ではパッシブスピーカーのELEC「BS52.2」で試聴しよう。
うん。骨子がしっかりしており、力強さを感じるサウンド感だ。音のヌケもよいため、音楽がとても元気に、いつもよりも躍動的に感じる。特に低音域の駆動力の高さがすばらしい。
この鳴りっぷりのよさは大いにほめたい。解像度感が高く、それでいてボリューム感もたっぷりあるバスドラやベースの力強い音が演奏をより印象的にしてくれ、グルーブ感も高めてくれる。小型なサイズからは想像できないような、ダイナミックなサウンドをスピーカーに奏でさせる、なかなか優秀な仕上がりだ。
ではもう1つ、筆者宅の大型モニタースピーカーとするパイオニアのTAD(TD-4001ホーンドライバと40センチTL-1601bウーファーの2ウェイシステム)にも接続してみたが、この大型システムにおいても、勢いのあるノリのよいサウンドが変わらず聴けた。このシステムで普段使用するヤマハのデュアルモノラルパワーアンプ「101M」と比べると、もちろん解像度感やダイナミックレンジの幅、表現階調など、少なからずクオリティ面で差は出るが、少なくともウーファーユニットがきちんと動ききった点については高く評価したい。
このようにTA-10は、そのコンパクトなサイズと、実売2万円台とする価格帯の製品からは想像しにくい「鳴りっぷりのよさ」(パワーアンプなので、鳴らせっぷりのよさと言うほうがよいかもしれない)が最大の魅力だ。真空管アンプ PA-10とセットで使うのはもちろん、単体のパワーアンプとしてもかなり魅力的な製品である。
音質評価 | |
---|---|
解像度感 | (粗い−−○−−きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−−−○−ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−○−−−フラット) |
音色傾向 | (迫力重視−○−−−質感重視) |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR