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» 2013年11月22日 14時20分 UPDATE

電気自動車:ホンダが2015年の燃料電池車を見せた――「ガソリン車と同じデザインが可能」

ホンダの米国法人であるAmerican Honda Motorが、燃料電池車「Honda FCEV CONCEPT」を見せた。2008年からリース販売を継続している「FCXクラリティ」の後継となる車だ。走行性能を高めたほか、パワートレインを小型化し、大人5人がゆったりと乗車できる車室空間を実現した。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 ホンダが燃料電池車の本命の姿を見せた。「Honda FCEV CONCEPT」(図1)である。ホンダの米国法人であるAmerican Honda Motorが「ロサンゼルスオートショー2013」(2013年11月19日〜12月1日」において、世界初公開したもの。

 2008年にリース販売を開始した燃料電池車「FCXクラリティ」の後継モデルとなるコンセプトカーだ。Honda FCEV CONCEPTをベースとした燃料電池車を2015年に日本、米国、欧州で発売する予定である。今回展示したものはモックアップである。「寸法はFCXクラリティとほぼ同じ、わずかに大きい」(ホンダ)。

yh20131122Hona_FCV_F_190px.jpgyh20131122Hona_FCV_face_190px.jpgyh20131122Hona_FCV_R_190px.jpg 図1 Honda FCEV CONCEPTの外観。出典:ホンダ

 「Honda FCEV CONCEPTの特徴は、ガソリン車と同じパッケージデザインを採ることができること、もう1つはFCXクラリティより性能を高めたことだ」(ホンダ)。

 「FCXクラリティは、燃料電池本体(燃料電池スタック)が大きかったため、いわゆるエンジンルームに収めることができず、運転席と助手席の間の細長い空間に配置したレイアウトを採っていた。このため、後部座席は大人2人しか乗車できなかった。今回燃料電池スタックを小型化したことで、燃料電池本体をフロントフード下(いわゆるエンジンルーム)に格納でき、従来の4人乗りを5人乗りに改善できた」(ホンダ)*1)。セダンタイプの市販車では他社に先駆けた改善であり、空気力学的にも最適なシルエットを実現できたとする。

*1) 水素タンクは車両後部に配置した。「燃料電池システムに必要な蓄電池だけはリアシート下部に残っている」(ホンダ)。

 燃料電池スタックをFCXクラリティと比較して33%小型化した(図2)。体積は33L(寸法は非公開)だ。その結果、体積エネルギー密度は3kW/L以上となり、6割向上。出力はクラリティ(100kW)よりも高いという。

yh20131122Honda_FCStack_590px.jpg 図2 燃料電池スタックの外観。出典:ホンダ

 Honda FCEV CONCEPTは燃料電池車としての基本的な性能も高めている。FCXクラリティは1充填当たりの走行距離が240マイル(EPA基準)、充填時間は5分だったが、これを300マイル以上*2)、3分に改善した。「走行距離を延ばすことができ、充填時間が改善した理由は、水素の充填圧力を従来の350気圧からホンダとして初めて700気圧に高めたことだ」(ホンダ)。

*2) 300マイル(480km)以上という走行距離は電気自動車と比較とした場合、優位性がある。日産自動車「リーフ」(電池容量24kWh)は228km(JC08モード)、米Tesla Motorsの「モデルS」(電池容量60kWh/85kWh)は約370km/約482kmである。なお、国内ではFCXクラリティの走行距離を620km(国内基準)としていた。

 この他、家庭への電力供給を目的として外部給電機能(V2H、Vehicle to Home)を装備可能とした。燃料電池車が搭載する水素のエネルギー量は電気自動車よりも数倍大きい。電気自動車以上に外部給電機能が役立つ(関連記事)。

 ホンダは燃料電池車を究極の環境車と位置付けており、2015年の発売以降も燃料電池車の改良を続けていく。2020年ごろを目指して、小型化、軽量化と合わせて性能向上、低コスト化を進める。米General Motorsと燃料電池システムや水素貯蔵システムを共同開発し、燃料電池車の本格普及を狙うとした。

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