最も有利子負債が多い企業は? 第1回「借金王ランキング」(2/2 ページ)

» 2021年09月30日 12時20分 公開
[秋月かほITmedia]
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上位企業の安全性を分析

第1回「借金王ランキング」上位企業の安全性分析 第1回「借金王ランキング」上位企業の安全性分析

 続いて有利子負債上位20社の「現預金」「借入依存度」「自己資本比率」について分析したところ、現預金では「トヨタ自動車」「ソフトバンクグループ」「本田技研工業」「楽天グループ」「日産自動車」が上位となり、上位20社中9社が1兆円超の手元資金を有していることが分かった。

 現預金と月商を比較した現預金回転期間(現預金÷月商)では、倒産確率分析において高リスクが表れる「1か月未満」の企業が20社中2社のみであり、上位にランクインした企業の安全性がうかがえる。

 借入依存度(総借入÷総資産×100)は、業種特性として借入金がかさみやすい物品賃貸業と不動産業に該当する4社を除いて集計したところ、倒産確率分析において高リスクが現れる「50%超」の企業は16社中1社のみだった。借入依存度が50%を超過した場合に、金融機関からの追加融資が厳しくなるケースが多いことを考慮すると、上位にランクインした企業においては、資金調達余力を残した状態で借入をしている様子がうかがえる。

 自己資本比率においては、倒産確率分析において高リスクが表れる「30%未満」の企業は20社中12社あり、自己資本比率の面では高リスクの企業が半数を超える状態となっているが、言い換えれば、財務レバレッジ(総資産÷自己資本)を効かせることで収益拡大につなげているという見方もできる。

 当調査は金融機関を除く、決算短信提出企業・3151社を対象に実施。2021年6月2日時点で開示されていた、20年4月期決算以降の最新決算を調査対象とした。

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