
人手不足と原価高騰が続く今、「どの案件が利益を生んでいるのか」に答えられない状態は、経営の大きなリスクです。案件や製品ごとの利益率を見極める出発点が、工数管理です。
本記事では、導入需要の多い主要な工数管理ツール15製品を、料金・タイプ・無料トライアルの有無で比較します。あわせて、工数の数え方と計算方法、Excelとの違い、費用相場、導入で失敗しないための選び方まで解説します。
▼今すぐ15製品の比較表を見る(全15製品/2026年10月更新版)
表は縦横にスクロールできます(製品名・項目名は固定されます)→
| 製品 | 株式会社チームスピリット | 株式会社ファーストコンサルティング | 株式会社COEL | オーバルテクノロジー株式会社 | 株式会社RIT | 株式会社マネジメントソリューションズ | 株式会社クリエイターズマッチ | 株式会社ビーブレイクシステムズ | 株式会社オロ | ツバイソ株式会社 | 株式会社オロ | 株式会社イーポート | Zaimo株式会社 | 株式会社建設ドットウェブ | 株式会社トップシステムプロダクツ |
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| 一言でいうと | 多彩な工数登録機能と使いやすいUIで日々の業務効率化を実現 | 「お客様の声」を形に。柔軟なカスタマイズと手厚いサポート | 勤怠管理・工数管理・経費精算・ワークフローを一元管理! | 勤怠管理にあわせて、成果管理もシンプルに実現 | いつ?誰が?どの案件に?がすぐわかる | プロジェクトマネジメント専門会社のノウハウ・方法論を集約 | あらゆる業務管理に対応するDX化アプリ | プロジェクトごとの収支管理に特化したERPシステム | 中小企業向けクラウド型ERP・案件管理システムで業務を効率化 | 案件型ビジネス向け。セールスフォース統合クラウドERP | プロジェクト型ビジネス の業務を統合し効率化する | 中小製造業の収益を改善する経営管理クラウドシステム | AIエージェントで簡単に”全員経営” | コストが見える。業務を変える。どっと儲かる。 | 合わないシステムはもう不要。現場に合わせる生産管理システム |
| タイプ | 勤怠統合型 | 勤怠統合型 | 勤怠統合型 | 勤怠統合型 | プロジェクト管理型 | プロジェクト管理型 | プロジェクト管理型 | ERP・PSA一体型 | ERP・PSA一体型 | ERP・PSA一体型 | ERP・PSA一体型 | 原価・生産管理型 | 予実・経営管理型 | 原価・生産管理型 | 原価・生産管理型 |
| 主な機能 | スケジューラー連動の工数自動割り当て、PC・モバイルからの入力、勤怠・経費と連携した原価計算 | 柔軟なカスタマイズ、無制限の電話サポート、多様な勤務形態への対応、工数管理 | 勤怠・工数・経費・ワークフローをアプリ単位で導入、1画面で申請・承認、ERPやkintoneと連携 | 日報形式での勤怠・作業項目の登録、成果ポイントの自動集計、フルカスタマイズ | 案件とメンバーの双方からのアサイン状況の可視化、スキル・実績の自動蓄積、人材募集の一斉配信 | PMBOKベースのプロジェクト管理、複数プロジェクトの一元管理、AIによる分析・予測・レポート作成 | ガントチャートでのタスク・工数・原価・リソース管理、Salesforce上で構築、外部アプリ連携 | プロジェクトごとの収支管理、工数・勤怠の一体管理、SFA連携、業務フローの自由な追加 | 案件別の工数・経費・原価の紐づけ、見積から請求までの一元管理、損益の可視化 | PSAとERPの統合基盤、得意先・案件・部門別の管理会計、電子取引、業務の自動化 | 見込み段階からの案件一元管理、売上・仕入・外注費・工数の紐づけ、予実対比 | 見積から請求・在庫までの一元管理、受注単位の原価の予実管理、ガントチャートでの工程管理 | 事業計画の作成、部門別・PJ別の予実管理、AIエージェントによる計画作成の支援 | 工事・案件の原価管理、見積・発注・日報の管理、会計ソフトとの連動、自社向けカスタマイズ | 見積・受注から生産計画、工程・在庫管理、売上・請求までの一元管理、タブレット入力 |
| 料金の目安 | 月18,000円〜+初期費用150,000円(人数で変動、最低50人・12カ月) | 月400円/ユーザー+初期費用10,000円(25人までは月額10,000円) | 勤怠 月400円/ユーザー(最低30人)+初期導入費用は別途 | 月25,000円+初期費用0円(ユーザー数無制限) | Basicプラン 月800円/ユーザー(年払いは2カ月無料) | 要問い合わせ(ユーザー数ごとのライセンス費) | 基本ライセンス 月40,000円(20ユーザーまで)+工数管理オプション 月5,000円 | SaaS 初期費用0円〜、月額6万円〜(モジュール・人数で変動) | 初期費用0円+月額3万円〜(データ保守料込み) | 要問い合わせ(複数のライセンス種別あり) | 初期費用10万円〜+月額16万円〜(データ保守料込み) | スタンダードプラン 月50,000円+初期費用500,000円(ユーザー数無制限) | 月10万円〜(ユーザー数などに応じて要相談) | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | なし | なし | あり | なし | なし | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | なし | なし | なし |
