2014年9月にドイツで開催されたphotokinaで発表され大きな話題となり、先日欧州の一部(ドイツとフランス)で発売されたパナソニックの「LUMIX DMC-CM1」(以下CM1)。
なぜ話題になったか、というと、それがスマホだったからである。簡単にいえばAndroidスマホとデジカメが合体したモデルだ。スマホ+デジカメといえばすでにニコンが「COOLPIX S800c」を、サムスンが(日本では未発売だが)「GALAXY Camera」を発売しているが、この2モデルと決定的に異なるのは、カメラ部の性能だ。
既発売の2機種が高倍率ズームの普及型コンデジをベースにしたのに対し、CM1は1インチセンサーのハイエンドコンデジであることだ。
ちなみに、多くのスマホは1/3インチクラス、普及型コンデジが1/2.3インチと小さなイメージセンサーを搭載しているのに対し、CM1はハイエンドコンデジの代名詞となった1インチセンサー。大雑把にいえば、この「センサーサイズ」は「対角線」の長さなので、3倍になれば面積は9倍であり、得られる画質に圧倒的な差が出るのだ。
画質はスマホと大してかわらないけど高倍率ズーム、よりも、画角はスマホと大して変わらないけど圧倒的に高画質。どっちがいいか、というと、わたしは後者だと思う。
スマホユーザーから見れば、すぐにシェアできるし気軽にさっと撮れるスマホで撮るのが好きだけど画質がイマイチなんだよな、デジカメユーザーから見ればちゃんと撮るときは高画質なデジカメがいいんだけどデジカメはシェアする手間が面倒だしな、という両方の声に応えた製品なのである、たぶん。そうであってくれるといいなと思ってる。
で、そのCM1は日本未発売なのであるが、今回使う機会が得られたので、いつか日本でも発売される日を夢見つつ簡単にご紹介。
CM1がスマホかデジカメか、といわれると、そりゃあ「デジカメ」である。
というわけで、イメージセンサーは1型の2000万画素。ハイエンドコンデジであるソニーのRX100シリーズやキヤノンのG7X、パナソニックのDMC-FZ1000と同等のハイエンドっぷりだ。
レンズは28mm相当、F2.8の単焦点でライカのDC ELMARIT。広角系の高画質なスナップカメラという趣である。
操作感はスマホのカメラ機能ではなく、「フルタッチパネルのコンデジ」と思った方が間違いない。
起動は側面(いや、上面か)のカメラスイッチを横にスライドする。本体がロック状態だろうがなんだろうが、これを横にぐいっとスライドするとすぐカメラが起動する。この辺はまさにコンデジ感覚。
そしてスマホならではの大きなディスプレイ(4.7インチでフルHD)を見ながら、シャッターボタンで撮影。このボタンはストロークは浅くて軽いが、ちゃんと半押しでのAFロックにも対応している。
ボディはちょいと分厚いスマホ(というか、一昔前のスマホはだいたいこのくらいの厚さだったけど)+レンズ部が6mmくらい飛び出てる感じ。きちんとグリップするには薄すぎるが(なんか、日本で発売されたら、どっかがグリップ付ケースなんか出しそう)、持ち慣れれば大丈夫そうだ。
撮影はスマホ的に画面にあるカメラボタンをタップしてもOK。
4.7インチでフルHDの画面なんて他のどのデジカメも搭載してないわけで、今までのカメラとは感覚が全然違うのだ。カメラと思うとこの画面の大きさと精細さは素晴らしい。
細かい操作はタッチパネルと、レンズ回りのリングで行う。リングを回せば絞り値や露出補正やISO感度やホワイトバランスやデジタルズームのコントロールができる仕組みだ。
AFはもうタッチAFさまさま。でかいモニタでのタッチAFはかなり快適だ。
撮影モードや基本的な撮影機能はLUMIXそのもの。iAモードもあるし、パノラマもあるし、クリエイティブコントロールもシーンガイドもある。
タッチパネルでさっと使いたいクリエイティブコントロールやシーンガイドを選べるので、従来のLUMIXよりこれらの使用頻度は高まるかも。けっこういけるのだ。
動画は最大4Kで15fpsに対応する。
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