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2000ミリ相当まで突き抜けた光学83倍ズームが笑うほど面白い――「COOLPIX P900」(2/4 ページ)

» 2015年04月17日 19時30分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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「月」モードで月を狙え!

 超望遠レンズを手にしたとき、どこにいても誰でも手軽に撮れる、しかも超望遠じゃないと面白くない被写体がある。「月」である。でも普通はわざわざ月を撮影するためだけの「月」モードなんて用意しないでしょ。

 もう月モードがあるだけでこのカメラは面白い。

COOLPIX P900 シーンモードにある「月」

 月モードがあれば、まあ当然雲がなくて月が見えてないとだめだけど、誰でも簡単に月を撮れるのだ。まず月モードにして、月を画面中央に捉える。

COOLPIX P900 月モードの画面。中央に月をいれるべし。

 そして中央に捉えたらOKボタンを押す。すると自動的に2000ミリ相当の最高倍率まで上がるのだ。

COOLPIX P900 はいこのとおり

 月モードには月をどんな色で撮るかを5種類から選べる。今回はクールな月を撮ろうってことで、青くしてみた。

COOLPIX P900 これが2000ミリ相当で撮ったクールな月だ。満月じゃなくて申し訳ない。満月の夜は雲が厚くて撮れなかったのだ。F6.5、1/500秒、ISO220

 ちなみに、月は手持ちでも簡単に撮れる。満月に近くて雲がないときは非常に明るいので、ISO100で1/250秒くらいでOKなのだ。P900はブレを確実にふせぐためか、ISO220で1/500秒となった。

 オートモードだけれども、さらにデジタルズームをめいっぱい効かして撮ってみたのがこちら。

COOLPIX P900 デジタルズームなのでディテールはあやしいけど単体でここまで撮れます。F6.5、1/500秒、ISO220

 さすがに等倍表示をするとディテールがつぶれてるけど、手持ちでこれが撮れちゃうのは斬新だ。

「鳥」モードでカワセミを撮れ

 「月」モードと並んで楽しいのが「鳥」モード。

 超望遠カメラを手にしたら撮ってみたい被写体の、「月」に続く第2位だ(わたしの脳内調べ)。そこで「鳥」モードである。「鳥」モードではOKボタンを押すと自動的に800ミリ相当にズーミングする。800ミリ相当で狙いをさだめ、必要な焦点距離にして撮りましょうということか。

 鳥を撮るときはなるべくシャッタースピードを速く、1/1000秒以上にしたいが、F6.5ではなかなか難しい。P900はちょこまか動き回る鳥よりは、遠くにいて止まってる鳥を撮る用と思っていい。

 まあ2000ミリ相当の望遠+P900のEVFでは、動いてる鳥を追うのも難しいしね。

 とはいえ、鳥もちょこまかと顔を動かしたり毛繕いしたりするので、連写モードで押さえておくのがよいだろう。

COOLPIX P900 枝に留まっていたムクドリを下から望遠で。ISO360だがこのくらいなら使えそう。にしても近くにいる鳥ならこんなアップで撮れるのだ。F6.5、1/500秒、ISO360
COOLPIX P900 餌を探して歩くコサギを1800ミリ相当で。真っ白な鳥を暗い背景で撮ると白飛びしやすいのだがしっかり抑えていてさすが。F6.3、1/400秒、ISO400

 さて空は曇ってきたけれども、いよいよカワセミ撮影である。カワセミがいそうな川沿いをぶらぶら散歩してたら対岸に発見。そっとカメラを構えて狙う。

 このときに役立つのが、側面にあるクイックバックズームボタン。2000ミリともなると、すぐ被写体を見失う。ちょっと動いただけでどこを撮ろうとしてたか分からなくなる。

 そのときこのボタンを押すと、押している間だけズームアウトするので、それで被写体を中央に捉えてからボタンを離せば、またしっかり中央に捉えられるのだ。このボタン、P900が最初というわけじゃないが、今回はじめて「この機能って役にたつんだな」と思った次第。

COOLPIX P900 2000ミリ相当にした状態でクイックバックズームボタンを押したところ。自動的に少しズームアウトして被写体を探しやすくしてくれる。見つけたらそれを中央の黒い枠におさめればOK
COOLPIX P900 ボタンから指を離すとこの状態に。無事中央にカワセミを捕捉! 手ブレ補正の効きはけっこういいので、超望遠でもしっかり止まってくれるから撮りやすい

 ではカワセミでもう一度、どれだけ高倍率かを見てみよう。

COOLPIX P900 広角端。この対岸にカワセミがいるのだ。ちなみに等倍表示して探すとオレンジ色のお腹がかすかにみえるレベル。等倍表示にするとディテールがちょっとつぶれてるのがバレますが、まあこのクラスではしょうがないところ。F2.8、1/250秒、ISO100

 ここでOKボタンを押して800ミリ相当にする。鳥を捕捉するときにほどよい焦点距離だ。

COOLPIX P900 発見。枝かと思ったら、折れ曲がった鉄筋に留まってました。F5.6、1/160秒、ISO400

 さらに2000ミリまで伸ばす。

COOLPIX P900 ここまでアップに。雲が厚くて明るさが足りなかったのでちょっともやっとしているが、晴れていればもっとISO感度も下がり、シャッタースピードも上がってきれいに撮れるはず。F6.5、1/125秒、ISO500

 ここまで寄れました。

 ただ、連写時はバッファがいっぱいになるとしばらく撮影できなくなり、気をつけないとシャッターチャンスを逃す。そこは残念。

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