パナソニックは4月11日、ハイレゾ対応の一体型オーディオシステム「SC-RS75/RS55」を発表した。ハイレゾ音源再生に加え、CDやラジオも楽しめるコンパクトシステム。リビングルームに設置することを想定し、市販のリビング家具を研究して本体サイズを決めたという。
パナソニックは、ミニコンポスタイルで本格的なハイレゾ再生が行える「PMXシリーズ」やスタイリッシュな「HCシリーズ」を販売しているが、音質とともにデザインにもこだわるユーザー層をターゲットにした製品が手薄だったという。そこで今回は、音質とデザインの両面に注力したハイレゾ対応ミニコンを投入し、ターゲット層の拡大を図る。
まずスピーカーについては、竹繊維をナノサイズに微細化した同社お得意の「ナノバンブー」コーンを使用した65mmミッドレンジと、5万Hzまでの高域再生が可能な25mmドーム型ツイーターを組み合わせた2Way構成。コンパクトなボディーでは不足しがちな低域(キャビネット容量不足)は、全長315mmのロングポートを波状に折りたたんで収めた「ツイステッドポート」で補い、再生周波数帯域は42〜5万Hzを実現したという。またアンプには、上位機「SC-PMX100」にも採用された独自のデジタルアンプ「LincsD-Amp III」を採用。サンプリングレートコンバーターの制御アルゴリズムを一新するなどして、さらにジッターを抑えている。
あえてロングポートを折りたたんだ「ツイステッドポート」を採用したのは、リビング家具にぴったり合うサイズを目指したためだ。RSシリーズの外形寸法は、450(幅)×245(奥行き)×107(高さ)mmとなっているが、同社によると「245mmという奥行きは、IKEA、ニトリ、nissenという主要家具メーカー3社のリビングラック計72製品を徹底的に調べ、余裕を持って収まるように導き出した数字。また107mmという高さは、CDジャケットを立てて並べたときにすっきり見えるサイズだ」という。前面中央にCDドライブを配置し、両端にスピーカーを設けたシンメトリックでミニマムな外観を、同社は「フラットホルンデザイン」と名付けた。
もう1つの特徴が、上面の手前に並ぶ5つの「お気に入り」ボタン。ユーザーが頻繁に利用するラジオ局や楽曲フォルダーを登録しておくと簡単に呼び出せるショートカットのようなもの。「ラジオモード」と「デジタル5チェンジャーモード」の2モードがあり、ラジオモードではお気に入りのラジオ局を5局まで登録できる。
一方の「デジタル5チェンジャーモード」は、CDチェンジャーの使い勝手を今風にアレンジした機能だ。内蔵の4GバイトメモリにCDドライブからアルバム5枚をリッピングしておくことで、CDを入れ替える手間なく5枚のCDをいつでも楽しめるのがポイント。「フラッシュメモリに取り込んでおけば、再生中に(振動などの)影響を受けにくくなり、CD再生時より音質面のメリットもある」(同社)という。なお、CD取り込み時のフォーマットは非圧縮のWAV(HQ1-CDモード)と320kbpsのMP3(MULTI-CDモード)から選択できるため、音質重視ならHQ1-CDモード(アルバム5枚程度)、枚数重視ならMULTI-CDモード(アルバム25枚分)を選択すればいい。
このほか、両機種ともBluetooth v2.1をサポートしており、対応するスマートフォンなどから楽曲のワイヤレス再生も可能だ。音楽再生時(A2DP接続時)のコーデックはSBCのみ。SCMS-T方式のコンテンツ保護に対応しているため、スマートフォンで視聴しているワンセグ放送の音声などもスピーカーから出すことができる。
上位モデルの「SC-RS75」だけの機能として、ハイレゾ音源のネットワーク再生を可能にする「サウンドジャンプLink」が挙げられる。LAN端子およびWi-Fi(IEEE 802.11a/b/g/n)を内蔵しており、同社製Blu-ray Discレコーダー「DIGA」(ディーガ)に保存してあるハイレゾ音源をネットワーク経由で再生できる。対応フォーマットは最大192kHz/24bitのリニアPCM(WAV、FLAC)およびMP3、AIFF、AAC。スマートフォン/タブレット用のアプリ「Panasonic Music Streaming」から操作する。
RSシリーズ2機種の発売日は5月20日。価格はオープンプライスだが、店頭では上位モデルの「SC-RS75」が5万円前後、ネットワーク再生機能を省いたスタンダードモデル「SC-RS55」は3万6000円前後になる見込みだ。どちらも専用リモコンおよびFM簡易アンテナ、AMループアンテナなどが付属する。
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