OPPO Digital Japanは9月27日、DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「HA-2SE」を発表した。デザインや機能を従来機から継承しつつ、最新のDAC(デジタル/アナログコンバーター)チップを搭載し、合わせてアナログアンプ回路をブラッシュアップした。価格はオープンプライスで、市場想定価格は据え置きの3万9900円(税込)。9月30日に発売する予定だ。
DACには、ESS Technologyの新世代チップ「ES9028Q2M」を世界で初めて採用したDAC内蔵ヘッドフォンアンプだ。最大384kHz/32bitのPCM音源および12.2MHzのDSDを再生できるようになったが、それ以上に「音数が増え、とくに低域の階調性が向上する」(OPPO Digital Japanの島幸太郎氏)などキャラクターが変わっているという。
一方でAB級動作のアナログアンプ回路もブラッシュアップ。ディスクリート部品のトランジスタで構成された出力段にはマッチドペアの選別品を使用するなど、出力品質に徹底的にこだわった。
こうした改善により、従来機に比べてノイズ量は約半分に減少。「FitEarやShureの高級機と組み合わせたとき、従来機はホワイトノイズが気になるという申告もあったが、今回はノイズレベルを5dB改善して解消されている」。ただし、「5dB」というのは保守的に書かれたカタログ値。実際の測定データを見ると全帯域において10dB前後の差があることが分かる。
Hi/Lowゲイン設定も見直し、特にLow設定時は従来以上にゲインを下げることで、高感度のイヤフォンもアナログボリュームだけで十分に調節できるようになった。もちろんHA-2同様、グラウンド分離型のヘッドフォン出力を装備。3.5mm径の4極グランド分離プラグを持つイヤフォンを使えば、左右のセパレーションに優れた音を楽しめる。
「単にハイレゾを再生するだけならDACチップさえ積めばどんなメーカーでも対応できる。AV専業のOPPOは、ハイレゾ再生を見据えたアナログアンプ設計で差別化を図る」(島氏)
そのほかの機能はHA-2を踏襲した。内蔵バッテリーは3000mAhで、USB入力で約7時間、ライン入力時には約13時間の長時間駆動が可能だ。さらにモバイルバッテリー代わりにスマートフォンなどを充電する「モバイルパワーバンク」機能や、わずか30分で70%まで充電できる「ラピッド・チャージ」機能にも対応している。
もう1つの大きな違いは、付属のケーブルが両端L字タイプとなり、スマートフォンを接続した際、よりコンパクトになったこと。付属ケーブルは、ステレオミニ、USB OTG、Lightningの3種類だ。
「iPhone 7からアナログイヤフォン端子がなくなり、一方でPokemon GOのような電力消費の激しいアプリも登場している。HA-2SEのようにスマホと相性の良いDAC内蔵ヘッドフォンアンプのニーズはさらに高まるはずだ」(同氏)
HA-2SE登場に伴い、HA-2のブラックは生産完了。カラーバリエーションモデルの「Cherry Red」と「Sapphire Blue」は併売となる。なお、HA-2SEのカラーバリエーションについては「当面、予定はない」(同社)と話している。
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