試作機の映像は、7000nitのパワーディスプレイに比べればインパクトは小さいものの、画質の向上は一目瞭然(りょうぜん)。例えばネオン街の映像では、それぞれの看板に存在感を感じる自然な立体感を持ち、看板の色も今までのテレビで見ていた色あせたような印象ではなく、内側から光っていることを想像させるクオリティー。記憶の中にあるネオン街の輝きにぴったりとはまったことに驚かされた。
この次期ハイエンドレグザはUHD Blu-ray DIscのHDR10(ST.2084)をサポートし、信号としては1万nitにおよぶダイナミックレンジの情報を受け取ることになる。「すべて出そうとすると暗くなりすぎておいしい所が出にくい。1000nitオーバーのテレビでは、“どこを使うか”がノウハウになる。うまく引き出せるようにチューニングを進めたい」と話していた。
もう1つ注目したいのは「7000nit HDRパワーディスプレイシステム」のデモで使われた“疑似HDR化技術”も次世代レグザに採用される見通しであることだ。HDR対応コンテンツの登場はまだしばらく待たなければならないが、新しいレグザなら手持ちのBlu-ray Discやネット動画で一足先にHDRの効果を楽しめるかもしれない。
スピーカーにもユニークな試みが入った。同社はオプションの外付けスピーカーシステム「レグザサウンドシステム」をテレビ内蔵のスピーカーと連携動作させる仕組みを開発中だ。
テレビ側にはフルレンジユニットのほかに薄型のツィーターを新たに搭載しており、レグザサウンドシステムをHDMI接続(ARC)したとき、このツィーターのみをシンクロ動作させる仕組みだ。そのために音量を同期させる制御技術やタイムアライメント整合技術、リップシンク制御技術などを開発したという。
「大画面できれいなテレビ見るとき、スピーカーは存在を意識させないことがキーになる。テレビのスピーカーと外付けのスピーカーを1つのシステムとして考えれば、省スペースで迫力の音が実現できる」(同社)。
さまざまな新しい試みでテレビの本質を見直した次期レグザ。正式発表はもう少し後になるが、この秋冬商戦に投入される予定だ。
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