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エントリー機でもDolby AtmosやDTS:Xに対応! デノンがAVアンプ2製品を発売そろそろ買い時?

» 2015年07月07日 10時00分 公開
[ITmedia]

 D&Mホールディングスは7月7日、デノンブランドのAVアンプ新製品として「AVR-X2200W」および「AVR-X1200W」を発表した。エントリー機でありながらDolby Atmosをサポートし、さらにファームウェアアップデートによりDTS:Xにも対応する予定だ。価格は「AVR-X1200W」が5万7500円、「AVR-X2200W」は8万5000円(いずれも税別)。8月下旬に発売する。

奥が「AVR-X2200W」、手前は「AVR-X1200W」

 「Dolby Atmos」(ドルビーアトモス)は、音をオブジェクトとして扱い、AVアンプ側でレンダリングを行うことで正確な音像定位を実現したサラウンドフォーマット。さらに天井スピーカーを利用することで、垂直方向を含めた任意の位置に音を再配置する。ただし、レンダリング処理の重さなどから、これまでは10万円前後の上位モデルでの採用に止まっていた。


シーラスロジックのクアッドコアDSPを採用

 デノンによると、税別6万円を切る価格でDolby Atmos対応を実現できた理由は、シーラスロジックからクアッドコアのDSPが登場したため。「DSPは電気を食い、発熱も多い。コストをかけて熱対策を行ってる上位モデルなら問題はないが、エントリー機では相応のケアが必要になる。しかしクアッドコアのDSPが登場したことで、(プロセスルールの微細化により)発熱を抑えつつ、昨年の上位モデルに使用している4枚のDSPとほぼ同等の処理能力を実現できた」。

クアッドコアのDSP

 Dolby Atmosのスピーカーアサインは5.1.2の5パターンを用意。同社は「ドルビーイネーブルドスピーカー」の製品を持っていないが、エントリー機の市場性を考慮してトップスピーカー(天井スピーカー)やフロントハイトを使うパターンのほか、ドルビーイネーブルドスピーカーを使用する2パターンを用意している。

5パターンのスピーカーセッティング

 また自動音場設定技術「Audyssey MultEQ XT」も進化。「昨年のモデルは天井高を1.8メートルの固定設定でディレイタイムを計測していたが、今年は0.9〜3.3メートルの間で入力できるようになった。付属の紙製マイクスタンドと合わせ、より正確な環境設定が可能になっている」という。

天井高を0.9〜3.3メートルの間で入力できるようになった

紙製マイクスタンドは昨年のモデルから付属するようになった。実際の計測では「カメラ三脚に匹敵する正確さを実現した」という

HDMIまわりも不足なし

 4K対応の次世代Blu-ray Disc「ULTRA HD BLU-RAY」登場を前に、HDMI入力も強化している。両モデルはHDMI入力端子の数は異なるが、どちらも全入力端子で4K/60p(前面HDMI入力のみ4:2:0となるが、背面はすべて4:4:4対応)までの入力とHDCP2.2をサポート。またBT.2020やHDRのコンテンツもフラグを維持したままパススルーが行える。HDMI入力は、「AVR-X2200W」が8入力1出力、「AVR-X1200W」は6入力1出力となっている。

4K/60pとHDCP2.2に全端子が対応。さらにBT.2020やHDRのパススルーも可能だ

 ネットワーク関連機能も強化。新たにIEEE 802.11n(2.4GHzのみ)をサポートし、背面にはダイバーシティアンテナを備えたことで、より安定した通信が行えるようになった。もちろんAirPlayやインターネットラジオ、DLNA対応のネットワークオーディオ機能を搭載。内蔵DACはバーブラウンの「PCM1690」で、最大192kHz/24bitのPCM音源(AIFF、WAV、FLAC)やDSD 2.8MHz(2ch)の再生が可能だ。

 USB端子からのハイレゾ再生も可能。DSDやFLAC、ALAC、WAVなどネットワークオーディオ再生とほぼ同等のフォーマットをサポートした。一方でiPod/iPhoneとのデジタル接続にも対応しており、端末を充電しながら楽曲再生が行える。

「AVR-X1200W」のフロントパネル

 Bluetooth接続では、AVアンプのリモコンで再生操作が可能。再生/一時停止はもちろん、前曲/次曲スキップ、早送り/早戻しといった操作が行える。A2DP接続時のコーデックはSBC/AAC。もちろんマルチペアリングもサポートする。

 もう1つの新機能は、内蔵FM/AMラジオチューナーがFM補完放送対応のワイドバンド化を果たしたこと。「AM局の放送も良い音で楽しめる」(同社)。このほか、テレビ画面を使って機器やスピーカーの接続方法を詳しく解説する「セットアップアシスタント」機能、接続しやすい横一列配置のスピーカーターミナルなど、使い勝手にも注力した。

パワーアンプはディスクリート

 なお、両モデルの違いは、パワーアンプ出力とHDMI入力の数に加え、「AVR-X2200W」のみビデオアップスケール回路を搭載していること。またパワーアンプ初段の差動増幅段に特性のそろった2つのトランジスタを内包した「デュアル・トランジスタ」の採用、ローム製ボリュームの採用などが挙げられる。本体サイズも一回り大きい。

機能比較

「AVR-X1200W」

「AVR-X2200W」

製品型番 AVR-X2200W AVR-X1200W
内蔵アンプ 最大出力185ワット×7 最大出力175ワット×7
HDMI端子 8入力1出力 6入力1出力
ビデオアップスケール なし
無線LAN IEEE 802.11b/g/n(2.4GHz)
外形寸法 434(幅)×167(高さ)×339(奥行き)ミリ 434(幅)×151(高さ)×339(奥行き)ミリ
重量 9.4キログラム 8.5キログラム
価格 8万5000円(税別) 5万7500円(税別)
発売時期 8月下旬

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