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アンジェリーナ・ジョリー主演のサスペンス・ドラマ「チェンジリング」が7月17日にBlu-ray Disc化。特典はキャストやスタッフが語る製作秘話、アンジェリーナ・ジョリー:クリスティン役へのアプローチ、マイ・シーンズのほか、「U-CONTROL」メニューを備え、Los Angeles:Then and Nowやピクチャー・イン・ピクチャー、Archivesなどのコンテンツも収録する。
1928年のロサンゼルス郊外。9歳のひとり息子ウォルターを育てながら電話会社で働くシングルマザーのクリスティン・コリンズ。ある日、休暇を返上してウォルターを家に残したまま出勤するハメに。
そして夕方。彼女が急いで帰宅すると、ウォルターは姿を消していた。誘拐か家出かもわからず、必死で行方を探すクリスティン。それから5カ月後、ロサンゼルス警察から「イリノイ州で息子さんを発見した」との知らせが届く。ロス市警の過度な演出によって報道陣がつめかける中、我が子を駅に迎えに行くクリスティン。しかし、彼女の前に現れた息子は、まったくの別人だった……。
これほど理不尽な事件が実話だとは驚き。実の母親が「自分の息子じゃない」と主張しているのに、警察の圧力によって事実がゆがめられ、さらに精神病院に強制入院させられてしまうのだから、当時の警察の腐敗ぶりと横暴ぶりにはあきれるばかり。
私生活でも子沢山で母性が強そうなアンジェリーナ・ジョリーだが、不屈のシングルマザーを熱演し、まさに当り役といえる。「ウォンテッド」あたりから激ヤセぶりが気になっていたが、今回は真に迫って見える。アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされた。
監督はクリント・イーストウッド。本作といい、主演を兼ねた「グラン・トリノ」といい、近年のイーストウッドの仕事ぶりは老いてますます絶好調のように思える。わずかな希望にかける母親の思いの強さと希望をメインに、ミステリアスな展開でグイグイとラストまで引っ張り、その先にはアメリカ社会の闇も見え隠れする。映画としての完成度に圧倒される傑作。劇場で見逃した人はBDでぜひ見てほしい。
関連サイト:http://www.changeling.jp/(公式サイト)
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