さて、まずはデフォルトの「おまかせスキャン」の設定のまま使ってみよう。本製品はWindows/Mac OS両対応だが、今回はWindows環境での試用。Mac OSでは一部の添付ソフトが利用できないので、該当するユーザーは購入前に必ずチェックしてほしい。
付属のCD-ROMからPCにドライバをインストールしたのち、本製品をUSBケーブルで接続し、電源を投入。ドライバのインストールが始まり、完了すると使えるようになる。ドライバインストールに多少時間がかかることを除けば、とくに難しい設定は何もない。気になるのは電源投入直後にトレイが「ガコッ」という大きな音をたてること。おそらくトレイに原稿があるかどうかチェックしているのだと思うが、静かな環境で作業をしていると少々驚く。
続いて給紙トレイを開く。フタ状になった上部のトレイを開いて伸ばし、補助プレートをななめ上方に展開させる。さらに排出された原稿が給紙トレイに被らないよう、排紙サポートを立てる。このうちトレイを伸ばすプロセスについては、両手で力を入れて行わなくてはならないため、やや面倒だ。このあたりは給紙/排紙トレイともに片手で展開できるScanSnap S1500に分があると感じる。
スキャンボタンは、本体ユーティリティー「おまかせスキャン」の挙動をプリセットしている。初期設定時の「おまかせスキャン」の値は以下の通りだ。
スキャンボタンを押すと読み取りが始まり、スキャンが完了した原稿はUターンして本体前面のトレイに立てる形で収まる。詳しくは動画をご覧いただきたいが、同じドキュメントスキャナでありながら、原稿送りの挙動はScanSnapとはかなり異なることがお分かりいただけるかと思う。
驚くのは、このスピードでありながら、OCR処理がオンになっていることだ。DR-150でもそうだったが、OCR処理のオンオフを切り替えても、処理速度にほとんど違いは見られない。OCRをオンにするとスキャン処理以外に多大な時間を必要とするScanSnapとは大きな違いということになる。
ところで本製品は製品前方に排紙スペースを必要としないため、狭い環境にも設置が行える。USBおよび電源のコネクタは右側面にあり、またケーブルガイドに沿って反対方向に配線することもできるので、設置の自由度はかなり高い。また本製品ではスキャンボタンおよび分離/非分離レバーがすべて本体右側にレイアウトされているため、本体左側を奥にする向きで、デスクサイドに横向きに置いた場合でも操作に支障はない。
……以上、ざっと基本動作をチェックした。全体的にポテンシャルは高く、エラー検知機能の精度や細かい補正機能、さらに本の「自炊」への向き不向きなど、興味は尽きない。次回は本の「自炊」などを前提に、さらに詳細な使い勝手をチェックしていきたい。
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