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アサヒグループHD勝木敦志社長「DXを通じて新たなビジネスモデルを作る」 製造工場のリモート操作化を促進外食需要が激減したビール業界(1/4 ページ)

» 2022年02月09日 05時00分 公開
[中西享, 今野大一ITmedia]

 コロナ禍が続いて、外食需要が激減したビール業界。新しい環境の中で高度成長期にもてはやされた大量消費、大量販売のビジネスモデルから決別する必要性に迫られている。

アサヒグループホールディングス本社(以下社長の撮影:山崎裕一)

 微アルコール市場の開拓など、新しい価値の創造に意欲を燃やそうとしているアサヒグループホールディングスの勝木敦志社長にインタビューした。

勝木敦志(かつき・あつし)1960年生まれ。84年にニッカウヰスキーに入社、2002年にアサヒビールに転籍、06年に国際経営企画部長、11年に企業提携部門ゼネラルマネジャー、14年にAsahi Holdings (Australia) Pty Ltd, Group CEO、17年にアサヒグループホールディングス取締役兼執行役員、20年に専務、21年3月から社長兼CEO。北海道出身。61歳

製造工場のリモート操作化も進める

――新しい価値を創造するValue Creation室を20年4月に創設した狙いは。

 データは経営の意思決定をする上で重要な材料の一つです。さらにDXを通じて新たなビジネスモデルを作っていかなければなりません。そうした中で、アサヒグループホールディングスはDX戦略を進化、昇華させていかねなければならないとの思いからValue Creation室を作りました。

 新しいデジタル技術やデータの活用を通じて飲食について新しい価値を生み出し、デジタルを活用した飲食の新しいビジネスモデルを作るのが創設の目的の一つです。

――そのために社内でデータアナリストを募集したそうですが。

 企業内の“Valueを造る人材”を増やす教育プログラム 「Value Creation人材育成プログラム」として、データアナリストなどの育成を目指し社内で募集しました。すると当初に想定した約200人を大きく超えてアサヒグループで536人もの手が上がりました。

 予想した人数よりかなり多くなりましたが、希望者全員でやってみようとなり、いまそのプログラムを実行しているところです。若手を中心に全ての世代から応募があり、変化、改革、デジタライゼーションへの社員の渇望がすごいと思いました。

 理系、文系といった属性に関係なく、本人の意欲、前向きな気持ちが成果につながっている実感があるので、やりたい社員にはデータアナリストとして活躍してもらいたいと思います。いまは社内外の講師を招いてケーススタディーなどの訓練をしています。

アサヒビール茨城工場(社長以外の写真は)
「アサヒスーパードライ」
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