CPUとGPUの性能を計測する定番ベンチマークテストのGeekbench 5では、CPUに関して期待通りの結果が引き出せている。
現代のプロセッサは熱設計と性能が直結しており、実際にどの程度のクロック周波数で動作するかはシステム次第(ノートパソコン側の放熱設計次第)という側面があることも含めて評価する必要がある。その点、Ice Lake搭載の13インチMacBook Proは、28WというTDPの中で、最新世代なりの能力を素直に引き出せているようだ。
一方、TDPが10Wといわれる第10世代Core i5を搭載したMacBook Airは、シングルコアの性能では健闘するものの、同時に多くのタスクが走る場面では動作パフォーマンスが抑えられるため、マルチコアのスコアが低くなる。
最新の13インチMacBook Pro下位モデルは第8世代Core i5(Coffee Lake)のTDP 15Wプロセッサを搭載するが、同じくCoffee LakeのTDP 28Wプロセッサを採用した旧モデル(Mid 2018)に近い性能だった。あらためてこのモデルのコストパフォーマンスの高さが分かる。
しかし注目したいのはGPUのスコアだ。OpenCLを用いたGPUテストでは、ほぼ予想される実力通りの結果が出たが、Metalを通じての演算テストスコアが以前よりも伸びている。
例えば、13インチMacBook Pro下位モデルに内蔵されているIntel Iris Plus Graphics 645は、以前にテストした際には6000を下回る程度のスコアだったのが、最新モデルでは同じ内蔵GPUにもかかわらず7417まで上がった。Mid 2018モデルの13インチMacBook Proは内蔵GPUがワンランク上のIntel Iris Plus Graphics 655だったが、これを上回っている。
どうやら、ある時期(macOSのバージョン)からMetalのスコアが上がっているようなのだが、執筆時点で詳細は分からない。ただ、Ice lake搭載の13インチMacBook Pro上位モデルでは最終的に1万を超えており、プラットフォームは違うものの「iPad Pro」が搭載する「A12Z Bionic」に近い演算能力になっている。
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