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ヤマハのDSP 30周年を記念した新音場プログラムが登場――AVアンプ“AVENTAGE”が第6世代に

» 2016年07月22日 15時17分 公開
[ITmedia]

 ヤマハは7月22日、ハイグレードAVアンプ“AVENTAGE”(アベンタージュ)の新製品3機種を発表した。高剛性シャーシを用いたハイグレードラインの第6世代機。いずれもDolby AtmosやDTS:Xといった最新フォーマットをサポートした。8月上旬から順次発売する予定だ。

AVENTAGEシリーズは第6世代に
型番 概要 カラー 価格(税別) 発売時期
RX-A1060 7.1ch チタン、ブラック 14万円 8月上旬
RX-A2060 9.2ch チタン 20万円 8月上旬
RX-A3060 9.2ch(11chまで拡張可能) チタン、ブラック 27万円 9月上旬

 まず3機種共通のアップデートとして、4K映像への対応を強化している。HDMI端子はすべて8入力/2出力だが、このうちフロント入力端子を除く7入力/2出力が4K/60P(YCbCr 4:4:4)やHDR、BT.2020伝送をサポートしている。もちろん著作権保護技術のHDCP2.2にも対応し、Ultra HD Blu-rayなど複数の4Kプレミアムコンテンツを活用できる仕様になった。

 ハイレゾ音源は、WAV、FLAC、AIFFが最大192kHz/24bit、ALACは96kHz/24bit、DSDは5.6MHzまでUSB端子とネットワーク経由の両方で再生可能。DSDは「ダイレクト再生」を選ぶことでPCM変換を伴わないネイティブ再生となる。またDSD以外の音源を再生する場合にはギャップレス再生にも対応する。

「RX-A1060」はチタンとブラックの2色

 「RX-A1060」は、1チャンネルあたり定格130W出力のパワーアンプを7つ搭載した7.1ch対応モデルだ。新たに上記のDSD 5.6MHzのダイレクト再生が可能になったほか、radiko.jpの対応も強化。エリアフリー聴取の「radiko.jo プレミアム」(有料サービス)が利用できる。アカウント設定には、ヤマハ製アプリの「MusicCastCONTROLLER」を使用する。

「RX-A2060」はチタンのみ

 「RX-A2060」は、1チャンネルあたり定格190Wのパワーアンプを9つ内蔵する9.2ch対応モデル。Dolby AtomosやDTS:Xは、5.1.4ch、7.1.2chなどのスピーカー構成で再生できるが、新たに5.1.2chとしてフロントスピーカーのみをバイアンプ駆動するといった使い方もできるようになった。

 このほか、DSD 5.6MHzまでのネイティブ再生やradiko.jpプレミアム対応に加え、自動音場設定機能の「YPAO」が水平角度測定と3D測定に対応するなどのアップデートが行われている。

セパレート式の機能を投入した「RX-A3060」

 「RX-A3060」は、最大11chまで拡張できる9.2chモデル(各チャンネル定格200W)。同社のセパレートAVアンプ「CXシリーズ」の機能を多く投入した点が特徴で、新たにウルトラロージッターPLLモードを追加してS/N比とひずみ率を改善したほか、独自のDSPデバイスを3基に拡張、YPAOは「CX-A5100」と同じ64bit処理の「YPAO プレシジョンEQ」に進化している。ただし、DACへの出力は24bitになるため「CX-A5100と完全に同じではない」(ヤマハ)という。もちろんradiko.jo プレミアムにも対応した。

「RX-A3060」にもチタンとブラックの2色が用意される

 シネマDSPは、最高峰の「シネマDSP HD3」。CXシリーズ同様、DolbyAtmosやDTS:Xとの“掛け合わせ”が可能になったほか、同社のDSP 30周年を記念して作られたという新しい音場プログラム「MOVIE THEATER Enhanced」が追加され、プログラム数は計23となった。

「Enhanced」と表示されている

 Enhancedの特徴は、従来はひとかたまりだった前方のプレゼンス音場を「プレゼンスL」と「プレゼンスR」の2つに分け、音の方向感や移動感を得やすくしたこと。ヤマハでは、「Dolby Atmosなどのオブジェクトオーディオに提案する新しい音場」と話している。

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