| こんな企業におすすめ | 勤怠・経費と連携して原価を管理したい50人以上の企業 | 独自の就業規則や複雑な勤務体系を持つ企業 | 勤怠と工数をまとめて運用したい30人以上の企業 | 勤怠と作業成果を一緒に管理したい企業 | 案件ごとの人員配置を最適化したいプロジェクト型の企業 | 複数プロジェクトを一元管理したいPM・PMO組織 | Salesforceでタスクと工数を管理したい企業 | プロジェクト型企業の基幹業務をまとめたい企業 | 案件単位で損益まで管理したい中小企業 | 案件型ビジネスでPSAとERPを統合したい企業 | 受注前から損益を管理したいプロジェクト型ビジネスの企業 | 個別受注生産型の中小製造業 | 部門別・PJ別の管理会計を整えたい経営管理部門 | 原価を一元管理したい小〜中規模の建設・製造系企業 | 見積から請求まで製造業務を一元管理したい企業 |
| 運営会社情報 | 1996年設立/従業員200人/東京都千代田区 | 1996年設立/従業員数未登録/東京都新宿区 | 1995年設立/従業員115人/愛知県名古屋市 | 2004年設立/従業員14人/東京都千代田区 | 2013年設立/従業員38人/東京都豊島区 | 2005年設立/従業員1,621人/東京都港区 | 2007年設立/従業員44人/東京都港区 | 2002年設立/従業員数未登録/東京都品川区 | 1999年設立/従業員335人/東京都目黒区 | 2015年設立/従業員30人/東京都渋谷区 | 1999年設立/従業員288人/〒153-0063 東京 | 2008年設立/従業員11人/愛知県名古屋市 | 2023年設立/従業員6人/東京都港区 | 2001年設立/従業員106人/東京都千代田区 | 1993年設立/従業員50人/山形県山形市 |
| ユーザー評価 | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | ★ 4(81件) | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | ★ 3.7(5件) | ★ 4.4(5件) | ★ 4(26件) | ★ 3.7(39件) | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 |
| 情報更新日 | 2026年10月13日 | 2026年10月13日 | 2026年10月13日 | 2026年10月13日 | 2026年10月13日 | 2026年10月13日 | 2025年6月4日 | 2026年10月13日 | 2026年10月13日 | 2026年10月13日 | 2026年10月13日 | 2026年10月13日 | 2026年4月14日 | 2026年10月13日 | 2026年4月21日 |
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※2026年10月14日時点の情報です。料金は税別です。ユーザー評価はITreviewのデータを利用しています。
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この記事のポイント
- 工数管理ツールとは: 業務にかかった時間(工数)を案件や工程ごとに記録・集計し、プロジェクトの進捗や収支、メンバーの負荷状況を可視化するためのソフトウェアです。
- 導入のメリット: プロジェクトごとの採算性をリアルタイムで把握できるほか、特定個人への業務集中を防ぎ、働き方改革の推進や生産性向上に寄与します。
- システム選定の基準: 現場担当者が無理なく継続できる入力のしやすさと、既存の勤怠管理やタスク管理ツールとの連携性が重要です。分からなければ「専門家に聞く」手段もあります。
- 活用のポイント: データの収集だけで終わらせず、分析結果を次回の見積もり精度向上や、最適なリソース配分の検討にフィードバックすることが成功の鍵です。
工数管理ツールとは? 工数の数え方(人時・人日・人月)と管理が必要な理由
【図解】工数の単位は「人数×時間」で数える
例:2人月 = 約320〜360時間(1カ月を160〜180時間で見積もる場合)
工数管理とは、プロジェクトや業務にかかった作業時間(工数)を記録・分析し、業務の効率化と精度向上につなげる取り組みのことです。適切な時間管理とリソース配分は、プロジェクトの成否を左右します。
工数管理ツール(工数管理システム)とは?
