最後に花にフォーカスして撮ってみる。
実はどちらも同じ花を撮ってるのだが撮るときの高さを少し変えてある。少し高い位置から緑を背景にしたものと、少し低い位置から桜の木を背景にしたもの。前者の方が背景が遠くて単色なので花もほんわりと写る。背景は大事なのだ。
上の2枚はズームレンズを使って、85ミリ/F5.6で撮影。
でも、ほんわり感を出すには、明るい単焦点レンズが一番。そうすればソメイヨシノならではの、柔らかくてはかなくてこの世から一歩引いたような非現実感を撮れる。50ミリの単焦点レンズを使い、F2.0とF1.4で撮り比べてみた。
ボケ具合が全然違うのがわかると思う。F1.4までいっちゃうと、メインの花びらですら部分的にぼけてるくらい。
あまりにピントの合う範囲が狭いので、ちょっとした風や手のブレでピントの山がずれてしまうから、思い切り明るいレンズで撮るときは何枚も撮っておくといい。F2.0くらいの方が花の感じが残っていいけど、F1.4までいって幻想的にしちゃうのもいい。
さらにF1.4で背景を他の桜の花びらにしちゃうとこうなる。背景があまりに大きくぼけるので枝の濃い色が溶け込んじゃってるのだ。
こういう構図では思い切ったプラスの補正をしちゃうといい。上の写真は+1.3の露出補正をかけている。最後は同じく+1.3の補正をかけてめいっぱい花びらを明るくし、F2.8で撮った。
その日の天候、背景の選び方、レンズの選び方、光の向き、その他もろもろの条件で桜はいろんな表情を見せてくれる。そのときの桜が自分の目にどのように見えたか。それによって撮れる写真も変わってくる。どれがおもしろさでもあるのだ。
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