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iPodが“いつもより躍動的な音”になる卓上デジタルアンプ──Trends Audio「TA-10」野村ケンジのぶらんにゅ〜PCオーディオ Review(2/2 ページ)

» 2012年03月06日 17時00分 公開
[ITmedia]
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「鳴りっぷりのよさ」、特に低音域の駆動力の高さが良好

photo デザインのトーンが同じ真空管ヘッドフォンアンプ「PA-10」と組み合わせて使うのもよい

 ではパッシブスピーカーのELEC「BS52.2」で試聴しよう。

 うん。骨子がしっかりしており、力強さを感じるサウンド感だ。音のヌケもよいため、音楽がとても元気に、いつもよりも躍動的に感じる。特に低音域の駆動力の高さがすばらしい。

 この鳴りっぷりのよさは大いにほめたい。解像度感が高く、それでいてボリューム感もたっぷりあるバスドラやベースの力強い音が演奏をより印象的にしてくれ、グルーブ感も高めてくれる。小型なサイズからは想像できないような、ダイナミックなサウンドをスピーカーに奏でさせる、なかなか優秀な仕上がりだ。

 ではもう1つ、筆者宅の大型モニタースピーカーとするパイオニアのTAD(TD-4001ホーンドライバと40センチTL-1601bウーファーの2ウェイシステム)にも接続してみたが、この大型システムにおいても、勢いのあるノリのよいサウンドが変わらず聴けた。このシステムで普段使用するヤマハのデュアルモノラルパワーアンプ「101M」と比べると、もちろん解像度感やダイナミックレンジの幅、表現階調など、少なからずクオリティ面で差は出るが、少なくともウーファーユニットがきちんと動ききった点については高く評価したい。


photo 筆者宅の大型モニタースピーカーシステム

 このようにTA-10は、そのコンパクトなサイズと、実売2万円台とする価格帯の製品からは想像しにくい「鳴りっぷりのよさ」(パワーアンプなので、鳴らせっぷりのよさと言うほうがよいかもしれない)が最大の魅力だ。真空管アンプ PA-10とセットで使うのはもちろん、単体のパワーアンプとしてもかなり魅力的な製品である。

photophoto 本連載で使用する、ブックシェルフスピーカーのELAC「BS52.2」とモニターヘッドフォンのAKG「Q701」
音質評価  
解像度感 (粗い−−○−−きめ細かい)
空間表現 (ナロー−−−○−ワイド)
帯域バランス (低域強調−○−−−フラット)
音色傾向 (迫力重視−○−−−質感重視)



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