工数管理ツールは、タスクごとの作業時間をリアルタイムに追跡し、進捗状況や勤怠と連携しながら正確な工数を記録・集計・可視化するソフトウェアです。「工数管理システム」「工数管理ソフト」とも呼ばれます。
- タイムトラッキング機能で、作業開始・終了を自動記録
- ガントチャートやダッシュボードで工数と進捗を可視化
- プロジェクト原価や人件費を試算。Excelでは難しいリアルタイム集計も可能
工数とは何か?
工数とは、作業を完了するために必要な人数と時間の積で表す指標です。プロジェクト管理では、予算、見積もり、スケジュールやコストの計画に使います。
たとえば、ある作業に1人が8時間かかる場合、工数は「1人×8時間=8人時」です。8人がそれぞれ1時間働く場合も、同じ8人時になります。中長期のプロジェクトでは「人日」「人月」の単位も使います。「2人月」は、1人が2カ月間フルタイムで働く量、または2人がそれぞれ1カ月働く量に相当します。1カ月は1日8時間×約20日で数え、通常は約160〜180時間で見積もります。
- 人時(人時間):1人が1時間稼働する分
- 人日:1日(通常8時間)分の工数
- 人月:1カ月(20〜22日換算)分の工数
具体的な計算例は、次の「工数の計算方法」で紹介します。
データで見る工数管理の現状
労働時間とデジタル化の現状を、公的な統計で確認します。厚生労働省の「毎月勤労統計調査 2025年分結果速報」(2026年2月公表、事業所規模5人以上)によると、調査産業計の所定外労働時間(就業形態計)は月9.8時間、一般労働者に限ると月13.2時間でした。産業別(就業形態計)では、製造業が13.4時間、情報通信業が15.8時間、建設業が12.7時間と差があります。
デジタル化の取り組みも道半ばです。総務省の「令和7年版 情報通信白書」(2025年7月公表)では、デジタル化に関連する取り組みを「未実施」と答えた割合が、日本の大企業で約25%、中小企業で約70%でした。
出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果速報」(2026年2月)、総務省「令和7年版 情報通信白書」第Ⅱ部第1章第11節(2025年7月)。いずれも速報値・調査時点の数値です。
なぜ工数管理が重要なのか?
工数管理は、プロジェクトを計画どおりに進め、品質・納期・コストのバランスを取るために必要です。作業ごとにどれだけの時間と人員、コストを投入しているかを可視化することで、進捗や負荷の偏りを正確につかめます。遅延や過剰な残業といったリスクを早期に察知し、リスケジュールや人員の再配置を素早く行えます。
過去の工数実績を分析すれば、次回以降の見積もり精度も上がります。見積もりと実態の乖離によるコスト超過や納期遅延を避けやすくなり、複数案件の並行や短納期が求められる業界ほど効果は大きくなります。
チーム全体のパフォーマンスにも影響します。業務負荷が明確になれば、特定メンバーへの集中を防ぎ、持続可能な作業配分を組めます。モチベーションの維持や離職防止にもつながります。
工数の計算方法|人月・人日の換算と見積もり工数の出し方
工数の計算の基本は「工数=人数×作業時間(または日数)」です。単位ごとの換算基準は次のとおりです。
| 単位 | 換算の基準 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 人時 | 1人が1時間働く量 | タスク単位の見積もり、数日〜数週間の作業 |
| 人日 | 1人が1日(8時間)働く量。1人日=8人時 | 数週間〜数カ月の作業、見積書の作成 |
| 人月 | 1人が1カ月(約20日×8時間=約160時間)働く量。1人月=約20人日 | 数カ月以上のプロジェクト、要員計画 |
※1カ月の稼働日数は企業の勤務カレンダーで変わります。見積もりでは1人月を160〜180時間とする例が一般的です。
工数の計算例
【図解】工数計算の3パターン
Excelで計算する場合は、人数・日数・1日の時間をそれぞれ別のセルに入れ、掛け算でまとめます。たとえばB2に人数、C2に日数、D2に1日の時間を入れておけば、「=B2*C2*D2」で人時が求められます。ただし、案件や担当者が増えるほど表の管理が難しくなります。その点はExcelとの違いで説明します。
見積もりの際は、会議や調整といった直接作業以外の時間も含めて余裕を持たせます。過去の実績を記録しておけば、次の見積もりで根拠のある数字を出せます。
工数管理ツールを導入する5つのメリット|原価管理から人員配置まで
