3)スローモーション動画
もう1つの目玉はスローモーション動画。デジカメの世界では一般に「ハイスピード動画」といわれる。
スローモーションとハイスピードって意味が逆じゃん、と思うかもしれないけど、要するに超高速(ハイスピード)で撮影したものを、普通の速度で再生するとゆっくり(スローモーション)になるという話なので、どっちも正しい。
具体的には、1270×720ピクセルというHD動画を秒120コマで録る。一般の動画は秒30コマなのでその4倍の速さ(ハイスピード)で撮影することになる。それを秒30コマで再生すると撮影時の1秒分(120枚)を再生するのに4秒かかる、つまり4分の1のスロー再生になるのである。
この考え方自体は珍しくもなんともなく、同様の機能を持つスマホやデジカメ(まあ、HDサイズで録れる機種は限られるが)もあるが、iPhoneらしいのは録った後の扱い。これが素晴らしい。
ハイスピードで5秒撮ったものを再生すると、20秒の長さになる。これは正直「長すぎる」。スローモーションで見たいのは一瞬なのに、前後も全部スローでは再生に時間がかかりすぎるし見ていて飽きる。
で、iPhoneのスローモーション機能は「最初と最後を通常の速さで、真ん中あたりを4分の1のスローで」再生するのだ。内部では全部秒120コマのデータを持っているのだけど、再生時にうまく工夫して見せているのである。
しかも「どこをスローで見せるか」を後で指定し直せる。普通の速度で動いていた動画が、途中から急にスローになるのである。これがめちゃくちゃ楽しいのだ。
まずは単純に踏切を通過する2両編成の電車から。
スローモーションは後でどこをスローにするか自分でいじるのがポイント。
もう1つ、ねこじゃらしで遊ぶ猫の動画を。
これは面白い。このスローモーション付き動画をYouTubeなどにさっとアップできるので、しばらくはiPhoneで録ったスローモーション動画があふれかえるに違いないと思う次第。
4)フィルタ
新たに8種類のフィルタ機能も付いた。写真やスクエアモード時に右下の円が3つ重なったアイコンをタップすると使える。
まあ結論として、iPhone 5sのカメラ機能は面白い。速くなったのみならず、楽しさが加わった。クオリティ的にも暗部での表現力が上がったので、より幅広いシーンで使える。
もうちょっとシャッタースピードを維持したまま早めにISO感度を上げてほしい、あるいは手ブレや被写体の動きを検知してシャッタースピードを決めるようなインテリジェントさも欲しい気がするが、全体として素晴らしいデキだ。
カメラに超力を入れている「Xperia Z1」も控えているので、安易にカメラ機能を重視するならiPhone 5sだ、とは言わないけど、シンプルさを維持したままグレードアップし、さらに楽しさを加味してくれた。カメラをメインに使うなら、iPhone 5sにする価値あり、です。
それにしても、iPhone 5sといい、Xperia Z1といい、こんなスマホがどんどん出てくると普及型コンデジがますます売れなくなりそうですな。わたしもすっかり、iPhone 5sとミラーレス一眼というペアで出かけることが増えましたもの。
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