初心者でも使える! 青色申告ソフトのポイントを徹底解説:大増税時代(8/8 ページ)
2012年の青色申告の期限は3月15日。最後の仕上げをしている人、もしくは来年こそ青色申告をするという人に向けて、つまずきやすいポイントを多めに青色申告ソフトの使い方を解説する。
最後は所得税確定申告書Bの記入。画面には確定申告書がそのまま表示され、これまで入力が済んだ部分は金額が記載されている。左側の操作ナビにしたがって作業を進めよう。右側に表示される申告診断には医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、、生命保険料控除といった各種控除の有無を「はい」「いいえ」で答えると左側のチェックシートがそれにそって表示される。
各チェックポイントをクリックすると入力する部分がハイライト表示される。ハイライト表示された部分をクリックすると入力画面がポップアップするので順番に記入していこう。指示通りに入力すれば保険料控除、扶養控除などの計算が自動的に行われ確定申告書の第一表、第二表が完成する。
初めての人にとってはこの申告ナビはかなり役に立ちそうだ。これだけ親切に指示をしてくれたら複式簿記を知らない人でも十分青色申告は可能だろう。
スマホからも入力が可能に
やよいの青色申告12を使う方に1つ朗報がある。2011年に行われた「弥生スマートフォンアプリコンテスト」でグランプリを受賞した「bizNote for 弥生会計」(開発:クラウドキャスト)を使えば、外出中の細かな出費の入力が移動中でも可能となる。
領収書やレシートが残る出費は後日(半年後でも)入力することは簡単だが、現金で支払った電車代などはついつい忘れてしまうことがある。東京の人がSuicaやPASMOを使って移動するなら印字機能などを使えばいいが、出張先となると何処の駅で乗り降りしたかも忘れがちだ。その都度メモ帳なでに記録すればいいが、ズボラな筆者などにはそれも難しい。
bizNote for 弥生会計を使えば、電車代を電車に乗っている間に入力。入力されたデータはそのままやよいの青色申告12に取り込めるので、メモ帳を見てPCに再入力する手間も掛からない。このような便利ツールがあると入力しようという気にもなるから不思議だ。bizNote for 弥生会計単体でも集計しグラフ化する機能があるので経費管理などにも使える。
使い方は至って簡単。例えば出張で都内の電車に乗ったとしよう。交通費の項目に東京駅から「大手町 160円」などと入力し、出張が終わったら入力したデータを[設定]の[CSVファイルをE-mailで送信]でPCに送信する。やよいの青色申告12では仕訳日記帳で[ファイル]―[インポート]を開き、ファイル名を指定すれば出張中に入力したデータを取り込み可能だ。
PCに送られたファイルをやよいの青色申告のインポート機能で取り込めば、仕訳したデータを記帳できる。
さて、長い記事となったが自分自身で青色申告はできそうだろうか。自力で白色申告をする場合でも扶養控除などの計算は、税制改正に沿ってその仕組みを理解していないとできない。やよいの青色申告などのソフトを使えば、家族の誕生日を入力すれば自動的に計算してくれる。生命保険料控除なども同様だ。
なお、今回やよいの青色申告12を使って解説したのは、筆者自身が使用していることもあるが、その使いやすさも大きな理由だ。それは市場シェアにも表れていて、やよいの青色申告は国内の販売シェアの指標となるBCNランキングでは申告ソフト部門で8年連続1位、GFKの業務ソフト部門でも7年連続1位、市場シェアは60%ほど。他の青色申告ソフトより価格が高くてもシェア1位というのは筆者同様使いやすさを感じている人が多いのだろう。
税金という分かりづらいジャンルなので最初はつまずくこともあると思うが、2年目からは前年の仕訳などを見ればかなり楽になるはずだ。本連載の第1回「増税は消費税だけじゃない。大増税時代の税金を理解しよう」で書いた通り、増税は避けられない雰囲気となっている。「個人事業主が語る、独立する人が知っておくべき会計経理」で書いた個人事業主の6割は3年で廃業しているという事実をみれば経理・会計をおろそかにはできない。税の専門家になる必要はないが、最低限の知識を習得してしっかりとした経営を目指そう。
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