- 正確な工数情報を取得し、原価の把握や利益率の分析・改善に活用できる
- プロジェクトの進捗を可視化できる
- 業務効率化により生産性が向上する
- 人員の最適配置を実現できる
- 顧客サービスレベルを向上できる
正確な工数情報を取得し、原価の把握や利益率の分析・改善に活用できる
各作業にかかった実際の工数を記録すれば、案件ごとの原価と利益率を正確に出せます。どの案件が儲かっているか、どの工程が非効率かが数字で分かり、次の見積もりや価格設定にも使えます。
【目安】時間あたりの人件費が4000円のメンバーが、案件Aに80時間、案件Bに20時間かけた場合、労務費はAが32万円、Bが8万円と算出できます。この数字に外注費や経費を加えれば、案件別の利益が見えます。
プロジェクトの進捗を可視化できる
多くのツールは、タスクの完了率や作業時間をダッシュボードで一覧できます。遅延や問題を早く見つけて、リーダーや関係者に即座に共有できます。
【目安】予定が100人時のタスクで、進捗が50%の時点で実績が60人時に達していれば、予定を超えるペースと判断できます。完成後ではなく、進行中に手を打てるのが利点です。
業務効率化により生産性が向上する
毎日の手入力や集計、レポート作成を自動化すれば、人為的なミスが減り、重複作業も省けます。時間外になりがちな工数の報告作業を大幅に短縮でき、従業員は本来の業務に集中できます。
集計に要する時間が、数時間から数分に短縮されるケースも多く報告されています。管理者も、進行状況をリアルタイムで把握できるようになります。
人員の最適配置を実現できる
各従業員の作業状況と負荷を把握できれば、スキルに合わせた配置を判断しやすくなります。たとえば特定のプロジェクトに負荷が偏っている従業員を見つけ、スキルと負荷を考慮して他のプロジェクトへ再配置する、といった対応が可能です。
【目安】月の所定労働時間が160時間のところ、実績が200時間なら、40時間(125%)の超過です。誰に、どの案件で偏っているかを特定できます。
顧客サービスレベルを向上できる
顧客対応にかかる時間を記録すれば、問い合わせへの担当者の割り当てや、問題解決の迅速化を進めやすくなります。リソース配分を見直せば、カスタマーフォローに必要な時間も確保できます。
対応の質が安定すれば、顧客満足度と企業への信頼が高まります。
関連予算策定を効率化するプロセス|手順と方法、予算管理との違い
工数管理をエクセルで行う限界|専用ツールとの違いと入力負担を減らす仕組み
工数管理でよく起きる課題と、Excel運用の限界、入力負担を減らす仕組みを順に説明します。
工数管理で企業が抱える課題、懸念点
工数管理では、入力の手間、システムの使い勝手、情報共有の遅れが課題になりがちです。
- 正確なデータの入力に手間がかかる
- システム・仕組みが複雑で、難しい・ツールが使われない
- リアルタイムで情報を把握・共有できない
正確なデータ入力の手間:手作業で工数を入力する運用では、ヒューマンエラーが避けられません。作業量が多いプロジェクトほど入力が負担になり、ミスも増えます。
システムの使い勝手:多機能でも操作が複雑なら、従業員のストレスになります。自社のワークフローに合わない仕様が多ければ、従業員に使われず、成果も生まれません。
リアルタイムでの情報共有の難しさ:リモートワークが広がり、進捗をリアルタイムで共有する必要性は高まっています。Excelなどの汎用ソフトで管理する企業からは、「できないことはない。しかし大きな問題が残り、根本の課題解消は難しい」という声がよく聞かれます。情報伝達の遅れやミスは、納期遅れや納品不備につながります。
導入を計画する際は、自社に「どんな問題があり、どう解消したいか、どんな成果を見込むか」を先にまとめておきましょう。
Excelと工数管理ツールの違いとは? ミス防止と効率性に差あり
プロジェクト管理にExcelを使う現場は多く、手慣れた表計算とテンプレート、関数やマクロで工数を集計・分析するのが一般的です。しかし、この方式には構造的な課題があります。
| 比較項目 | Excel(エクセル) | 工数管理ツール |
|---|---|---|
| 入力ミスの起きやすさ | 手入力が中心で、入力ミスや重複が起きやすい | 選択式の入力や自動計測で、ミスを減らせる |
| 同時編集 | 複数人の同時編集に制限があり、版管理が必要 | 複数人が同時に入力できる |
| 集計の手間 | 関数やマクロで集計。表の形式が崩れると手直しが必要 | 自動集計とレポート生成に対応 |
