「EF-S17-55mm F2.8 IS USM」は、単焦点レンズと同等クラスの気持ちのよいシャープネスにまず驚く。EOS Kissシリーズのキットレンズ「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS」系とほぼ同じズーム領域だが価格差はおよそ4倍。違いがないはずがない。
その描写力は巷で“隠れLレンズ”とも言われているくらいだが、防じん防滴設計でないためにLレンズ入りしていないのではないかと思う。そしてその全域F2.8という明るさはボケを生かしたポートレートのほか、シャッタースピードを稼ぎたいスポーツシーン、室内イベントの撮影でも活躍する。個人的にはこのレンズを星景撮影にも使ってもらいたいとも思う。
私事になるが、昨年6月キヤノンギャラリーで写真展(武藤 裕也 写真展:はじまりの唄)をした作品のほとんどがこのレンズを使ったものだった。描写力と様々なシーンに対応するAPS-C機標準ズームの決定版と言える。
シャープネスを支えるボケであり、ボケを生かすためのシャープネス。そのバランスがひとつの描写力と言える マニュアル(F2.8 1/250秒) ISO200 WB:太陽光 焦点距離:55mm ボディ:EOS 7D武藤裕也(むとう ゆうや)
30歳の時サラリーマンから写真家となり、原稿執筆・撮影講師として写真業界に携わる。オフィシャルサイトはhttp://photo-muto.com/。100人の巨大グループ展「フォトニコ」(2014年06月20日〜 6月22日)http://photo-nico.com/主催。
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