Mobile World Congress 2009のSamsung電子とLGエレクトロニクスブースには、タッチパネルディスプレイを搭載する新製品群がずらりと展示されていた。2009年は“フルタッチ端末”に力を入れる両社だが、その製品ラインアップ展開を比べるとかなり相違がある。
Samsung電子は薄型のスライドスタイル「Ultra TOUCH」、大型ディスプレイによりマルチメディアからビジネス用途まで想定するハイエンド端末「OMNIA HD」、丸みを帯びたスティックデザインで音楽機能に特化した「Beat」の3モデルを展示する。
Ultra TOUCHは、Samsung電子のシェア拡大に大きく貢献した極薄ボディの「Ultra Editionシリーズ」(日本では、ソフトバンクの「708SC」や「708SC」などがある)の流れを汲む、デザイン性を重視したモデル。
同社は2008年、タッチセンサーキーの採用などにて使い勝手を進化させた「Soul」の投入でUltraシリーズをリプレースしたが、Samsung電子の先進性やデザイン性を大きくアピールした“Ultra”ブランドを、最新のフルタッチ端末に向けて再投入した格好だ。本体サイズは110(高さ)×51.5(幅)×12.7(厚さ)ミリと、かつてのUltraシリーズと比べると少し大きいが、有機ELディスプレイやボディの一部に金属素材を採用するなど、より高級感ある製品に仕上がっている。通信方式はW-CDMA(HSDPA)とGSMに対応する。
OMNIA HDは、360x640ピクセルの3.7インチタッチパネルディスプレイを搭載するハイエンド端末。2008年に発売した「OMNIA(i900)」の上位版という位置付けとなる。OSは、OMNIAのWindows Mobileに対し、OMNIA HDはSymbian S60に変更。1280×720ドットの動画撮影に対応するなどエンターテインメント系の機能もかなりの進化を果たした。
Beat DJは、音楽プレーヤーとしての機能に特化した端末。音楽再生時には本体を横向きにし、画面の左右に表示される円形のキーをタッチ操作する。中央に表示される円形の曲名表示と相まって、いわゆる“DJが使うようなもの”的なUIが特徴である。小型ボディながらもBang & Olufsen製のICEpowerアンプを備え、迫力のある音質で再生できるという。
これら3機種は、いずれもSamsung電子独自のタッチUI「TouchWiz UI」を備え、待受画面には複数のウィジェットツールを自由に配置できる。さらにUltra TOUCHとOMNIA HDはこの待受画面を3種類に切り替えられ、プライベートやビジネスなど、用途に応じて待受画面を使い分けられる。
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