| 属人化リスク | 作成者が不在になると、仕組みが分かる人がいなくなる | 標準機能のため、引き継ぎしやすい |
| 原価計算 | 単価表との突合せを手作業で行う | 人件費の単価と連動して自動計算できる(製品による) |
| モバイル入力 | スマートフォンからの入力は操作しにくい | モバイル対応の製品なら外出先からも入力できる |
【図解】入力から分析までの流れの違い
専用ツールなら、工数の集計や分析レポートの生成が日常業務に組み込まれます。誤入力や集計ミスが減り、プロジェクトごとの労働時間と人件費も正確に把握できます。プロジェクト原価の試算や利益率の管理にも直結します。
プロジェクト管理の精度を高め、ミスのない運営を目指す企業にとって、専用ツールへの移行は理にかなった投資です。
併せてチェックエクセルで無料で実施する工数管理方法 エクセル管理の“限界”とは
関連工数管理ツールの比較ガイド|作業の手間を減らし、進捗や原価を見える化する方法とは?
工数入力の負担を軽減する仕組み
手作業の工数入力は時間がかかり、誤入力のリスクも高まります。従業員のストレスになり、生産性にも響くため、まず「入力のプロセス」を簡単にすることが重要です。
代表的なのが、業務時間を自動計測するタイムトラッキング機能です。毎日の作業時間を手入力する必要がなくなります。事前にテンプレートを設定しておけば、日々の入力もさらに簡素になります。入力が楽になれば、記録の精度と継続率も上がります。
【タイプ別】工数管理ツールの選び方|4タイプの違いと自社に合うのはどれか
工数管理ツールは、何と一体で提供されるかによって、大きく4タイプに分かれます。自社の目的に近いタイプから候補を絞ると、比較の手間を減らせます。ITセレクトに掲載する15製品を、製品情報に基づいて分類しました。
【図解】工数管理ツール4タイプの守備範囲(イメージ)
勤怠+工数
タスク・人員配置
案件別の損益
原価・予実
※各タイプの位置関係を示すイメージ図です(ITセレクト編集部作成)
| タイプ | 得意なこと | 向いている企業 | 代表的な製品 |
|---|---|---|---|
| 勤怠統合型 | 勤務時間と作業時間を一緒に記録し、差異を防ぐ | 勤怠と工数の二重入力をなくしたい企業 | TeamSpirit 工数、FC勤怠、manage |
| プロジェクト管理型 | タスク、スケジュール、人員配置の一体管理 | 複数案件を並行して進める組織 | PROEVER、Relay、asmana |
| ERP・PSA一体型 | 工数を見積・請求・会計とつなげ、案件別の損益を出す | プロジェクト型ビジネスで、損益まで管理したい企業 | Reforma PSA、クラウドERP ZAC、MA-EYES |
| 原価・生産管理型 | 製造・建設の原価や予実を軸に、工数を入力として使う | 個別受注生産や工事の原価を把握したい企業 | FactoryAdvance、どっと原価3、SpeedyNeo |
※一般にはプロジェクト管理対応型・工数管理特化型・勤怠統合型の3分類で語られます。本記事では掲載製品の実態に合わせて、ERP・PSA一体型と原価・生産管理型を分けています。
プロジェクト管理型
プロジェクト全体の進行状況を可視化し、スケジュールとリソース配分を管理するタイプです。進行の遅れを把握したら、特定のタスクや部門に追加のリソースを配分する、といった判断ができます。想定以上に工数がかかる作業が出ても、プロジェクトを横断して他のタスクへ人員を再配分できます。
ERP・PSA一体型/原価・生産管理型
工数の詳細な集計・分析から、案件別の原価や損益につなげるタイプです。タスクごとの時間を記録し、データを次の見積もりやスケジュール調整に反映します。ERP(統合基幹業務システム)・PSA(Professional Services Automation:業務やプロジェクト、リソース・人員、収支を一元管理するツール)一体型は営業から請求までの流れの中で、原価・生産管理型は製造や工事の原価計算の中で、工数を使います。
勤怠管理システムへの搭載/統合タイプ
勤怠管理システムに工数管理機能が搭載されているタイプです。工数と勤怠はどちらも労働時間に関わるため、勤怠と工数の情報を一元管理すれば、入力と集計の手間が減り、正確性も上がります。出勤情報と連動して、プロジェクトごとの工数も自動で集計でき、作業時間の過不足を早く把握できます。
関連予算策定を効率化するプロセス|手順と方法、予算管理との違い
