女性社員比率8割以上、“女性がもっと輝く”資生堂のハイブリッドクラウド基盤(2/2 ページ)

» 2015年02月10日 19時42分 公開
[ふじいりょう,ITmedia]
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対策と方法:機密情報の共有は閉域網で、社内コミュニケーションはLync Onlineで

 新コミュニケーション基盤導入の目的は、

  • グローバル共通の基盤にし、コミュニケーション効率をさらに向上
  • ハイブリットなクラウド構成による堅牢性と利便性の実現
  • 端末や場所にとらわれない多様な働き方の実現

 だ。

 まず、従業員のスケジュール確認や確保の手段は「Exchange Server」へ切り替え、これまで各拠点固有、個別のシステムで管理していた社内情報や資料、ノウハウの共有は、「SharePoint Server」を軸にして運用。グローバルで共通の検索機能とともに、迅速に閲覧、入手できるようになった。

 Exchange Server、SharePoint Serverは、セルフマネジメント性に優れ、グローバルに利用できるクラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」上に構築。閉域網を利用するVPNサービス「Arcstar Universal One」を経由して通信し、高いセキュリティと機密性を確保する。

 一方、Lync OnlineはOffice 365のクラウド基盤を活用。在籍確認やIM、Web会議のため、場所を問わず、インターネット網を使い低コストに実現するコミュニケーション手段を新たに設けた。

photo Bizホスティング Enterprise Cloudのサービスイメージ(出典:NTTコミュニケーションズ)

効果と成果:さらなる女性の活躍促進にも期待

 加えて従業員のワークスタイル変革を見越し、認証サービス「Bizモバイルコネクト」も導入したのもポイントだ。

 モバイルデバイスへ機密情報などを残さないよう管理する機能などによって、私物機器を併用したい従業員の需要にも会社としてのセキュリティを確保して応えられる。外出先でのメールやスケジュールのチェック、もちろんLync Onlineによる社内コミュニケーションも使えるため、端末の種類や場所、あるいは家庭の事情などにとらわれず、効率的で多様な働き方を実現できる環境を会社としてきちんと提供できるようになったという。

 資生堂は、日本コカ・コーラからマーケティング統括顧問として迎え入れ、2014年6月に社長に就任した魚谷雅彦氏のもと、経営改革を加速させている。また、同社の主事業が化粧品事業であること、そして国内社員の8割が女性ということから、従来より女性の活躍促進に注力し、法定を上回る育児休業や育児時間制度、店頭で活動する美容職の育児時間取得を後押しする制度などもすでに導入している。そんな社内風土の上に構築した新たなクラウド基盤。今後、さらなる相乗効果を生みそうだ。

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