具体例を聞くとき、What do you mean? は伝わりにくい:ネイティブに伝わるビジネス英語(2/2 ページ)
今回は上司と部下のコミュニケーション編。人に何かを依頼するときの状況はさまざまですが、あまり丁寧な表現は逆に場違いで不自然な感じがします。そんなときは、気軽に「Can you〜?」で依頼してみましょう。
依頼の表現
人に何かを依頼するときの状況はさまざまです。例えば「ちょっと窓を開けて」程度のお願いに、If you don't mind, would you open the window?(もし差し支えなければ、窓を開けて頂けないでしょうか」のようなあまり丁寧な表現は、逆に場違いで不自然な感じがします。そんなときは、気軽にCan you open the window? とか、Could you open the window? と言えばいいでしょう。
また丁寧過ぎる依頼表現の問題点は、相手が断りにくくなったり、押しつけがましさが出てしまうことです。相手が断れる余地を残した表現をするのがいいでしょう。ただ、丁寧さを失わないことも大切です。その両方を兼ね備えた依頼文がCould you〜? です。どんな状況にも使える無難な依頼の表現です。
以下、いくつか例文を紹介します。
上司と話す
- Could you give me a few minutes? (ちょっとお時間よろしいですか?)
類似表現にDo you have a moment?(お手すきですか?)などがあります。
- I'd like you to make a decision about this. (この案件の判断をお願いしたいのですが。)
I'dはI wouldのこと。would like……to〜は「……に〜してほしい」という意味です。I want you to……に比べ、丁寧な言い方となります。
- I hate to trouble you, but would you ……? (申し訳ありませんが、……していただけますか?)
「お手を煩わせたくないのですが」を一言添えましょう。申し訳ないと思っているあなたの気持ちは分かってもらえるはずです。I hate to trouble you, but would you read through my proposal?(申し訳ありませんが、私の企画書に目を通して頂けますでしょうか?)のように使えます。
助力を申し出る
- Should I help you with your presentation? (プレゼン資料、手伝いましょうか?)
shouldには「義務」など、いろいろな意味がありますが、このshouldは「提案」を表し、Should I〜? で「〜をしましょうか?」という丁寧な提案になります。
- Let me know if there's anything I can do. (なんなりとお申しつけください/できることがあったら、何でも言ってください。)
Let me know〜は、「〜を教えてください」の意味です。
申し出を受ける
- Thanks a lot. That would be a big help. (ありがとう。では、よろしくお願いします。)
この場合の「よろしくお願いします」は相手の申し出に対する返答です。直訳すれば「それは大きな助けになるでしょう」という意味。すなわち「とても助かります」ということです。bigよりもさらに大きいhugeやenormousを使うことで、もっと大きな感謝の意味を表せます。
申し出を断る
- Maybe later. (今は結構です。)
「たぶん後で」が直訳。助力の申し出を断るフレーズですが、Maybe laterで、「後でお願いすることになるかもしれません」という含みを残したフレーズになります。ただ断るよりも、相手にとってはずっと気持ちのよい表現になります。類似表現にI'll be okay today.(今日は大丈夫です。)などがあります。
指示を仰ぐ
- How can we take care of this problem? (このトラブルにどう対処したらいいでしょうか?)
take care of〜はとても便利な言葉です。物事を「処理する」「対応する」「引き受ける」から人の「面倒をみる」「世話をする」まで非常に守備範囲が広く、ビジネスでも使い勝手のよい言葉です。
- Yamada-san in sales is making an impossible request. (営業部の山田さんが無理難題を言っているのですが……。
impossible requestは「不可能な要求」すなわち「無理難題」。このように訳しにくい日本語は意味を考え、柔軟に対処しましょう。
次回は、仕事を進める中で使えるフレーズを紹介します。
関連記事
- ビジネスで使うと危ない(?)6つの英語の慣用句
日本語でも活用されることがある、英語の慣用句。しかし、ネイティブからすると、違和感を覚えるものもあるようです。今回はそんなビジネスで気軽に使うと危ない英語の慣用句を紹介します。 - やはり英語は必要なのか? 日本人にとっての壁
「英語がうまく話せない。なんとかしなければ」と思っている人も多いのでは。「社内公用語は英語」「グローバル化が加速」といった言葉を目にするが、ビジネスパーソンにとって英語はどこまで必要なのだろうか。 - 中国語人気に陰り? 学習したいと思っている言語
英語以外で、あなたが学習したいと思っている言語は何ですか? 全国の男女に聞いたところ「中国語」がトップ。ただ昨年の調査結果と比べると、「中国語」と答えた人は大幅に減少した。イーコミュニケーション調べ。 - 予約不要でいつでも英会話、ロゼッタストーンのオンラインプログラム正式販売
ロゼッタストーン・ジャパンは、オンライン英会話プログラム「Rosetta Stone ReFLEX」の正式販売を開始。予約不要でいつでも英会話ができるなど、日本人の英会話へのハードルを越える製品だという。 - 英語で話しかけられたら、どんな反応をしますか?
「人材のグローバル化」「社内公用語は英語」といった動きがあるが、このことに焦りを感じている人はどのくらいいるのだろうか。20〜40代の男女に聞いたところ「焦りを感じる」と答えた人は57.5%だった。ロゼッタストーン・ジャパン調べ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.