工数管理ツール導入でよくある失敗と、定着させるための4つのポイント
工数管理ツールは、「導入したが現場が入力してくれない」という失敗が突出して多い領域です。起こりがちな失敗と、その対策を整理します。
| 起こりがちな失敗 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| ① 現場が入力を続けてくれない | 入力項目が多く、日々の業務とは別の作業になっている | 入力項目を絞り、タイムトラッキングやカレンダー連携など、入力が軽い製品を選ぶ。「何のために記録するか」を共有する |
| ② タスク管理ツールとの二重入力が発生する | 既存のタスク管理ツールや勤怠システムと、工数管理ツールがつながっていない | API連携や外部ツール連携の可否を、導入前に確認する |
| ③ 原価分析が上位プランやオプション限定で、想定コストを超える | 基本プランに収益性の分析や工数管理機能が含まれず、別料金で提供される | 見積もり時に「やりたい分析」が含まれるプランかを確認する |
| ④ 集めたデータを分析に活かせない | 目的が決まらないまま、記録だけが目的になっている | 見積もり精度の向上や、人員配置の見直しなど、使い道を先に決める |
① 現場が入力を続けてくれない
入力の手間が大きいと、記録が後回しになり、データの精度が下がります。ドラッグ&ドロップでの入力、スマートフォン対応、カレンダー連携といった、入力負荷を下げる仕組みの有無で選びましょう。
② タスク管理ツールとの二重入力が発生する
タスクの管理と工数の記録を別々のツールで行うと、同じ内容を二度入力することになります。ITセレクトの機能タグで「API統合」を挙げているのは、TeamSpirit 工数、PROEVER、Relayの3製品です。連携先が自社の使うツールに対応するかを、個別に確認してください。
③ 原価分析が上位プランやオプション限定で、想定コストを超える
たとえばRelayは、基本ライセンスとは別に、工数管理オプション(月5,000円・5ユーザーまで)を用意しています。Reforma PSAも、機能ライセンスごとに月額が変わります。「欲しい機能が基本料金に含まれるか」を、見積もり段階で必ず確認しましょう。
④ 集めたデータを分析に活かせない
データを集めるだけで終わらせず、分析結果を次回の見積もりやリソース配分に反映することが、定着のカギです。月次で振り返る場を設けると、入力する側にも意味が伝わります。
工数管理ツールの費用相場|1人あたり月額の目安と無料で使える範囲
工数管理ツールの課金は、1ユーザーごとの課金、ユーザー数無制限の定額、ERPなどモジュール単位の見積もりに分かれます。人数によって総額が大きく変わるため、自社の利用人数で月額を試算することが重要です。次の表は、ITセレクトの製品ページで確認できる金額(税別)をもとにまとめました。
| 課金体系 | 初期費用の目安 | 月額の目安 | 向いている規模 |
|---|---|---|---|
| 1ユーザー課金型 asmana、FC勤怠、manage |
0〜10000円 | 月400〜800円/人 (30人で月12000〜24000円) |
人数が増減しやすい、数十人規模の組織 |
| 最低人数つき課金型 TeamSpirit 工数 |
150000円 | 月18000円〜 (人数に応じて変動。最低50人・12カ月) |
50人以上で勤怠・経費と連携したい企業 |
| 定額・利用枠型 プロジェクト日報[PJ]、Relay、FactoryAdvance |
0〜500000円 | 月25000〜約54000円 (Relayは基本+オプションにサポート費20%を加えた額) |
利用者が多く、人数で課金されたくない企業 |
| ERP・PSA・予実管理型 Reforma PSA、MA-EYES、クラウドERP ZAC、Zaimo.ai FP&A |
0〜100000円〜 | 月30000〜160000円〜 (モジュール・人数で変動する下限額) |
工数を会計・請求まで含めて管理する企業 |
※金額は2026年10月時点のITセレクト製品ページの記載より。導入時の諸条件により変動する可能性もあります。詳細はコンシェルジュへの相談、ベンダー公式サイトなどで確認してください。
【図解】30人で使う場合の月額レンジ(円)
※1ユーザー課金型は人数単価×30人で算出。ERP・PSA・予実管理型は下限額(上限は見積もり次第)。TeamSpirit 工数は最低50人のため除く
無料で使える範囲は?
