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» 2009年04月21日 18時56分 公開

伴大作の木漏れ日:コンピュータ業界に新たな秩序――Oracle Buys Sun (4/4)

[伴大作,ITmedia]
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今後の展開

 Oracleがいくら大手ソフトウェアベンダーとはいえ、過去にソフトウェアベンダーがハードウェアベンダーを買収したという話はわたしの記憶にない。それくらい、今回の発表はエポックメーキングな出来事だ。確かに、ソフトウェアベンダーの利益率はハードウェアベンダーのそれとは比較にならない程高い。しかし、実際にモノを動かすという点で、ハードウェアの売上高は通常ソフトウェアベンダーの何倍もあるのが普通だ。当然の事ながら、従業員数も多いし、それら運営に必要なキャッシュフローは何倍も必要だ。

 また、どのベンダーとも等距離で付き合うことを求められるソフトウェアベンダーとはそもそも競争の概念が違いすぎる。

 しかし、逆説的に言うなら、OracleのSun買収はわたしが永年主張しているコンピュータ業界におけるパラダイムシフトがまさに起こったことを証明した。これまで、われわれはハードウェアベンダー間の競争、つまり縄張りであり、垣根を意識しながら議論していたが、実際にはもっと自由な発想が求められる時代になりつつあるのだ。

 買収を重ねて巨大化したOracle、HP、Cisco Systemsが勝ち組としてますます存在感を高め、純血主義のDEC、Sun、日本企業は存在感が希薄になってしまった。唯一の例外かもしれない、富士通も海外での存在感の源泉は富士通が昔買収した英国のICL(現Fujitsu Service)が頑張っているからだ。純血とはいえ、全く違った分野に殴り込みを賭けたアップルがiPodやiPhoneで成功を収めたように、今後は従来の垣根を越えた戦いが展開される可能性が高い。

 今やICTという言葉が一般化したが、その言葉の中には国境という概念はない。つまり、日本のように閉ざされた市場で生き残るというオプションはあり得ないのだ。今後はハードやソフト、ストレージ、コモディティ、国籍という垣根はほとんど意味を成さなくなる。熾烈な競争や買収がそれらの垣根を乗り越えて頻繁に行われるに違いない。

 その意味で、IBM、HP、Cisco、Microsoft、Oracle、Apple、Nokia、Acer、Samsung、Panasonic、Googleのようなグローバルブランドの一角に日本の企業がどれだけ入ることができるのか、日本企業の資本力、柔軟な経営能力が問われている。

 全く新たな「パラダイム」におけるサバイバル競争、合格ラインのハードルは高く生き残りは難しい。

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