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11.2MHzのDSDと384kHz/32bitのPCM再生に対応! デノンのSACDプレーヤー「DCD-SX11」USB DAC内蔵

» 2015年09月01日 11時00分 公開
[ITmedia]

 デノンは9月1日、SACDプレーヤー「DCD-SX11」を発表した。2013年8月21日に発表したフラグシップモデル「DCD-SX1」をベースにしているが、アッパーミドルクラスという位置付けだ。新たに11.2MHzのDSD再生と384kHz/32bitのPCM再生に対応する。価格はオープンで、実売想定価格は36万円(税別)。10月中旬に発売する。

photo デノンのSACDプレーヤー「DCD-SX11」

 同日発表したプリメインアンプ「PMA-SX11」と合わせて利用可能。両モデルともに福島県の白河工場で熟練工が製造しており、デノン担当者は「SX1をベースにしているが、中身は大幅に進化した。繊細な音や空気感を味わってほしい」と話す。

photo 内部構造

 ビット拡張&データ補完技術の「Advanced AL32 Processing」や「DACマスター・クロック・デザイン」を始め、ドライブメカ、USB-DACなど内部構造はほぼ新規に開発した。新世代のUSB-DAC制御デバイスを搭載し、11.2MHzまでのDSDと384kHz/32bitまでのPCM入力信号に対応する。ASIOドライバーによるネイティブ再生とDoP(DSD over PCM Frames)もサポート。PCのクロックを使用せず、本機のマスタークロックで制御することでジッターフリーを実現した。PCからのノイズをカットするため、信号ラインをアイソレーターで遮断する機能も引き続き搭載する。

photo 11.2MHzまでのDSDと384kHz/32bitまでのPCM入力信号に対応する

 「Advanced AL32 Processing」は、384kHz/32bitまでのPCM入力に対応した「Advanced AL32 Processing Plus」に進化。44.1kHzを16倍、192kHzを4倍、384kHzを2倍にオーバーサンプリングすることで、より滑らかな波形を再現する。

 新開発のドライブメカは、ステンレスと銅板を組み合わせて剛性を強化したトップパネル、アルミダイカストトレイ、厚さ1.6ミリのスチールメカベースなどを搭載し、制振性の向上と共振点の分散化を図った。メカは低重心設計でシャーシは4層構造を採用。内外部からの振動に強い構造となる。

photo ドライブメカも新開発

 DAC部は、DACをマスターとして周辺回路にクロック供給することで、デジタル回路を高精度に動作させる「DACマスター・クロック・デザイン」をブラッシュアップした。位相雑音を大幅に削減する新開発のクロック発振器「Dual Clock」は、値が高いほど雑音を下げるという水晶原石Q値を180万から300万まで引き上げた。44.1kHz/48kHzと音源のサンプリング周波数別にクロック供給を切り替えられる。通常クロックケースに内蔵するセラミックコンデンサーを外付けの超小型フィルムコンデンサーに置き換え、クリアで澄み渡る空間表現とS/N比の向上を実現したという。

photo 「DACマスター・クロック・デザイン」をブラッシュアップした

 アナログオーディオ回路の電源部は、デノンオリジナルの「大容量ブロックコンデンサー」や「高音質電解コンデンサー」、新開発の「メタライズド・フィルム・コンデンサー」など、部品メーカーと共同開発したカスタムパーツを搭載。クリーンかつ安定した電源供給で、エネルギー感と緻密さを両立したとしている。

photo 部品メーカーと共同開発したカスタムパーツを搭載する

 USB(Type B)のほか、背面にUSB(Type A)を装備。そのほか、光/同軸それぞれ1系統のデジタル入力端子を備える。音声出力は、バランス、アンバランス(コンポジット)、光デジタル、同軸デジタルが各1系統。バランス出力端子は3ピン構造で、3番HOTと2番HOTを切り替えられる。

photo 背面のインタフェース
photo 付属のリモコンと特徴的な各パーツ

 本体サイズは434(幅)×137(奥行き)×404(高さ)ミリ、重量は21.4キロ。アルミ製の専用リモコン、音声ケーブル、電源ケーブルなどが付属する。

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