ファーウェイは鉱山や養豚場に目を付け、ブルーオーシャン開拓に取り組みと同時に、レッドオーシャン化している次世代自動車にも投資を拡大している。同社は19年5月、コネクテッドカーソリューションを手掛けるビジネスユニット(BU)を設立し、自動車メーカーなどと業界団体も立ち上げた。
3月31日の決算会見で胡輪番会長は、「自動車はホットイシュー。ITの会社が自動車について語れないと時代遅れと思われる一面がある。自動車産業は他の産業と同様にDXの重要な一面に入っている」と述べ、スマートコックピット、つながる車、スマート運転などの分野で、部品サプライヤーを目指すと表明した。一方で、自動車そのものの生産については、任総裁が「永遠に参入しない」と否定している。
自動車ビジネスユニットは、スマートフォンなどを管轄する消費者向け事業グループに置かれていることから、スマートフォン事業の穴を埋める存在としても位置づけられているようだ。
深センのファーウェイ本社に設置されたサイバーセキュリティーラボ。サプライヤー企業にはソースコードも公開している(筆者撮影)
- ファーウェイ成長急にブレーキ、日本事業のリスクは“キオクシア”<ファーウェイの現在地・中>
通信機器大手のファーウェイは3月31日、2020年の決算を発表。売上高は前年比3.8%増の約15兆円、純利益は同3.2%増の約1兆円。米国による規制が続く中、増収増益を確保。ファーウェイ・ジャパンの王剣峰会長は、20年の日本企業からの調達額を公表せず、輸出規制強化が相当な影響を及ぼしていることを示唆した。
- トランプ後も制裁継続、世界巻き込む半導体戦争へ<ファーウェイの現在地・上>
米中貿易戦争の象徴となった通信機器大手ファーウェイへの制裁から2年。5G、スマートフォンの両方で動きを封じられたが、同社製端末の内部には日本企業製の部品が多く使われ、制裁は日本も含めた世界の半導体不足をも招いている。米中でなお繰り広げられている攻防と、手足を縛られたファーウェイの生存戦略を全3回に分けて紹介する。
- 英が一転5G排除、中国ファーウェイに迫る次の「Xデー」
7月14日、英政府が5G通信網からファーウェイを排除すると発表した。欧州各国はアメリカによる同社排除以降、中国との関係を深めたが、コロナ禍で悪化した対中感情などが背景にあると見られる。また同社は2020年前半の決算を、英政府発表の前夜午後11時すぎにひっそりと発表しており、カナダで拘束中の孟副会長の2度目の審理日「Xデー」が近いともされている。
- ジャック・マー氏“失踪”直前のスピーチ全文(前編)
2カ月余り公の場に姿を現さず、その消息がさまざまな憶測を呼んでいるアリババのジャック・マー(馬雲)前会長。2020年10月24日に氏が行ったスピーチが、中国の金融当局を批判し、習近平国家主席らの怒りを買ったとの説もあるが、実際の発言と大きくずれた報道も増えている。そこで、筆者訳のスピーチ全文を全2回に分けて紹介したい。
- ジャック・マー氏“失踪”直前のスピーチ全文(後編)
アリババのジャック・マー(馬雲)前会長が、2カ月余り公の場に姿を現さず、消息についてさまざまな憶測が流れている。氏が2020年10月24日のスピーチで、中国の金融当局を批判したため、習近平国家主席らの怒りを買ったとの説もある。今回は、筆者訳のスピーチ全文の後編を紹介する。
- フィンテック「金縛り」のアリババ、市場予想を上回る決算発表 〜今後はローエンド市場を強化
アリババグループは2月2日、2020年第3四半期決算を発表した。中国当局の監視が厳しくなる中、売上高は前年同期比37%増の約3兆5600億円、純利益は同52%増の約1兆2800億円と、市場予想を上回るものとなった。今後は、コロナ禍の消費変化に対応する新事業やのローエンド市場を強化する方針を強調した。
- 「6年前のM&A」でアリババに罰金、企業分割もちらつかせる中国当局の真意
アリババなど中国大手IT企業3社が12月14日、独占禁止法違反で50万元(約800元)の罰金を課せられた。いずれも過去のM&Aを当局へ申請しなかった点が問題視されている。世界ではGAFAへの規制が強まっているが、中国をデジタル大国に押し上げた立役者であるメガIT企業に対しても、同様に当局の姿勢が締め付けへと変化している。
- 上場延期で衝撃、中国・アントを知る5つのキーワード
史上最大のIPOと注目されていた中国アリババの金融子会社アント・グループの上場延期が11月3日に発表された。ジャック・マー氏ら幹部3人が前日に金融当局の指導を受け、上場計画の見直しを迫られたことが理由だ。本稿ではアントの歴史や事業構造、今後の見通しなどを5つのキーワードからひも解いていく。
- バイトダンスとオラクルの説明にズレ〜 TikTokは米中どちらの企業なのか
中国バイトダンスのショート動画アプリ「TikTok」と、米オラクル、米ウォルマートとの技術提携案が今月19日、トランプ大統領の「原則承認」を受けた。しかし、バイトダンス、米企業2社の発表文のニュアンスにずれが生じており、TikTok新会社の立ち位置を巡り、憶測や波乱の芽を生んでいる。
- 米国のWeChat禁止令で「ファーウェイが伸びアップルが失墜」の可能性
トランプ米大統領が8月6日、「TikTok」のバイトダンス、「WeChat(微信)」のテンセントとの取引を、9月下旬から禁止する大統領令に署名した。TikTokは想定内だが、サプライズなのがテンセントだ。WeChatがアプリストアから削除されれば、iPhoneの出荷台数は25%以上減少するとみるアナリストもいる。
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