プロナビ

小売業界の多くが提携相手にMicrosoftを指名する理由鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/3 ページ)

» 2019年02月05日 06時00分 公開

Microsoft+Krogerの目指すスマートリテールとは

 NRFにおけるMicrosoftは、例年巨大なブースを構えており、今年も中央入口正面の好立地を確保して多くの来場者を集めていた。同社ブースはパートナーソリューションを集めたブースという特徴があり、Krogerの展示もその1つという位置付けだ。

 会期中何度か接近を試みたものの、Krogerブースは常に人が集まっており、なかなか近付くことはできなかった。Microsoft側の説明によれば、日本からの潜在的な顧客になる視察団体が頻繁にKrogerブースを訪れていたということで、Sunriseの提供するソリューションの他、Microsoft自身との協業に興味を持ったところも少なくないだろう。

Microsoft NRF 2019のMicrosoftブース。例年パートナーソリューションを集めたブースで、今回はKrogerの展示コーナーが最大の目玉となっている

 ブースで展示されていたものは比較的ベーシックな内容で、値付けが状況に応じて変化するダイナミックプライシングや、広告表示の切り替わるスマートシェルフの他、各種センサーを組み合わせた店内状況の監視といったものだった。

Microsoft Krogerの展示コーナーに設置されていたスマートシェルフ。値札の部分をセール状況に合わせて適時変更するダイナミックプライシングのデモなどが行われていた
Microsoft Krogerは食品スーパーのため、温度センサーを組み合わせて適時店内を監視、管理する

 特にKrogerは食品スーパーということもあって温度管理は重要な要素で、温度センサーなどを組み合わせた店内の監視、管理システムが紹介されていた。また監視カメラのような専用モジュールでは、商品棚の状況を含む店内の状況全体を監視するもので、Computer Visionを組み合わせた商品管理、セルフレジでの不正や検出エラー防止など、さまざまな用途での応用が検討されているようだ。

 実際、セルフレジと監視カメラを組み合わせたエラー検出ソリューションはNCRを含むNRFの他社のブースでも多くみられ、課題の1つとして挙がっているのだろう。

Microsoft セルフレジでの画像認識を使った検出エラーや不正行為監視の例
Microsoft 画面手前にあるセンサーを天井に取り付け、監視カメラを使った画像認識による棚の商品管理

 今回はブースの滞在時間が短かったのであまり話を聞くことはできなかったが、おそらくSunriseが開発している技術はより多岐にわたるとみられ、今後協業を深めていくなかで改めて紹介されることになるかもしれない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー