Mozilla、Firefox向け行動追跡拒否機能を提案

FTCによる「Do Not Track」の提案を受け、Mozillaがユーザーの行動追跡をオプトアウトできるFirefox向け機能を発表した。同日GoogleもChromeブラウザの拡張機能として同様の機能をリリースしている。

» 2011年01月25日 14時08分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 Mozilla Foundationは広告利用目的のユーザー行動追跡を拒否する、いわゆる「Do Not Track」機能をFirefoxに追加することを検討している。Mozillaで国際プライバシー&パブリックポリシーリーダーを務めるアレックス・ファウラー氏が1月24日(現地時間)、自身のブログで同機能について説明した。

 Do Not Track機能は、米連邦取引委員会(FTC)が昨年12月、インターネットでの消費者のプライバシーを保護する枠組みを提案した際、Webブラウザに搭載すべき機能として盛り込んだもの。行動ターゲティング広告の配信を目的に広告企業などがユーザーの行動データを追跡することに対し、ユーザーが簡単にオプトアウト(拒否)できるようにするのが目的だ。

 この提案を受け、米Microsoftは昨年12月9日に次期ブラウザのInternet Explorer(IE) 9にオプションでそうした機能を搭載すると発表し、米Googleも1月24日、Google Chrome向けに追跡拒否を可能にする拡張機能の提供を開始した

 Mozillaが計画している追跡拒否の手法は、HTMLヘッダに追跡拒否データを挿入するというものだ。Mozillaは、Firefoxのプライバシー設定画面でチェックするだけでこの機能を設定できるようにするという。

 この機能をオンにすると、FirefoxがWebサイトやサードパーティーの広告サーバに追跡拒否ヘッダを送信し、アドサーバはこれを受けてパーソナライズ化していない広告を表示する。

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 ただし、この機能を有効にするためにはWebサイト側にも対応してもらう必要がある。ファウラー氏は「Mozillaは“ニワトリと卵”問題を認識しており、まずはFirefoxの今後のリリース版にこの機能を搭載することを提案するというステップを踏んだ」という。同氏は、ヘッダベースのアプローチはcookieやブラックリストよりも明確で汎用性のあるメカニズムであり、長い目で見ればそれらよりも有用になる可能性があると説明している。

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