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アドビ、「Creative Suite 5」日本語版を発表250以上の新機能を追加

» 2010年04月12日 14時45分 公開
[ITmedia]
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Flash関連ツール/オンラインサービスを拡充、Web Standardは廃止

CS5 Master Collectionのパッケージ

 アドビシステムズは4月12日、統合デザインスイートの最新版「Adobe Creative Suite 5」日本語版(以下、CS5)を発表した。同社直販のアドビストアでは予約受付中、販売開始は5月28日の予定だ。過去3バージョン(CS2/CS3/CS4)のユーザーを対象としたアップグレード版やアカデミック版、単体ソフトの特別提供版も用意される。

 CS5を構成する単体ソフトは下表の通りで、14製品がラインアップ。収録するソフトの違いによって、全機能をそろえた「Master Collection」、グラフィックデザイン/DTP向けの「Design Premium」および「Design Standard」、FLASH PLAYER 10.1/ADOBE AIR 2対応コンテンツやアプリケーションを開発できるWebデザイン向けの「Web Premium」、映像制作向けの「Production Premium」が用意されている。

 Creative Suite 4(以下、CS4)の製品構成と比較した場合、「Web Standard」スイートが省かれた一方で、Flashベースのリッチ・インターネット・アプリケーション(RIA)開発ツール「Flash Builder 4 Standard」と、コーディングせずにユーザーインタフェースが作れるツール「Flash Catalyst CS5」がCS5に追加されている。

 また、新しいオンラインサービスの「CS Live」も1年間無料で利用可能だ。CS Liveには、作業中のアプリケーションから抜けることなく、Photoshop、Illustrator、InDesign(2010年後半からPremiere Proにも対応予定)のレビューが行える「CS Review」、各種ブラウザ上での動作テストが実行できる「BrowserLab」、ユーザーのブラウザやOS、デバイスのシェアや統計情報を提供する「SiteCatalyst NetAverages」、台本作成のためのコラボレーションツール「Adobe Story」といったサービスが含まれる(Adobe Storyは英語のみ利用可能)。

Creative Suite CS4の製品構成(表中の価格はすべてアドビストア価格)
製品名 Design Standard Design Premium Web Premium Production Premium Master Collection 単体ソフトの価格
CS5の価格 19万8450円 24万9900円 23万6250円 26万1450円 39万7950円
CS5のアップグレード価格 8万4000円〜 9万8700円〜 9万8700円〜 9万8700円〜 15万9600円〜
Acrobat 9 Professional 5万7540円
Photoshop CS5 Extended 14万700円
Photoshop CS5 Standard 9万9750円
InDesign CS5 9万3240円
Illustrator CS5 8万4000円
Contribute CS5 2万4675円
Dreamweaver CS5 4万9875円
Fireworks CS5 3万9900円
Flash Builder 4 Standard 3万1500円
Flash Catalyst CS5 3万9900円
Flash Professional CS5 8万8200円
After Effects CS5 15万6240円
Premiere Pro CS5(Encore/OnLocation) 9万8175円
Soundbooth CS5 2万6040円
Bridge CS5
Device Central CS5
Dynamic Link

CS Live オンラインサービス
製品名 Design Standard Design Premium Web Premium Production Premium Master Collection
CS Review
BrowserLab
SiteCatalyst NetAverages
Adobe Story(日本語非対応)
Acrobat.com(有償)

CS5に付属する製品・テクノロジー
製品名 Design Standard Design Premium Web Premium Production Premium Master Collection
Flash Player 10.x
AMP
AIR
Extension Manager
Mocha for After Effects

250以上の新機能が加わり、64ビット化も進む

 従来は「Photoshop CS4」が64ビット版Windowsをネイティブサポートしていたが、CS5では「Photoshop CS5」「Premiere Pro CS5」「After Effects CS5」のWindows版とMac版の両方が64ビットネイティブ対応となった。その半面、Premiere Pro CS5とAfter Effects CS5には32ビット版がないため、Windows版のProduction Premium CS5とMaster Collection CS5には32ビット環境向けにPremiere Pro CS4とAfter Effects CS4も付属する。

 機能面ではトータルで250以上の新機能が追加された。「InDesign CS5」はインタラクティブドキュメントと電子書籍リーダーのサポートを強化。Photoshop CS5はエッジ検出技術の向上によりマスクを切る作業が省力化したほか、1つの画像から特定の部分を排除しながら欠損したピクセルを補完する修整機能「コンテンツに応じた修復」が加わった。「Illustrator CS5」では任意のストロークを作成し、ストロークのどの時点でも幅を正確に調整可能になった。「Dreamweaver CS5」はコンテンツ管理システムのDrupal、Joomla!、WordPressを新たにサポートしている。

Photoshop CS5の「コンテンツに応じた塗り」と「スポット修復ブラシ」と一緒に使用し、建物の前の電力線を削除した例

Illustrator CS5の線幅ツールによる編集例。パス上をクリックして線幅コントロールを自由に置いて編集できる

 Premiere Pro CS5は、NVIDIA CUDAに対応したMercury Playback Engineによってパフォーマンスを強化した。After Effects CS5には、マスク切りが省力化されるロトブラシツールを追加。動画1秒間の全コマすべてをマスクで切らなくても、1コマを切ればその領域が自動で切り抜ける。

 「Flash Professional CS5」はFlashで開発したアプリケーションをiPhone用にエクスポートできる機能「Packager for iPhone」も備えている。これにより、FlashからのiPhone/iPad用アプリの開発にも対応するが、現状でアップルはFlashのサポートに対して否定的な姿勢を見せており、アドビはPackager for iPhoneの利用において「アップルの要件ならびに承認に影響を受ける場合がある」としている。

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