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アップルの「HomePod」は音楽のためのスマートスピーカー!?

» 2017年06月06日 16時16分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 米Appleは6月5日(米国時間)、カリフォルニア州サンノゼで開催中の開発者会議「WWDC 2017」で、Siriに対応したスマートスピーカー「HomePod」を発表した。「Amazon Echo」や「Google Home」といった先行するスマートスピーカーに対し、後発のAppleが打ち出したのは“音楽”。基調講演でAppleのティム・クックCEOは、「(iPodなどが)持ち運ぶ音楽で革命を起こしたように、家庭でも音楽に革命を起こす」とした。

「HomePod」
Appleのティム・クックCEO
フィル・シラー氏が代わってHomePodを紹介

 HomePodは、メッシュのファブリック素材で覆われた円筒形のスピーカーだ。サイズは142(幅)×172(高さ)mm。本体の上部にはAppleが設計したという大型ウーファーを上向きに配置し、下部には7個もの“ビームフォーミングツイーター”を円状に並べて360度に音を出す。AppleのA8チップにより、室内のどこにおいてもリアルタイムの信号処理で自動的に音を調節するという。好みにより、「ダイレクト」と「アンビエント」という再生モードを切り替えることができる。

HomePodのサイズは142(幅)×172(高さ)mm
上部にはAppleが設計したという大型ウーファー
7個の“ビームフォーミングツイーター”

 さらに外周に沿って6方向に向けたマイクロフォンアレイを搭載。「たとえ大きな音で音楽を再生しながらでも、部屋の反対側からSiriを声で操作できる」(フィル・シラー氏)という。

 もちろんSiriは、Home Kit対応デバイスの音声操作をはじめ、ニュースや天気、交通情報などの読み上げ、アラームやタイマーの設定、ネット検索などを実行できる。またApple Musicと連携し、例えば、「Hey Siri、この曲いいね」というと、何百にも分けられた楽曲ジャンルやムードの中からユーザーの好みを学習。学習結果は同じApple IDで使用しているほかのデバイスにも共有される。さらにミュージックライブラリの中で高度な検索を行えるため、「Hey Siri、この曲のドラマーは誰?」といった質問に対応することもできるという。

Siri起動時には上面が光る
Siriにできること一覧

 無線LANはIEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠(MIMO対応)で、マルチルーム機能が追加された新しい「AirPlay 2」にも対応した。シラー氏は、「Wi-Fiスピーカーとスマートスピーカーを購入すれば400ドルから700ドルはかかる。しかし、HomePodなら349ドルだ」とコストパフォーマンスの高さをアピールした。

米国での価格は349ドル
Wi-Fiスピーカーとスマートスピーカーを買うより安いとフィル・シラー氏

 HomePodは、12月から米国と英国、オーストラリアで販売を開始する予定だ。なお、日本での展開は未定。アップル日本法人もコメントを控えている。

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