定額給付金支給管理システムをSaaSで構築――甲府市一過性かつ構築時間は短く

山梨県甲府市は、定額給付金支給管理システムとして、セールスフォース・ドットコムのSaaS「Salesforce over VPN」を導入した。

» 2009年03月17日 12時26分 公開
[ITmedia]

 山梨県甲府市は、定額給付金支給管理システムとして、セールスフォース・ドットコムのSaaS(サービスとしてのソフトウェア)「Salesforce over VPN」を導入した。NTTコミュニケーションズがVPN環境を構築し、定額給付金管理システムとしてのカスタマイズを含めた導入作業を実施し、3月17日に共同で発表した。

 甲府市は、ハードウェアおよびソフトウェアの購入やシステム開発が不要で、早期導入が見込めることを理由にSalesforce over VPNの採用を決めた。VPNを通じて個人情報を高いセキュリティレベルで扱えることも考慮した。定額給付金の支給には、各地方自治体での住民情報や支給についての管理の仕組みが重要になるため、特に人口が多い自治体では新たなシステムの整備が必要もケースが出てくるという。

 同システムでは、生年月日や連絡先といった給付の状況、給付金額、給付に関する問い合わせなどを世帯ごとに管理できる。住民基本台帳の情報に基づいて、支給する定額給付金と子育て特別手当を自動的に計算する。

 振り込みが完了した世帯や振込未了の世帯のリストを作成する機能を備えており、支給額の合計金額を自動集計してグラフを表示する。作成したデータはCSVファイルに出力し、印刷システムや振込システムなど他のシステムでも利用できる。

 甲府市役所企画部情報政策室 情報政策課の土屋光秋氏は「定額給付金管理のシステムは、一過性のものでありつつ稼働までの期間が短く、導入におけるハードルは高かった。自治体に限らず情報システムは、コスト、期間、品質のバランスの上で成り立っており、3つのバランスを崩すことなく構築できた」と発表文でコメントしている。

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