グラフィックスカードの在庫は2月に入って順調に回復している。マイニング需要は一時期より落ち着いたとはいえ購入枚数制限を設けるショップがいまだ多勢だが、少なくとも売り場がスカスカに見えるような状況のショップは見当たらなかった。それでも店側に楽観視する声はない。
パソコンSHOPアークは「価格はまだ元に戻る気配どころか、値上がり傾向が続いていますからね。正常に戻るのはいつかと考えると……、なかなか見通しが立ちません」とため息を漏らす。
価格高騰や在庫不足の理由には、世界的なマイニングブームによる需給バランスの問題の他に、GPUとメモリの供給不足があることは以前から指摘されてきた。が、最近はさらにコンデンサ不足のウワサも広がっている。
あるショップは「中国で電動スクーターが爆発的にヒットしたことでコンデンサがそっちに流れているみたいなんですよね。だから、PCパーツというよりPCに使われるコンデンサ自体が減っているらしいです。コンデンサの価格なんて、ケタ違いのレベルで高騰していると聞きますし」と話していた。
そうなるとグラフィックスカードだけでなく、電源ユニットやマザーボードなど他のパーツの流通や価格にも影響が出てきそうだが、「今はぎりぎりこらえている状況」(同)だという。
同様の話は複数のショップで耳にしている。それと同時に「旧正月が明ければ状況は改善する」といった予測も聞かれなくなった。ある仕入れ担当の店員さんは「下手すれば1年引っ張ってもおかしくない影響が出ると思いますよ」とこぼしていた。
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