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» 2012年12月25日 09時00分 UPDATE

2012電力トレンドまとめ読み(1):エネルギー政策:原子力から火力と再生可能エネルギーへ

東日本大震災を機に露呈した旧態依然の電力供給体制を変革するために、国のエネルギー政策が大きく方向転換した1年だった。電力会社を中心に原子力発電を長期的に拡大していく従来の方針から一転して、再生可能エネルギーと火力発電の増強へ舵を切り始めた。

[スマートジャパン]

 2012年度の国のエネルギー政策は主に2つの方向に集約できる。1つは再生可能エネルギーを長期的に拡大するために、7月から固定価格買取制度を開始する一方、補助金の創設などを通じて新しい技術開発を促進する。もう1つは原子力発電に依存しないエネルギー供給体制に向けて、火力発電を含めた将来のロードマップを描くものである。

 果たして政権が交代する2013年のエネルギー政策は、2012年の延長線上を進むのか、あるいは大きな方向転換があるのだろうか。

2012年の「エネルギー政策」:スマートジャパン関連記事

熱を利用した再生可能エネルギーの導入加速へ、40億円の補助金制度が始まる(6月1日掲載)

太陽熱やバイオマス、さらには地中熱や雪氷熱など、自然の熱を利用した再生可能エネルギーの拡大計画が動き出す。経済産業省が民間企業や地方自治体などを対象に、40億円の補助金制度を5月30日から開始した。


本日6月18日に法令が施行、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(6月18日掲載)

太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス、の5種類による再生可能エネルギーを電気事業者が固定価格で買い取る制度に関して、本日6月18日に関連の法令が施行された。これにより7月1日からの制度開始に向けた準備が整い、再生可能エネルギーの市場拡大が本格的に始まる。


2030年に再生可能エネルギーを25〜35%へ、発電コストは1.8倍に上昇(7月4日掲載)

我が国のエネルギー供給体制の将来計画を策定する政府の「エネルギー・環境会議」が2030年に向けたシナリオを3つのパターンで提示した。いずれのシナリオも再生可能エネルギーの比率を大幅に高める内容だが、同時に発電コストが上昇することも指摘している。


2030年に向けたエネルギー戦略、無理が多い政府の素案(7月20日掲載)

内閣の国家戦略室が中心になって策定を進めている2030年に向けたエネルギー戦略に関して、問題点の指摘が相次いでいる。原子力発電の比率を削減する3つのシナリオを国民に提示して意見を募っているところだが、シナリオを実現するための具体策には無理な点が多く見られる。


4つの再生可能エネルギーに注力、環境省が2030年の拡大戦略(9月4日掲載)

政府は9月中に公表する予定で2030年に向けたエネルギー戦略を策定中だが、それに呼応するように環境省が新たな再生可能エネルギーの拡大戦略を発表した。一般的な注目度が低い洋上風力、地熱、バイオマス、海洋エネルギーの4つに関して、具体的な方針と目標値を設定した。


不可解な点が残る、国のエネルギー戦略検討案(9月4日掲載)

2030年に向けたエネルギー戦略の検討が大詰めを迎える中で、中心的な役割を担う国家戦略室の「エネルギー・環境会議」が9月4日に開催された。その説明資料を見ると、原子力発電の依存率、再生可能エネルギーの増加分と省エネによる減少分など、数字の整合性に疑問が残る部分がある。


エネルギー構造改革に4000億円、2013年度予算の概算要求(9月11日掲載)

各省庁による2013年度予算の概算要求がまとまり、注目の資源・エネルギー関連で経済産業省が1兆円規模の予算案を提出した。その中で「新たなエネルギー需給構造の構築」に最大の4025億円を要求して、省エネ対策の強化や再生可能エネルギーの開発に注力する姿勢を明確にした。


バイオマスで政府が拡大戦略、廃棄物をエネルギーに変換する技術開発を加速(9月12日掲載)

再生可能エネルギーのひとつであるバイオマスの利用拡大に向けて、農林水産省など7つの省庁が連携して「バイオマス事業化戦略」を策定した。2020年度にバイオマス関連産業を5000億円の規模に拡大することを目標に、各種の廃棄物をエネルギーに変換するための技術開発を加速させる。


原子力に依存しない「革新的エネルギー・環境戦略」が決まる(9月12日掲載)

政府は2030年に向けた「革新的エネルギー・環境戦略(案)」を正式に決定し、原子力に依存しないエネルギー供給体制を構築する方針を明確にした。節電・省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの拡大に加えて、コージェネレーションを含む火力発電の拡充も戦略に組み込んだ。


「地球温暖化対策税」が始まる、電気料金への影響は必至(10月11日掲載)

石油・ガス・石炭といった化石燃料に対する課税が10月1日から始まった。政府は2012年度に391億円、2016年度以降は2623億円の税収を見込んでおり、省エネルギー対策や再生可能エネルギーの促進に充てる。電力会社も税を負担することになり、いずれは電気料金に上乗せする見通しだ。


グリーン・エネルギーに411億円、コージェネなどへ緊急予算(10月30日掲載)

政府は今年度予算の予備費を使った緊急経済対策の第1弾を発表した。東日本大震災からの復興支援に加えて、グリーン・エネルギーの早期拡大に向けた対策に411億円を割り当てる。家庭向けコージェネレーションや産業分野の廃熱などを再利用するシステムが緊急対策の対象になる。


わずかに前進した「グリーン政策」、成長シナリオは依然見えず(11月27日掲載)

我が国のグリーン・エネルギー拡大に向けたロードマップを示す「グリーン政策大綱」の骨子が発表された。政府が9月にまとめた「革新的エネルギー・環境戦略」に即した内容で、目新しい点は少なく、2030年に向けた成長シナリオは具体的に見えていない。


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