GTDで分かりにくい概念のひとつに「プロジェクト」があります。6つのレベルでやるべきことを見直す「Horizontal Model」で考えると、プロジェクトの活用法が見えてきます。
GTDで分かりにくい概念のひとつに「プロジェクト」があります。これは本文中では「求めるべき結果に到達するのにひとつ以上の行動ステップが必要なもの」と説明されていますがよく分かりませんよね。
しかし読み解いていくと「プロジェクト」は「Horizontal Model」でも登場します。「Horizontal Model」とは6つのレベルでやるべきことを見直すという考え方です(高度0メートルから高度5000メートルで例えられています)。
レベル(高度) | プロジェクトの内容 |
---|---|
高度0メートル | 現在の行動 |
高度1000メートル | 現在のプロジェクト |
高度2000メートル | 責任を負っていること |
高度3000メートル | 1〜2年後の目標 |
高度4000メートル | 3〜5年後の目標 |
高度5000メートル | 人生 |
これはボトムアップ、トップダウンの考え方を説明するために用いられていますが、注目してもらいたいのは、GTDでは高度0メートルで考えるべき「次に取るべき行動」「カレンダーに書いたリマインダー」などと、「プロジェクト」ではレベルが違うということです。
GTDにおける「プロジェクト」が分かりにくいのはここに理由があります。GTDのワークフローでは二つのレベルの話が同列に語られているのです。本来ならば「プロジェクト」はワークフローの一段上に書かれるべきなのです。
従って、INBOXに入ったものを「処理」する時は、「これは次に取るべき行動か、それともプロジェクトか?」と考えること自体が間違いなのです。求めるべき結果に達するのに2つ以上の行動が必要なものについては「プロジェクト」にその求めるべき結果を書いておき、同時に次に取るべき行動を決めなくてはいけないのです。
ここで最も注意しなくてはいけないのは「これはプロジェクトだから次に取るべき行動を決めなくていいや」と思ってしまうことです。すべての「プロジェクト」には最低1つの「次に取るべき行動」を割り当て、それがリマインダとしてきちんと管理されていないといけないのです。
具体例で説明してみましょう。今ここで「処理」すべきものに次のようなものがあるとします。
ここで(1)は2分以内で片付くのでその場でやってしまいましょう(爪きりがあれば)。(2)については今メールできないので「次に取るべき行動」のリストに加えます。(3)についてはどうでしょう。「これは複雑そうだからプロジェクトでいいや」で終わりにしてはいけません。
「プロジェクト」として登録しつつも、ちょっと考えて、次に取るべき行動に「予算編成ミーティングについて関係者にメールして予定を聞く」を登録しなくてはいけません。そしてこの「プロジェクト」を適宜見直し、予算計画がきちんと終わるまで「次に取るべき行動」に何かが登録されていることを確認するようにしましょう。
つまり「プロジェクト」は終わるまでにちょっと時間がかかりそうなもので、それが終わるまで、次に取るべき結果がシステムにきちんと登録されているかを確認するために活用するものなのです。
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