世界の都市総合力ランキング 3位「東京」、2位「ニューヨーク」、10年連続で1位を獲得したのは?(1/3 ページ)

» 2021年12月01日 15時47分 公開
[秋月かほITmedia]

 森記念財団都市戦略研究所(東京都港区)は、世界の主要都市の総合力を評価した「世界の都市総合力ランキング」(Global Power City Index、GPCI)を発表。その結果、1位「ロンドン」、2位「ニューヨーク」、3位「東京」、4位「パリ」、5位「シンガポール」となり、ランキング上位の顔ぶれは昨年と同じだった。

photo 「世界の都市総合力ランキング」、結果は?(写真提供:ゲッティイメージズ)

 GPCIでは各都市が持つ強みや弱み、課題を詳細に把握するために世界の主要都市の「総合力」を経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの6分野で複眼的に評価し、順位付けして分析している。

photo 「世界の都市総合力ランキング」1〜24位

 1位は10年連続で1位を維持している「ロンドン」だった。スコアを若干落とした(昨年1661.1、今年1644.1)ものの、これは交通・アクセス分野における大幅な順位の下落(昨年1位から3位に下落)が主な要因であり、ロンドンの強みだった国際交通網の強さが、新型コロナウイルスの影響で失われたことが大きいと考えられる。

 一方で、居住分野や環境分野においては順位を上げており、全分野においてバランスのとれた強みを有していた。

 2位は経済分野と研究・開発分野におけるトップ都市として、揺るがない強みを有する「ニューヨーク」だった。今年は環境分野における「都市空間の清潔さ」のスコアが伸び、順位を伸ばした。

 一方で、毎年の課題である居住分野については、「就業環境」における指標のスコア下落によってさらに順位を落とした。その結果、強みの分野と弱みの分野の差が広がり、スコアを若干落とす結果(昨年1541.9、今年1482.9)となった。

 3位は「東京」で、昨年からスコアを伸ばし(昨年1386.5、今年1411.0)、ロンドンとニューヨークを追い上げる形となった。研究・開発分野ではロサンゼルスに3位を譲ったものの、昨年の課題であった「働き方の柔軟性」が改善された居住分野では9位に浮上。文化・交流分野ではオリンピック開催などにより「発信力」の評価を高めたことで、3位のニューヨークに迫る結果となった。

 なお4位の「パリ」のスコアは1325.4から1350.8に上昇し、5位の「シンガポール」のスコアは1262.1から1232.8とやや下落した。

photo 「世界の都市総合力ランキング」25〜48位
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