もう1つ、試用中に偶然分かったのが、「MobileLite Wireless」から読み出すと、CD(44.1kHz/24bit)を超える音質のハイレゾ音源もiPhoneで再生できること。通常、MacやPCの「iTunes」から96kHz/24bitのWAVファイルなどをiPhoneに転送しようとしても、同期中に「iTunesライブラリの一部の項目はiPhoneで再生できないため、コピーされませんでした」とはねられてしまう。iPhoneの内蔵DACは48kHzまでしか対応していないので、当然といえば当然だ(一部アプリは別途アプリ内同期機能を持つ)。
しかし、同じファイルを保存したUSBメモリーやSDカードを「MobileLite Wireless」に挿入し、「MobileLite」アプリで選択すると、96kHz/24bitどころか、192kHz/24bitのWAVもiPhoneで再生できた。もちろん音声出力は48kHzになっているはずで、ハイレゾ音源の魅力をすべて堪能できるわけではない。しかし、フォーマット変換などを行わず、購入した音源ファイルをそのままiPhoneで再生できるメリットはある。
最近では、PCで購入したハイレゾ音源をUSBメモリなどに保存し、対応するAVアンプなどで再生している人も多い。そのUSBメモリを、そのままiPhoneでも使えるのなら利用シーンは広がるはずだ。また、仮にハイレゾ音源をiPhone単体で再生できたとしても、情報量の多いハイレゾ音源は内蔵メモリをかなり圧迫してしまう。外部ストレージが利用できるからこそ、うれしい機能といえるだろう。
実際、スマホやタブレットの本体メモリ容量は購入時の端末価格に影響するため、不足気味になることが多い。しかし「MobileLite Wireless」なら大容量のSDカードやUSBメモリーも活用できる。例えばSDカード(SDXC)であれば128Gバイト、USBメモリーであれば512Gバイトが市販されている。
そして内蔵メモリと決定的に異なるのは、SDカードやUSBメモリーを付け替えることで、いくらでも容量を増やせること。ハイレゾ音源に限らず、ドラマの1シーズン、アニメの1クールを丸ごとUSBメモリーに入れて持ち歩くことも可能だ。
大容量のストレージがあると、スマートフォンやタブレットの活用の幅も広がる。例えば年末年始の帰省シーズンに多い、自動車での長距離移動。子どもたちにはスマホやタブレットを持たせ、「MobileLite Wireless」でそれぞれ見たい動画を見せておけばお父さんは運転に集中できる。またビジネスシーンでも最近はタブレットをポータブルのプレゼン機材として活用しているケースが多い。タブレットへのファイル転送の手間を省き、容量の大きい動画でも持ち歩ける「MobileLite Wireless」があれば、きっとプレゼンに説得力をプラスしてくれる。
「MobileLite Wireless」は、インターネット接続のブリッジ機能や3ストリームの同時送出、非常用バッテリーになる点など、単なるワイヤレスカードリーダーを超えた機能を持っている。また、正式サポート外の使い方にはなるが、ハイレゾ音源を持ち歩き、iPhoneで楽しむことも可能だ。これ1つで、iPhoneユーザーが持っている不満はかなりの部分が解消できて、しかもプラスαの使い方ができるユニークな製品といえるだろう。ワイヤレスカードリーダーやモバイルバッテリーの購入を検討している人は、候補に加えることをオススメしたい。
製品名 | MobileLite Wireless |
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使用できるストレージ | USBメモリー、SDメモリーカード(SDHC/SDXC含む)、microSD(アダプター付属) |
ファイルシステム | FAT、FAT32、NTFS、exFAT |
無線LAN | IEEE 802.11g/n |
セキュリティ | WPA2 |
バッテリー | リチウムポリマーバッテリー、1800mAh(連続約5時間使用可)、3.7ボルト |
対応端末 | iPad、iPad mini、iPhone 3G以降(いずれもiOS 5.1以降)、iPod touch、Kindle Fire、Kindle Fire HD、Android 2.3以降 |
サイズ | 124.8(幅)×59.9(奥行き)×17.3(高さ)ミリ |
重量 | 98グラム |
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