ITセレクトに掲載する15製品のうち、次の9製品は無料トライアルを用意しています。
- asmana(年払いプランは2カ月無料)
- FactoryAdvance
- MA-EYES
- manage
- PROEVER
- Reforma PSA
- Relay
- RobotERPツバイソ
- クラウドERP ZAC
無料トライアルを使うときは、次の5点を確認しておきましょう。
- 利用できる期間と、期間終了後の扱い
- 使える機能に制限がないか(原価分析など、有料プラン限定の機能の有無)
- 利用できる人数とプロジェクト数の上限
- 試用中に入力したデータを、本契約後に引き継げるか
- 本契約に移るときの条件(最低利用人数、最低利用期間)
工数管理ツールを選ぶ7つのチェックポイント
製品を比較するときは、次の7つの観点で確認します。
- 自社のニーズに合っているか
- 目的に沿った機能が実装されているか
- 工数の入力方式は、従業員が毎日使えるものか
- 工数管理と勤怠管理を連携できるか
- 複数プロジェクトに対応しているか
- コストは適切か(無料トライアルの有無を含む)
- 管理者がマネジメントしやすいか
1. 自社のニーズに合っているか
各企業で業務フローやプロジェクトの進め方は異なり、汎用的なシステムを入れるとかえって効率が下がる場合があります。たとえば製造業では生産ラインごとの詳細な工数管理が、IT企業ではプロジェクトごとのタスク管理が重視されます。組織の成長に合わせて拡張できる製品や料金プランかも、見ておきましょう。
確認する項目:自社の業種・規模・業務フローに、製品のタイプは合っているか。
2. 目的に沿った機能が実装されているか
自社の目的に合った機能があるかを確認します。プロジェクト管理機能が充実したツールなら、進捗管理やリソースの配置が容易です。基本的な工数計算しかできないツールでは、同じ目的には応えられません。原価や利益率の分析を目的とするなら、機能比較表で「予算管理とコスト分析」の有無を確認しましょう。
確認する項目:解決したい課題に必要な機能は、基本プランに含まれるか。
3. 工数の入力方式は、従業員が毎日使えるものか
工数の入力は、従業員にとっての使いやすさが定着を左右します。ドラッグ&ドロップで時間を入力できる画面、直感的なデザイン、PCに限らずスマートフォンでも使えるUIがあれば、負担を減らせます。スペックや価格だけでなく、現場が使いやすいかの視点を入れましょう。
確認する項目:実際の担当者が、トライアルで1週間続けて入力できたか。
4. 工数管理と勤怠管理を連携できるか
工数管理と勤怠管理を連携すれば、労働時間と作業時間のデータを一元管理でき、重複入力による人的ミスも防げます。入力した作業時間が勤怠と同期されると、給与計算とプロジェクト進捗の確認を一度に行えます。
確認する項目:現在使っている勤怠システムと連携できるか、または勤怠機能を内蔵するか。
5. 複数プロジェクトに対応しているか
多くの企業では、複数のプロジェクトが同時進行します。1つのシステムで全案件の工数を管理できれば、全体の進捗とリソース配分を一目で把握でき、リソースが集中しすぎている案件や遅れている案件を早く見つけられます。SlackやChatwork、OutlookやGoogleカレンダーなどと連携できる製品は、日々の入力もしやすくなります。
確認する項目:同時に走る案件数と、案件をまたいだ集計・比較に対応できるか。
6. コストは適切か(無料トライアルの有無を含む)
運用コストと得られるメリットのバランスを見ます。初期費用が無料で月額が高い製品と、初期費用がかかり月額が安い製品では、長期の総額が変わります。トレーニング費用やメンテナンス費用も含めて試算してください。無料プランや無料トライアルがあれば、自社の業務で操作感と機能を確かめられ、導入後の定着率も上がりやすくなります。料金の目安は比較早見表で確認できます。
確認する項目:自社の利用人数で、1年間の総額はいくらか。無料トライアルはあるか。
「無料トライアル」で探す無料トライアルを用意する「工数管理システム」おすすめ製品一覧
7. 管理者がマネジメントしやすいか
利用者の視点に加えて、管理者側の視点も見ておく必要があります。プロジェクトの状況を把握できなければ、意思決定が遅れ、トラブルにつながります。ダッシュボードで状況を一目で把握できる機能や、レポートの自動生成があれば、管理者の負担を減らせます。外出先から確認できるクラウド型も有用です。
確認する項目:管理者が毎週見る画面とレポートは、トライアルで確認できるか。
