという話もあるので、案外根が深いところもあります。旧正月明けどころか、桜の季節までこんな感じかもしれませんよ」と話していた。
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