ダビング機能はハイビジョンのままDVDメディアにもダビングできるAVCRECが特徴の1つ。便利な機能ではあるが、BDメディアの価格が下がってきており、コストメリットは薄くなりつつある。既存のDVDプレーヤーやPCでの再生もほとんどできない状況なので、BDメディアへのダビングが可能なDMR-BR500ではオマケ的機能と思っておいたほうが良いだろう。
ダビングは「おまかせダビング」と「詳細ダビング」の2つが準備されており、前者ではダビングしたい番組を選択するだけで光学メディアの種類や残量に合わせて自動で画質モードを変更してダビングしてくれる。光学メディアの初期化も自動だ。反面、ダビング中は予約録画を含め、ほかの機能は一切使えない。またダビングする順番は強制的に番組一覧の順番となり、選択した順にダビングすることもできない。分かりやすいが、相応にデメリットもある。
「詳細ダビング」では画質モードやダビングする番組の順番などは任意に指定が可能。ファイナライズを含まない高速ダビング中であれば予約録画も開始できるし、HDDの録画番組の再生や編集も可能だ。録画中はダビングを開始できないが、高速ダビング中だけでも予約録画が実行される点は安心感がある。
ダビング10対応ではHDD内での画質変換機能の対応、つまり画質モードを変換してのHDD内コピー(オリジナルのダビング可能回数が1回減る)が期待されたがこれは対応していない。画質モードの変換を実行すると、ダビング可能回数をそのままに画質変換を行うだけだ。ダビング10に関しては、単に光学メディアへのダビング回数が増えただけと思って良いだろう。
今回はシングルチューナーBDレコーダーの代表格となる2台の製品を取り上げた。どちらの製品もダブルチューナーの上位モデルとの共通点は多いが、単に「シングルチューナーのエントリーモデル」という枠だけでは評価できない個性を持っている。機能も使い勝手も、単純にどちらが良いという判断はできず、自分の利用スタイルや好みに合う方を選ぶことになるだろう。
BDZ-T50は、やはり自動録画機能と軽快な操作性が魅力。むろん自動録画機能はダブルチューナー機の方がメリットは大きくなるが、DMR-BR500にはない大きな魅力だ。既に自動録画機能を持たないレコーダーを所有している場合にも、ここ1番でBDに残したい番組の録画とザッピング的な録画用に買うなら、お手軽な価格は悪くないはず。反面、クセも強いので家族みんなで使うメインのレコーダーとしてはちょっと微妙な気がする。
DMR-BR500は、DIGAシリーズ全体にいえることだが総じて優等生。個人的には上位モデルより遅れて投入されたが、数カ月の間できちんと改良を加えてきたあたりも評価したい。シリーズ録画が中心で録画番組は週末にまとめて見るといった使い方なら大きな不満はでないはずだし、自動録画にこだわらなければ電子番組表のできも悪くない。そんなにヘビーに使わないけど、どうせ今買うならBDレコーダー、といった人には悪くないと思う。操作系に関してはまどろっこしい部分もあるが、万人向けという点ではBDZ-T50より優れているといっても構わないだろう。
一方、両製品ともi.LINKによるMPEG-2 TS入力が省かれているのは2台目需要としてはちょっと残念だ。マニアックな視点だが、i.LINKでのMPEG-2 TS出力をサポートするレコーダーを購入し、後々BDレコーダーにi.LINKダビングしてBDに残すといった使い方を考えている人も結構いるはずだ。上位モデルを買えば良いともいえるが、結構身の回りにはシングルチューナーで構わないからMPEG-2 TS入力対応の安いBDレコーダーを求める声は多い。
この点はBS/CSデジタル放送がSTBでしか受信できないデジタルCATVユーザーからも良く聞く。そもそも今後シングルチューナーの新製品が投入されるかどうかすらコスト面から見れば微妙なところもあるのだが(実質ハードウェア的にはチューナー1個分しか変わらない)、そういった需要もそこそこあることをメーカー側も考慮してくれると嬉しい。
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