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» 2012年12月28日 09時00分 UPDATE

2012電力トレンドまとめ読み(8):電気料金の値上げ:利用者の対策が始まる、選択肢は大幅に増える

最大手の東京電力が先陣を切って電気料金の値上げに踏み切ったのに続き、二番手の関西電力も2013年4月からの値上げを申請した。しかし利用者も黙って受け入れるわけではない。料金が安い「新電力」に契約を切り替えるなど、状況に合わせて最適なプランを選ぶ試みが広がっている。

[スマートジャパン]

 火力発電や再生可能エネルギーによる発電コストの増加を理由に、電力会社が電気料金の値上げに向かっている。と同時に夏のピークシフトプランをはじめ料金メニューを増やすことで、需給バランスの最適化を図る取り組みも進んできた。電力は従来のまま使い続けるものではなく、使い方によってコストが大きく変わる時代に突入した。

 東京電力が4月に料金を値上げして以降、地方自治体を中心に「新電力」に契約を切り替えてコスト削減を図る取り組みが加速している。マンションで契約を一括して安い料金プランに移行する動きなども活発になり、電力会社が思惑通りに収益を改善できる状況では決してない。

2012年の「電気料金」:スマートジャパン関連記事

高くなる電気料金を削減へ、メニュー見直しとピーク制御が効果的(4月11日掲載)

東京電力が電気料金を値上げしたことで、企業や自治体、マンションの管理組合でも対応策に追われている。ところが電気料金の仕組みは意外に知られていない。正確に理解して最適なコスト削減策を講じる必要がある。


家庭よりも中小企業に重荷、東電の値上げ率は夏季18.2%にも(5月10日掲載)

東京電力の「総合特別事業計画」が5月9日に認定され、“家庭など向け”の電気料金の値上げが盛り込まれた。事業計画の説明資料を見ると、家庭向けよりも中小企業向けの値上げ率が高く設定されている。


電気料金の引き下げに効果、マンションの「高圧一括受電」が前年比36%の伸び(5月14日掲載)

マンションの電力契約を個別の家庭単位ではなくマンション全体でとりまとめる「高圧一括受電」が増えている。市場調査会社の富士経済によると、2011年末で前年比36%の15万戸に導入され、2020年末には8倍の127万戸に広がる見通しだ。


夏のピーク時間帯の単価を2倍に、関西電力が家庭向けで(5月21日掲載)

節電目標が15%に決まったことで、関西電力が具体的な対策を開始した。すでに企業向けにはピーク時間帯の電力削減に合わせた料金プランを提示していたが、家庭向けにも新プランを導入する。東京電力の同様のプランと違いを出せるかに注目。


自家発電を増やして電気料金を削減、「ネガワット」の取り組みが始まる(6月4日掲載)

関西電力が今夏の電力不足を回避するために、企業の余剰電力を買い取る「ネガワットプラン」を7月から実施する。その計画に呼応する形で、大阪ガスと関連会社のエネットが顧客企業を対象にネガワットの本格的な試行サービスを開始した。


日本初の電力需給に連動した料金プラン、最大手のエネットが7月1日から開始(6月6日掲載)

企業向けに電力を販売できる「特定規模電気事業者」の中で最大手のエネットが、電力の需給状態に応じて変動する新しい料金プランを7月1日から開始する。同社から電力供給サービスを受けている大手企業が対象で、開始当初から10社以上が利用する予定だ。


東京電力を使わないで2400万円を削減、学校用の電力をエネットから購入(6月8日掲載)

企業だけではなく地方自治体でも、電力コストを抜本的に減らす対策が始まった。神奈川県の横須賀市は市内72か所の学校で使う電力の供給元を、東京電力からエネットに切り替える。2013年8月までの14カ月間の契約で、約2400万円のコストを削減できる。


平均0.3円を電気料金に上乗せ、再生可能エネルギーの利用者負担が7月から増加(6月18日掲載)

7月1日から始まる「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」に伴って、電力会社が買い取るコストを利用者側が負担する「賦課金」の料率が確定した。1kWhあたり一律0.22円で、これに従来からの「太陽光発電促進付加金」を加えると全国平均で0.3円が電気料金に上乗せになる。


電力供給元を東電から新電力に切り替え、年間で1000万円以上コストを削減(9月26日掲載)

東京電力が電気料金を値上げしてから、節電などさまざまな手段で電力コスト削減に取り組む企業が増えた。西東京市は市内の公立小・中学校で使用する電力の供給元を東京電力から新電力に切り替えた。


「地球温暖化対策税」が始まる、電気料金への影響は必至(10月11日掲載)

石油・ガス・石炭といった化石燃料に対する課税が10月1日から始まった。政府は2012年度に391億円、2016年度以降は2623億円の税収を見込んでおり、省エネルギー対策や再生可能エネルギーの促進に充てる。電力会社も税を負担することになり、いずれは電気料金に上乗せする見通しだ。


電気料金の値上げを後押し、火力発電による原価増を想定した法改正(11月20日掲載)

9月に東京電力が電気料金を値上げしたばかりだが、今後さらに値上げを実施しやすくなる法改正が施行された。火力や原子力の比率が変動した場合に短期間で電気料金を改定できるようにするもので、原子力発電所の停止に伴う火力発電の増加を理由に値上げが可能になる。


企業向け電気料金を2割近く値上げ、関西電力が4月から改定へ(11月27日掲載)

関西電力は2013年4月から実施する電気料金の改定案を経済産業省に申請した。認可が必要な家庭向けは平均11.88%の値上げ率だが、自由化されている企業向けは19.23%の大幅な単価の引き上げを見込んでいる。ただし東京電力の料金改定時と同様に審査で縮小される可能性が大きい。


電気料金の地域間格差が広がる、最大で単価が5割近い開きに(11月28日掲載)

関西電力に続いて九州電力も来年4月からの料金改定を申請した。今年9月に実施した東京電力を加えて3社が値上げに踏み切る。この結果、地域による電気料金の格差が広がり、商店・工場を対象にした契約メニューでは単価で5割近い差になるケースもある。


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