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アサヒグループHD勝木敦志社長「DXを通じて新たなビジネスモデルを作る」 製造工場のリモート操作化を促進外食需要が激減したビール業界(4/4 ページ)

» 2022年02月09日 05時00分 公開
[中西享, 今野大一ITmedia]
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「スーパードライ」のユーザーは400万人増

――今後の国内ビール市場に対してどんな対策を取りますか。

 20年10月にビール酒税が下がり、23年にもう一段下がり、26年にはビール類の酒税が統一されます。これは一つの収益機会と捉えています。

 新しい価値の提案として、「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」を21年4月に発売したところ大変好評で、供給が追い付かなくなり販売を一時的に休止せざるを得なくなりました。 勇気付けられたのが、「スーパードライ」のユーザー数が20年まで1450万人だったのが、21年9月時点では1860万人と、約400万人も増えたことでした。

「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」

 「スーパードライ」のメインユーザー層が50〜60代と高齢化していたのに対して、「生ジョッキ缶」は20〜30代のユーザーの支持を得られました。SNSなどでも取り上げられたことでユーザーが広がるなど好循環となりました。増えた若いユーザー層を今後どのようにつなげるかが重要です。生ビールのおいしさを「生ジョッキ缶」で再確認してもらったのではないでしょうか。

 アサヒビールはこれまで国内ビール市場では「スーパードライの一本足打法」と揶揄(やゆ)される向きもあり、われわれも課題だと思ってきました。21年9月に「アサヒ生ビール(通称マルエフ)」を発売したら大ヒットしました。「スーパードライ」と比べて、優しく柔らかい味わいの商品がいまの殺伐とした世の中に受けて、これも供給が追い付かなくなり、2カ月間商品の供給ができなくなりました。

 21年11月には供給体制を強化して再発売し、好評を博しています。

「アサヒ生ビール」(通称:マルエフ)
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