この特集のために9台のデジタル一眼レフ機を試用した率直な感想だが、悪い言い方をすれば、どれも似たり寄ったり。いい言い方をすれば、全体的にレベルが高く、オススメできない製品はない。数年前であれば、操作や画質にクセがあり、万人にはお勧めしがたい製品は確かにあった。最新のエントリー向けデジタル一眼レフ機の場合、どの製品も機能や操作性、画質の完成度が高く、それぞれ価格相応の満足感が得られるはずだ。
将来さらに優れた製品が出ることは間違いないが、現時点でのこの価格帯のデジタル一眼レフ機は粒ぞろいで、時期的にも今は買いである。
コストパフォーマンス重視なら「α200」か「EOS Kiss F」が、ライブビュー重視なら「α350」か「LUMIX DMC-L10」が、携帯性重視なら「E-420」が、携帯性を重視しつつ、手ブレ補正も求めるなら「E-520」が、手ブレ補正に加えて防じん防滴性を重視するなら「K200D」が、それぞれ選択の有力候補になるだろう。また、画質の安定感が高く、トータルバランスに優れるのは「EOS Kiss X2」、使い勝手が心地よく、機能と操作性がバランスよくまとまっているのは「D60」と感じた。
デザインの好き嫌いや、自分が感じるブランドイメージも含め、製品の全体を見て、どこか1点でも気に入ったポイントがあればそのカメラを、あるいは好きなポイントが多いカメラを選ぶのいちばんいい。投げやりな言い方をしているつもりはない。カメラは手に取って使う道具であり、愛着を持てることが何より大切だからだ。
私の場合は、個人的にライブビュー撮影が好きなので、α350とLUMIX DMC-L10の2台がお気に入りだ。ただどちらのライブビュー機能も、まだ完璧とはいえないので、近い将来にさらに優れたライブビュー対応機が出ることにも期待している。画質に関しては、これもまったくの個人的な意見だが、遠景のディテールまでをくっきり再現する精細な表現が好きなので、ワンランク上の画素数を持つα350とEOS Kiss X2に注目している。それぞれに解像感の高いレンズを付けて使ってみたいと思う。
ただ私は初心者ではない。表題のようにビギナーが初めて買うデジタル一眼レフとして、60歳を超える自分の両親に勧めるとすれば、価格が安いα200かな。
特集 初めて買うデジタル一眼レフ(5):独自機能が魅力を高める1台――ニコン「D60」、ペンタックス「K200D」、パナソニック「LUMIX DMC-L10」
特集 初めて買うデジタル一眼レフ(4):値ごろ感か快適AFライブビューか、魅力それぞれなソニー「α200」「α350」
特集 初めて買うデジタル一眼レフ(3):中級機を越える魅力を備えたエントリー機、キヤノン「EOS Kiss X2」「EOS Kiss F」
特集 初めて買うデジタル一眼レフ(2):小型ボディの魅力を堪能できるオリンパス「E-420」「E-520」
特集 初めて買うデジタル一眼レフ(1):デジタル一眼レフ、購入のチェックポイント
レビュー:小型軽量ボディに手ブレ補正機構を内蔵――オリンパス「E-520」
フォトレビュー:写真で見るEOS Kiss F
Kiss X2のうま味が詰まった初心者向けデジ一眼――キヤノン「EOS Kiss F」
より快適なライブビュー、手ブレ補正内蔵「E-520」
オリンパス「E-420」とパンケーキレンズの薄さを楽しむ
レビュー:さらに高機能に、さらに使いやすく――キヤノン「EOS Kiss X2」
レビュー:快適ライブビューで味わうツァイスの描写――ソニー「α350」
ISO 3200の高感度撮影可能なα100後継、「α200」
ニコン、ダストリダクション機能強化のエントリーデジ一眼「D60」
“K100D後継ではなく上位”――K10Dの技術受け継ぐデジ一眼「K200D」
キヤノン、ライブビュー搭載の新“キスデジ”「EOS Kiss X2」
フリーアングル液晶で撮影スタイルの常識を破る「DMC-L10」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR