続いて登壇した同社AI/IoT事業推進室長の宮崎武雄氏がAmazon Alexaを搭載する欧州向けのスマートスピーカー「P3/VC-PX30」のプレゼンテーションを行った。同モデルは10月下旬からイギリスとドイツで発売を予定しており、価格は230ユーロになる模様。なおアメリカでも同じスピーカーを“Elite”ブランドを冠するスマートスピーカー「F4/VA-FW40」として10月下旬に発売する。Eliteはオンキヨーグループのブランドであるパイオニアが長年北米地域で展開してきたことから、プレミアムブランドとして浸透していることを理由に採用が決定した。
P3とF4はデザインだけでなく機能も多くの要素を共有しているので、ここでは欧州向けのP3の特徴として紹介する。インターネットに接続してAmazon PrimeミュージックやSpotify、DEEZER、PANDORAの音楽配信サービス、TuneInによるインターネットラジオからストリーミングを受けて音楽再生が楽しめる。例えばスピーカーに向かってあるアーティストの音楽を再生してと音声コマンドで伝えると、音楽配信サービスのアーカイブからアーティストの楽曲を見つけてシャッフル再生を始めてくれる。Amazon Primeミュージックなどメインに使う音楽配信サービスのセットアップはスマホアプリから行う。
ほかにも声でスピーカーに向かって話しかけることにより、最新の天気予報や交通情報、オーディオブックやカレンダーの予定を読み上げてくれたり、地域によってはピザの注文なども可能になる。Amazon Alexaを搭載するスマートスピーカーは独自の「スキル」と呼ばれるプラグインを追加することで、スマホのように様々な機能を追加できるのが特徴だ。例えばサーモスタットやスマートLED照明などが、キッチンで手を動かしながらでも音声でスピーカーに話しかけて操作できる。
P3の最も大きな特長について、宮崎氏は「オーディオメーカーであるオンキヨーが満を持して発売する製品なので、音質には多くのこだわりを盛り込んだ」と話す。本体には6cmのフルレンジウーファーを2基と、合計20WのアンプにDSPを内蔵。ユニットを力強くドライブしながら広がりの豊かなサウンドを蘇らせる。デュアルパッシブラジエーターを内蔵したことで厚みのある中低音の再現力も持たせた。
ユニットはハイレゾの帯域をカバーしており、無線LANでハイレゾ品質のロスレス再生がワイヤレスで楽しめる「DTS Play-Fi」の機能を内蔵したことを十二分に生かせるスピーカーであると宮崎氏はアピールした。
また毎度音楽再生を音声で操作することの煩わしさも軽減できるように、本体の天面にはボリュームのアップダウンや音楽の再生停止を操作するためのボタンも設けた。インターネットラジオについては4つまでのバンクにお気に入りのステーションをプリセットとして登録しておくことも可能だ。
Googleアシスタントを搭載するG3、Amazon Alexaと連携するP3ともに、気になるのは日本国内での展開予定だ。宮崎氏は国内での発売時期や扱うモデルについて明言は控えながらも、「日本のオーディオメーカーとして、もちろん国内でスマートスピーカーを積極的に展開できるよう検討を進めている」と意欲を示した。
今年のIFAの展示はオンキヨーブランドのスマートスピーカーと、国内でもパイオニアのブランドから発売されている「RAYZ」シリーズが主役になりそうだ。RAYZシリーズからはLightning接続のポータブルスピーカー「RAYZ Rally」も発売されているが、本機を合わせるとオンキヨーとパイオニアの両ブランドで、GoogleアシスタントにAmazon Alexa、そしてアップルのSiriまでいまのメイン所のAIアシスタントサービスを全方位でカバーできていることになる。
発表会の壇上にはオンキヨーのパートナー企業としてRAYZシリーズを共同で開発する米Avnera CorporationのSydney Newton氏も上がり、欧州でも日本に続くかたちでLightningイヤホンの「RAYZ」と「RAYZ PLUS」に、「RAYZ Rally」も発売され好評を得ていることをアピールした。
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