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個性派コンパクトデジカメのススメバイヤーズガイド(1/2 ページ)

» 2008年10月21日 11時02分 公開
[ITmedia]

 秋の行楽や運動会といったイベントの撮影はもとより、日常的な風景として、デジタル一眼を首からさげた人を見ることは、もはや珍しいことではなくなった。用途に応じてレンズを交換でき、AFスピードも高速なデジタル一眼は撮影者の意図を写真に反映するには適したカメラであるし、価格も急速に低下した。

 エントリー向けボディに標準ズームレンズをセットしたレンズキットならば、実売価格10万円以下は当たり前。2本のズームレンズをセットしたいわゆるダブルズームキットすら、機種によっては10万円以下で購入できる。

 しかし、ここではあえてデジタル一眼ではなく、レンズ交換のできない、いわゆるコンパクトタイプのデジカメに注目したい。レンズ交換はできないので購入時点から望遠倍率や明るさといった光学性能を変えることはできないし、高級タイプとなれば価格面でエントリー向けデジタル一眼を上回ってしまうこともある。ただ、デジタルならではのメリットを一番享受できるのもコンパクトデジカメなのだ。

 最近では市場飽和の流れを受けてか、“小型軽量”だけをうたう製品は少なくなり、一眼レフタイプでは実現が困難な機能を搭載し、アピールする製品が増えている。望遠や高速連写はもとより、最近ではGPS搭載や「メイクする」カメラまで登場している。

 ここでは、そんな“一芸”を持つデジカメたちを紹介しよう。

個性それぞれ、コダワリコンパクト

 普段からデジタル一眼を使っていると、コンパクトデジカメを手にした際、あまりにもオート指向が強くてもどかしい思いをすることがある。確かにコンパクトデジカメのオート撮影機能は失敗写真の可能性を低くしてれるが、“ここはもう少しシャープに、ここはもう少し明るく/暗く”といった微妙なニュアンスを写真に込めたいときにはマニュアル撮影機能の充実した製品を選びたい。

 そんなときにお勧めなのが、ニコン「COOLPIX P6000」、キヤノン「PowerShot G10」、パナソニック「DMC-LX3」、リコー「GX200」「GR DIGITAL II」といった製品だ。いずれもデジタル一眼に劣らない充実したマニュアル撮影機能を備え、撮影者の意図を撮影に反映できる。

photophotophoto 「COOLPIX P6000」(写真=左)、「PowerShot G10」(写真=中)、「DMC-LX3」(写真=右)
photophoto 「GX200」(写真=左)、「GR DIGITAL II」(写真=右)

 それぞれの製品に搭載されているレンズにも注目だ。COOLPIX P6000は35ミリ換算28〜112ミリ、PowerShot G10は同28〜140ミリ、DMC-LX3は同24〜60ミリ、GX200は24〜72ミリのズームレンズを、GR DIGITAL IIは同28ミリの単焦点レンズを備える。

 倍率だけで言えばさほど特筆すべき数値ではないが、COOLPIX P6000がF2.7〜、PowerShot G10がF2.8〜の“、DMC-LX3がF2.0〜、GX200がF2.5〜、GR DIGITAL IIがF2.4〜という明るさを持つほか、COOLPIX P6000は“ズームニッコール”、DMC-LX3は“ライカ DC バリオ・ズミクロン”、GX200/GR DIGITAL IIは“GR”という定評あるブランドレンズを備えている。レンズの描写力にもこだわりたいというならば、ぜひ一度手にしてみるべきだろう。

photo 「DP1」

 あえて前段では列挙しなかったが、シグマ「DP1」も強烈な個性を持つ1台。同社一眼レフカメラ「SD14」にも搭載されている、異なる深さに配置された3つの層がそれぞれ青(B)、緑(G)、赤(R)の光を取り込む大型CMOSセンサー「FOVEON X3」をコンパクトサイズのボディに搭載。レンズには35ミリ換算28ミリ/F4の単焦点レンズを組み合わせる。レビューにもあるよう、じゃじゃ馬的な側面もあるが、カメラに個性が欲しいと考えるひとにはぜひとも検討して欲しい1台だ。なお、新画像処理エンジンを搭載した新型機「DP2」の開発表明も行われている。

高倍率で被写体を引き寄せる

 デジタル一眼では、最近では低価格化も進んだものの、それなりに値段の張る交換レンズを購入しないと実現しない超高倍率ズームは、以前からコンパクトタイプの得意とする機能だ。

 パナソニック「DMC-FZ28」は27〜486ミリの光学18倍ズームレンズ、オリンパス「SP-565UZ」は26〜520ミリの光学20倍ズームレンズ、キヤノン「PowerShot SX10 IS」は28〜560ミリの光学20倍ズームレンズ、カシオ計算機「EX-FH20」は26〜520ミリの光学20倍ズームレンズ、ニコン「COOLPIX P80」は27〜486ミリの光学18倍ズームレンズをそれぞれ搭載する(焦点距離はいずれも35ミリ換算)。コンパクトと呼ぶにはやや大柄なボディサイズだが、一眼+望遠レンズよりは大幅に身軽。カバンにすんなり収まるボディに搭載した強烈な高倍率ズームレンズで、遠方の被写体を手元へ引き寄せることが可能だ。

photophoto 「DMC-FZ28」(写真=左)、「SP-565UZ」(写真=右)
photophotophoto 「PowerShot SX10 IS」(写真=左)、「DSC-H10」(写真=中)、「COOLPIX P80」(写真=右)

 そこまでの高倍率は欲しくないけど……という向きには、ソニー「DSC-H10」という選択肢もある。レンズは38〜380ミリの光学10倍ズームと前述した機種に比べると控えめだが、クラシカルな雰囲気のボックス型ボディは高倍率ズーム機としては厚みが抑えられており(サイズは106×68.5×48.9/幅×高さ×奥行き)、携帯性も備えている。

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