未来を創る「子どもとプログラミング教育」

一番大事なのは「先生の教育」――マイクロソフトが取り組むこれからの学校教育とは

» 2018年06月21日 06時00分 公開
[井上輝一ITmedia]

 日本マイクロソフトは6月20日、同社が取り組む学校教育への取り組みについて報道向けに説明し、「未来を支える人材となる子どもたちの教育に一番大事なのは、先生方の教え方だ」と同社の文教営業統括本部 統括本部長の中井陽子業務執行役員が語った。

日本マイクロソフトの教育分野への想い
中井陽子業務執行役員

 日本マイクロソフトは「人の一生に寄り添い、地球上の全ての個人と全ての組織が、より多くのことを達成できるようにする」をミッションとして掲げている。教育分野に注力するのはその一環で、13日には日本マイクロソフトが運営する業界団体「ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム」(WDLC)から教育向けマイコン「micro:bit」を小学校100校に寄贈するプロジェクトも立ち上げている。

 「AIやロボットがある程度の仕事を代替する未来が、あと数年で来るとMicrosoftは考えている」と中井業務執行役員は語る。

これからの子どもに必要なスキル

 そんな未来で今の子どもたちが活躍するためには、「COMMUNICATION」(議論しあう力)、「COLLABORATION」(協働しあう力)、「CURIOSITY」(好奇心)、「COMPUTATIONAL THINKING」(計算論的思考)、「CREATIVITY」(創造性)、「CRITICAL THINKING」(疑問を逃さない思考性)の6つの「C」が大事だとマイクロソフトはグローバルレベルで考えているという。

6つの「C」とは

 6つの「C」を伸ばすため、マイクロソフトは「Office 365 Education」というOfficeの教育向けパッケージの提供や、Office 365 EducationをインストールしたWindows 10 PCを自治体に貸し出すプログラムなどを実施している。

 しかし、新たなサービスやデバイスを用いて児童や生徒たちに直接教えるのは先生であるため、まず先生の教育に力を入れていると中井業務執行役員はいう。

マイクロソフトの教員研修プログラム

 マイクロソフトはグローバルで、「Microsoft Innovative Education Programs」(MIE)という教育者支援プログラムを展開。これはオンラインやオフラインで研修を受けられたり、授業案や作成した教育コンテンツなどを共有するコミュニティーとしても機能する。

 国内だけでも、サービスを開始した2015年12月から現在までに約2万4000人がMIEの研修を受けており、そのうち約7000人がMIEから「マイクロソフト教育者認定」を取得したという。このように、MIEは研修プログラムの他に資格として認定する役割も持っている。

マイクロソフト認定教育イノベーターとは

 マイクロソフト教育者認定のさらに上には、他の教員を指導できる「マイクロソフト認定教育イノベーター」という資格も設けている。現在までに世界中で約6000人の教員がこの資格を取得しており、国内からは113人が先進的な教育者として認定されているという。

 2022年までに、教員研修参加数を10万人に、マイクロソフト教育者認定数を4万人に、マイクロソフト認定教育イノベーター数を300人に引き上げたい考えだ。

 MIEの公式サイトでは、世界中の参加教員が作成し共有した教育コンテンツを閲覧することもできる。現在のところ国内からは約700件が上がっているが、22年までに5000件まで充実させたいとしている。

教員の働き方改革も同時並行

 また、マイクロソフトはこうした教育変革により、教員の長時間労働化に拍車が掛かることも解決したいと考えている。

 その取り組みの1つは、教員の勤務時間管理ソリューションだ。

 教員には、出退勤打刻用のExcelファイルを配布。教員は、時刻を入力して保存したファイルを、指定されたフォルダに移動させることでMicrosoft Azureのクラウドにアップロードする。

Excelの入力画面

 するとクラウドサービスがExcelの内容を分析し、労働状況などを各教員、学校といったレベルで可視化・俯瞰できるようになる。このデータを学校や教育委員会が見ることでリアルタイムの労働状況が分かり、働き方の改善につなげられるのでは――というものだ。

ある教員の残業統計

 Office 365 Educationや、MIE、働き方の見える化といったアプローチで、「子どもの学び方」「先生の教え方」「先生の働き方」に関わり、日本の社会変革に貢献していく姿勢を見せた。

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