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よくある質問(FAQ)
工数管理ツールの導入検討において、ユーザーから多く寄せられる質問に回答します。
Q1. エクセルでの管理と比べてどのようなメリットがありますか。
クラウド型の専用ツールでは、複数人による同時入力やリアルタイムでの自動集計、グラフ化が容易です。エクセルのようなファイル破損や関数ミスのリスクがなく、蓄積されたデータの集計や分析もスムーズに行えます。
Q2. 社員が面倒がって入力してくれない場合の対策はありますか。
1クリックで計測開始できるストップウォッチ機能(業務の開始時と終了時にボタンを押すだけで、その作業時間をリアルタイムに記録する機能)や、カレンダー連携によるドラッグ&ドロップ入力など、入力負荷を下げる工夫のある機能を持つツールを選ぶことが有効です。まず「何のために記録するのか」という目的を社内で共有することも重要です。
Q3. プロジェクトごとの原価管理は可能ですか。
はい、多くの製品が対応しています。メンバーごとの人件費単価を設定することで、入力された工数に基づいて労務費を自動計算し、外注費や経費と合算してプロジェクト別の利益率をリアルタイムに算出できます。
Q4. 勤怠管理システムとは何が違うのですか。
勤怠管理は「出退勤の時間(労働時間)」を記録し、給与計算や法令遵守を確認するものです。一方、工数管理は「その時間内で何の業務をしたか(作業内訳)」を記録し、生産性や収支を管理するためのもので、目的が異なります。
Q5. 無料で使える工数管理ツールはありますか。
ITセレクトに掲載する15製品では、無料プランを用意する製品は確認できませんでした。asmana、FactoryAdvance、MA-EYES、manage、PROEVER、Reforma PSA、Relay、RobotERPツバイソ、クラウドERP ZACの9製品は、無料トライアルを用意しています。無料で使えるツールを探す場合は、「無料で使える工数管理ツール7選」もご覧ください。
Q6. スマートフォンから工数を入力できますか。
はい、対応する製品があります。ITセレクトの機能タグで「モバイルアクセス」を挙げているのは、TeamSpirit 工数、Relay、Reforma PSA、どっと原価3の4製品です。アプリ選びの観点は「工数管理アプリの選び方とおすすめソリューション」で解説しています。
Q7. 工数の計算はどのように行いますか。
基本は「工数=人数×作業時間(日数)」です。たとえば3人が20日稼働すれば60人日で、1人月を20人日とすると3人月に換算できます。1人月は約160〜180時間で見積もるのが一般的です。詳しい計算例は、本記事の「工数の計算方法」をご覧ください。
まとめ|工数管理ツールは「現場が入力を続けられるか」で選ぶ
工数管理ツールの成否は、機能の多さより、現場が入力を続けられるかどうかで決まります。入力が続けば、案件ごとの原価と利益率が見え、見積もりの精度や人員配置の判断も変わります。
- まず比較早見表で、自社に近いタイプと料金帯を絞り込む
- 勤怠システムとの連携、入力方式、API連携を、実際の担当者の目線で確認する
- 無料トライアルを使い、現場が1週間続けて入力できるかを試す
ITセレクトでは、おすすめ製品の資料を全て無料で一括請求いただけます。実際に機能を比較し、導入例や価格帯を把握することで、あなたの会社にとって最適なシステムを最短距離で選定できるようになります。

伊本 貴士 さん
NECソフト株式会社(現 NECソリューションイノベータ株式会社)、フューチャーアーキテクト株式会社を経て、メディアスケッチ株式会社を設立。企業のDX支援を主軸として、IoTデバイスやAI開発に関する戦略策定、研究開発支援、人材育成支援などを展開。また、地方自治体への支援にも積極的に取り組み、地方版IoT推進ラボメンターやふくい産業支援センターDX戦略アドバイザーなどを歴任。デジタル技術の伝道師として、フジテレビの『ホンマでっか!?TV』など、テレビやラジオなどの番組にも出演。全国各地でDX、AI、サイバーセキュリティに関する講演活動を行っている。
著書:
- ビジネスの構築から最新技術までを網羅 AIの教科書(日経BP)
- IoTの全てを網羅した決定版 IoTの教科書(日経BP)
Webサイト:




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