Adobe Acrobatに搭載されている機能「スキャンされたPDFを最適化」を使えば、紙をスキャンして生成したPDFを自動的に最適化し、ファイルサイズを小さくしてくれる。傾きを補正したり、OCR処理により文字がテキストデータとして認識できるメリットもあるので、単純に読みやすくしたい場合にも適している。
紙をスキャンして生成したPDFは、WordやPowerPointなどから直接出力したPDFに比べて、ファイルサイズが大きくなるのが常だ。理由は単純、すべてのページが背景も含めて1枚ものの画像として認識されているからだ。写真とほとんど変わらない画像データが数十枚〜数百枚ぶんあるのだから、容量が巨大なのも当然だ。
こうしたスキャンPDFを自動的に最適化し、ファイルサイズを小さくしてくれるのがAdobe Acrobatに搭載されている機能「スキャンされたPDFを最適化」だ。この処理を実行すれば、画像の最適化を行ってくれるほか、スキャン時に発生した原稿の傾きを補正したり、OCR処理により文字がテキストデータとして認識したりできるようになるメリットがある。スキャンしたPDFのファイルサイズをなるべく小さくしたい場合はもちろん、単純に読みやすくしたい場合にもぴったりだ。
使い方はAdobe Acrobat XI Proの場合、[表示]→[ツール]→[文書処理]でツールパネルウィンドウを開き、[スキャンされたPDFを最適化]を選択。設定画面が表示されるので、確認して[実行]を選択すると、処理が自動的に実行される。ページ数が100ページを超えるような場合は数分かかることもあるが、すべての処理は自動で行われるので、特に画面に張り付いていなくともよい。
デフォルトの設定で実行した場合、スキャナ(PFU ScanSnap iX500)で読み取ったままで無加工のスキャンPDF(68.8Mバイト)が、6.4Mバイトにまで縮小された。実に10分の1以下になったことになる。でき上がったPDFをオリジナルと見比べて、もし画質が低下しすぎている問題があれば、設定画面から画質を調整するなどしてファイルサイズとクオリティのバランスがよくなるように調整するとよい。最適化して容量を減らすことでスマートフォンやタブレットなどで扱いやすくなるメリットもあるので、Acrobatを所有しているのであればせひ使ってみたい機能だ。
ビジネスの各シーンで利用するPDFファイル。このドリルを練習して、PDFを上手に活用できれば業務効率が向上し、コストの削減ができるはず! さらに、ビジネスのいろいろな問題も解決できるかもしれませんよ。
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